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なぜカンボジアに学校を建てたいのか? とやかく言われがちなカンボジア学校建設について、あらためて考えてみた。 (7月8日現在)

カンボジアに学校を建てます、というと色々言われることがあります。
「日本にも困っている人はいっぱいいるのに、なんでカンボジアなの?」とか。
「ありがちだよね」、とか。

そもそも、なぜカンボジア学校建設をやりたいと思ったのか。
・・・たまたまです。
私は中高国際系の学校に通っていて、そこには帰国子女の友達や外国籍を持つ友達がたくさんいました。ある子はアメリカ帰国。ある子はドイツ国籍。ある子はマレーシア帰国。ある子はブラジル国籍、といったように。
中でも東南アジア帰国の子は多くて、中高6年間、ことあるごとに色んな話を聞いたように思います。みんな自分のいた国が大好きで、キラキラした目でその国の好きなところを語っていたり。何か事件が起こった時には本気で心配そうな顔をしていたり。私の中では、国をイメージするときには、その国に住んでいたり、住んでいた友達が浮かびます。友達がいた国、友達がいる国は、いない国より近くに感じます。

地球

そんな私は、大学に入って、ベトナムに2週間行く授業を見つけます。ベトナム帰国の友達とめちゃめちゃ仲が良かった私は、「ベトナム行ってみたい!」となって、ベトナムに行きました。そこでベトナムのゆったりした空気やおいしいご飯にやられ、東南アジアというくくりに親近感を持っていた私は、もっと東南アジア行ってみたい!となります(東南アジアでくくってごめんなさい。)。Pumpitに入ったきっかけの一つは、カンボジア行ってみたいし旅行だけじゃないつながりが東南アジアの国とできるのいいなあと思ったことです。

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そんなこんなでPumpitに入り、春休みにカンボジアに行きました。みんなで建設予定校に行って、子どもたちと遊んだり、先生の話を聞いたり。そこで「小学校の今の校舎はシロアリの被害がひどく、あと数年で使えなくなるかもしれない。私たちが校舎を建てるなら、お金が足りない分は村人で集めようと言っている。」という話を聞きます。確実に必要とされている校舎。しかし、夜のみんなでの話し合いで、私は「地雷除去する団体にお金寄付するとか他のことでもいいんじゃない?」といったのを覚えています。「カンボジア学校建設」って言われて集まってるのに。笑

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わからなかったんです。学校建設がとるべき“正しい”選択肢なのか。出会ったこの子たちは間違いなく校舎を必要としている。でもきっとカンボジアには他にも課題はあって、何をするのが一番“正しい”のかわからない。学校建設より地雷除去の方が“正しい”のかもしれないしそうじゃないかもしれない。人数も、緊急性も、比較する手段はないけど、きっと色んなことを必要としている色んな人がいる。それを数値化して順位をつけることなんてできない。全てをできるわけじゃない、その中で、この子たちに出会ったからという理由で、この子たちがそれを必要としているからという理由で、私たちがこの子たちのためにそれをやりたいからという理由で、「学校建設」に突き進むことは“正しい”のか。きっとあの時の自分は、誰よりも「やりたいことをやっていい」と思えていなかったのだと思います。あるいは、「この子たちのために絶対学校を建てたい」と思える他のメンバーたちより愛のない人間だったのかもしれない。

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Pumpitはメンバーのワクワクすることを実現して学校建設資金を集め、イベントに来てくれる人、カンボジアの子どもたち、そして自分たちもhappyになることを目指しています。日本での一年半の活動の中で、自分から何かをやりたい!と言い出すことはなかったものの、メンバーのやりたいことが自分のやりたいことになって、「やりたい」が尊重されるPumpitは心地いい居場所になって、「一人のワクワクをみんなのhappyに」という4thの理念が大好きになって、一生懸命なメンバーにつられて、子どもたちが必要としている校舎を建てることを夢見て、気づけば一生懸命になっていました。

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1年半で建設資金を集め、この前の春休みにカンボジアに学校建設をしに行きました。
一か月、子どもたちと遊んだり、一緒に建設作業をしたり。終わればゲストハウスでバナナシェイクを飲んだり。みんなで飲みに行ったり。ただただ楽しい一か月を過ごしました。その1か月で、小学校の子どもたちはもちろんのこと、ゲストハウスを営んでいる家族、校舎を建ててくれた建設会社の人たち、バンを運転してくれたドライバー、アイス屋さん(の隣のお店)のお姉さんは、大切な人、また会いたいと思う人になりました。カンボジアのご飯や空気が大好きになって、シェムリアップは自分の街になりました。カンボジアは、大好きな人がたくさんいる、大好きな場所になりました。

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私がカンボジア学校建設に出会ったのはたまたまです。今一緒にやっている30人のメンバーたちがカンボジア学校建設に出会ったのも、きっとたまたまです。きっかけは何にしろ、カンボジアに校舎を必要としている子どもたちがいて、私たちはたまたまカンボジア学校建設に出会って、それをやりたいと思った。サッカーを一生懸命やっている人がいて、地域創生を一生懸命やっている人がいて、茶道を一生懸命やっている人がいて、カンボジア学校建設を一生懸命やっている人がいて。それでいいと思っています。

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カンボジアに学校を建てるというのが私たちのとるべき“正しい”選択肢なのか。それは私たちにも、きっと世界平和について研究している人も、わかりません。ただそこにいたのは、メンバーの手をとり、泣きながらありがとうと言ってくれたお母さんです。ただ言えるのは、カンボジアで校舎の不足している学校の校舎を建てること、カンボジアで地雷除去する団体に寄付をすること、日本の地域創生に取り組むこと、アフリカで農業支援をすること、どれが“正しい”とかいう話ではない、ということです。きっとみんなたまたま出会った手段で、たまたま出会った人々に一生懸命向き合っています。どれが正しいとか、どれが間違っているとかいう話ではないからこそ、全てをできるわけじゃないからこそ、自分の出会った手段、自分の出会った目の前の人に対して至誠を尽くすことが大切なのだと思います。ある人は日本でつながりを作り、ある人はケニアでつながりを作り、私たちはカンボジアで子どもたちと、出会う人々と、つながりを作っていく。それがいいと思っています。

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「国際協力は恋愛だ」と誰かが言っていましたが、正しさを数値化できないこの世界で、出会った目の前の人を幸せにすることを考えていきたいのです。恋人のように。友達のように。

Pumpitは自分たちのワクワクすることを形にして資金を集め、カンボジアで学校建設をする団体です。やりたいことをやるのが難しいこの社会で、やりたいことをやり続け、この夏出会う子どもたちのために、自分たちがやりたいと思う「カンボジア学校建設」をして目の前の人を幸せにするPumpitがある世界の方が、Pumpitがない世界より、少しだけhappyなんじゃないか。そんな気がしています。

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※7月8日時点です。夏休みにカンボジアに行ってみたらもっと必要とされること、もっとやりたいことがもしかすると見つかる可能性は0ではありません。

#国際協力 #カンボジア   #学校建設

#カンボジア学校建設 #教育支援

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