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ともかく、うごこう。【Dエンタープライズ】

今回は鹿島朝日高等学校・鹿島学園高等学校で、株式会社Dエンタープライズの進藤さまにご登壇いただき、ご登壇いただき、キャリア教育プログラム 「Choose Your Life!お仕事図鑑」を実施しました!

Choose Your Life!お仕事図鑑とは、『知らないから、選べないをなくす』のコンセプトのもと、日本の産業や社会を支えてきた人たちの志や想いを若者たちに継承したいという想いでつくられた高校向けキャリア教育プログラムです。

様々な業界を代表する企業に登壇いただき、そこで働く人の仕事や生き方を伝え、若者たちがロールモデルと出会うきっかけを届けます。

この記事では高校生に働く情熱を伝えた本プログラムの一部をお届けいたします。担当はハッシャダイソーシャルの「森本」です。


「人生の転機」にあるのが引越し

森本:今回のゲストは進藤大五郎さんです。よろしくお願いします!まずは自己紹介、そして進藤さんのいる業界について教えてください。

進藤さん:株式会社Dエンタープライズの進藤大五郎と申します。せっかくのご縁なので全力で行きます、よろしくお願いいたします!

まず、僕が仕事をしているのは引越し業界です。20歳から始めて20年間、引越し業界 一本で働いてます。

みなさんもこれから大学生や社会人になると、きっと実家から出て一人暮らしをしますよね。転勤もそうだし、彼女・彼氏と同棲するとか、結婚や出産、あとは良いことだけじゃなくて離婚したとか両親が亡くなったとか、そういう「人生の転機」に引越しがあるので、みなさんもこれから関わる業界なのかなと思います。

Dエンタープライズは引越しに付随することは全部やっています。

例えば「引越し前に、これ処分して欲しいねんけど」というモノの処分、引き取り、エアコンやウォシュレットの取り付け、ご家庭のピアノを運んだり、コピー機や金庫などがある事務所や店舗の移転、電気工事、そのあたりは全部やっていますね。

森本:個人的には引越しって「運んで終わり」というイメージでしたが、実際は違うんですね。

進藤さん:昔はそういうイメージでしたが、例えば洗濯機を自分で設置できる方も少ないので、取り付けや取り外しもやります。荷造りや荷ほどきができない場合は梱包会社に依頼して「楽々パック」のようなこともやっていますね。

ストーリーを運ぶ仕事

森本:引越し業界は大手がいくつかありますが、その中でどう仕事を獲得してきたのか気になります。

進藤さん:日本の引越しの年間の売上は大体3000億円で、大手が3分の2の売上を占めています。つまり大手以外の「その他の市場」が1000億ある。

そこに対して、本当に良いサービス、お客様に喜んでもらえるサービスを提供すれば、大手ではなくうちの屋号「ダイちゃんの引越サービス」に仕事を依頼してくれるし、リピーターが紹介してくれる。別にテレビCMも出していませんが、それで20年間ずっとご紹介いただいていますね。

森本:リピーターが多いんですね。

進藤さん:圧倒的に多いです。さっきも言いましたが、引越しはお客様が新天地で生活を始めることに携わる仕事です。進学や就職で気分良く新天地へ向かう人もいれば、コロナで大変な思いをして実家に戻らなければいけない人もいます。どんな理由であれ、これから一歩踏み出すところに携わる仕事です。

引越しの見積もりに行くと、「実は離婚すんねん」とか「彼女にサプライズで家を借りてクリスマスに・・・」とか、あまり他人に打ち明けないことを話してくれるんです。

だから引越しは荷物だけではなく、その方のストーリーも運ぶものだと思うんですね。

本当にお客様に喜んでいただくためには、単にモノを運ぶのではなく、早く終わらせて欲しい方なら早く終わらせるし、とにかく丁寧にやって欲しい方には、より丁寧に。話を聞いて欲しい方なら話を聞く。

そしてお客様に「ありがとう、引っ越しして新しい人生迎えるのが楽しみやわ」と言ってもらえるサービスを提供するのが、大手と最も差別化しているところ、次のお仕事を紹介してもらえる理由かなと思います。

引越しって、土木や建築と同じ「現場作業」だけど、眼の前のお客様にいかに喜んでもらうかという「サービス業」も混ざっていて、さらにゲームやスポーツのような要素もあります。

荷物をいかにキレイに梱包して、いかに簡単に運んで、いかにキレイにトラックに積み込むか、まるで立体テトリスみたいなシーンもあります。
コロナ以降は「置き配」が当たり前になりましたけど、引越しの場合は段ボールが200箱にもなるので当然置き配なんかできない。台風でも、夏場のマスクでしんどくても、5階までの階段を何百往復せなあかんこともあります。

でもサービス業だから、お客様に喜んでもらうために汗はすぐ拭かないといけないし、新居には汚い格好では入らない。すごく奥が深いです。

繋がっていく想い

森本:ダイちゃんの引越サービスは、プロ野球選手や芸能人の引越しもやる一方で、生活が苦しかったり、他業者が断る状況の依頼も受けると聞きました。

進藤さん:生活保護を受けている方の引越しを弊社でさせてもらったことがあります。生活保護を受けている方には国から引越し代金が出るんですよ。

そのお客様はお母さんが病気で寝たきり、 お父さんは入院中だったので、高校2年生くらいの息子さんが見積に立ち会ってくれたんですね。それで見積もりは、大手引越し業者が20万円、うちは15万円ならなんとかできる・・・という話になったのですが、国から出る引越し代金は金額が決まっていて「10万しか払えない」と。

でも仕事を断ったらその家族は絶対に困ってしまう。ご両親が病気で、どうやって高校生の子が一人で引越しするのか。

そこで、何かできへんかなと。私は引越しの会社を運営しているわけで、引越しで協力はできる。だから、まあ10万でいいですよと。いらないものの処分などのオプションも全て込みで10万にしました。

そうすることで、もしこの高校生が引越し屋で働くことになったら「自分のように困っている人を助けよう」と考えるかも知れないわけですね。

仕事はそうやって繋がっていくもので、だからこそ憧れられる業界にしたい。引越し屋で働きたい人を一人でも増やしたい、というのが私の夢なので。

森本:誰かにしたことが、次の人に繋がる。進藤さんご自身がそういう人に出会ってきたのでしょうか。

進藤さん:そうですね。21歳で会社を起こして、23歳で株式会社にしたのですが、右も左も分からないしサラリーマンもしたことがない。消費税や法人税も社会保険も何も知らないのに、株式会社にした方がなんかええやろ、という気持ちで株式会社にしたんです。

だからめちゃくちゃ苦労しました。でも、いろんな方が助けてくれました。その出会いが、いまの自分を作っているし、周りに本当に良い人しかいないのが私の長所でもあります。

きっかけは「社長になりたい」

森本:21歳で会社を起こしたということですが、そのきっかけは?

進藤さん:大学時代、学校が全然面白くなかったんですね。それで「学歴も資格もいらない。ただ単にお金持ちになりたい」と思っていたところ、引越しの仕事と縁があって。体力はあるし、これなら僕にもできるかな、というのが始めたきっかけですね。

高校時代はずっと水球をやっていて、運動しかしていませんでした。インターハイにも出ましたけど、プロとして飯を食えるというほどでもなかったんです。

でも水球で全国まで行けたので「自分はやればなんでもできる」という変な自信はあったんですね。それで、推薦で大学へ行って、水球部が無かったので作ろうとしました。ところが水泳部の先輩に邪魔されて、水球自体を辞めてしまったんです。

水球部を作りたいだけなのに、それもできなくなって、腐ったんです。あとはもうアルバイトばかりして、大学は単位を取るためだけに通っていました。訪問販売とか、完全歩合制で売った分だけ稼げるようなアルバイトをしていたんです。

それで、その時に出会った経営者に惹かれて、 社長ってカッコいいな、経営者になればやりたいことも見つかるかな、と。だから、やりたい仕事があったわけではなく「社長になりたい」が最初のきっかけですね。

一歩踏み出せば何かが

森本:参加している学生から、いろいろ質問も来ています。「"出会い”は、どうやって作るのでしょうか

進藤さん:従業員や友だちにもよく聞かれる質問です。でも出会いって無数で、毎日誰かと出会っていますよね。

そこでよく言うのは「一歩踏み出すこと」。SNSでもそう。DMを送る一歩、メッセンジャーから送る一歩。それだけで出会いになると思います。遠慮する必要ないですよ。

僕はよく「死ぬこと以外はかすり傷」という言葉を使うんです。メッセージを送ったらどう思われるか、こんな私がメッセージ送ってもいいのか、そんな葛藤があると思います。

でも、何かアクションを起こせば何かが起きるはずで、 何もしないのはもったいない。

小さい成功も大きい成功も、どちらも成功です。DMを一通送ることも、大手企業に面接に行くことも同じで、ことの大きい小さいは関係ない。そのアクションが大事な気がしますね。

森本:いまのお話で勇気づけられた人も多いと思います。一方でこんな質問も。「人とのコミュニケーションが苦手です。克服するにはどうしたら?

進藤さん:この相談をしてきた人は、仲の良い人はいるのかな。例えばこの人が、僕だけと仲が良いとするじゃないですか。でも僕と仲が良ければ、僕が仲良くしている人とも絶対に仲良くなるはずで、だから、自分が好きな人、仲の良い人と一緒にいればいい。

友達は、1000人いるよりも本当に困った時に助けてくれる人が何人いるかが大事な気がします。あとは、好きなこと、興味あることをしていれば、勝手に気が合う人に出会えると思います。

それ以上のことを望むなら、「一歩踏み出す」アクションを起こせばいい。毎日一つ成長していけば大きな成長に繋がります。

大事なのは「イメージ」

森本:参加している学生たちは、これから進路を選ぶことになりますが、こういう質問も来ています。「就職するか進学するか、進藤さんならどんな判断をしますか」

進藤さん:そもそも僕は水球部を作りたくて進学したので、就職か進学かを深く考えていませんでした。

でも、僕が進学して良かったことは、自分の時間があったこと。悩む時間も遊ぶ時間もあったし、アルバイトでいろんな仕事ができたので、進学して良かったと思っています。

でも、大学の費用がめちゃくちゃ掛かってしまったこと、遊び倒して何も学ばなかった時間については後悔を感じています。だから、やりたいことが決まっている人は就職するべきかも知れないですね。

その道を1日でも早く進めば、それだけ早く体験できるので。でも、まだ悩んでいるのなら進学もいいのかなと思います。みんな悩むよね。というか、誰も答えは分からないんですよ。親にも分からない。だからみんな迷うんじゃないですか。

迷ったときに僕はこう考えます。どっちが楽しいかな、どっちがワクワクするかなと。

だから、「就職か進学か」より、もっと大事なことがある気がして。どういう人生を送りたいのか、それを叶えるために就職や進学という道がある。
やりたいことが分からないから進学する人が多いと思いますけど、それで送りたい人生が叶うかどうかが大切じゃないかな。

大事なのは、やっぱりイメージすること。 例えば、車の免許が欲しい理由は、免許証のカードが欲しいわけではなくて、こんな色のこんな形の車で、誰かを隣に乗せて、山へ行って夜景を見たい、というイメージを叶えたいからですよね。「こんな仕事をしたい」「こんな生き方をしたい」「こんな国に行きたい」とイメージすること。妄想って大事ですよね。

乗り越えられる壁しか現れない

森本:残り時間も短くなってきましたが、まだまだ質問が来ています。
「精神疾患があって毎日その病気と向き合っています。 その中で親との関係が悪くなってしまい、気持ちが落ちることがよくあります。そういう時は、どうやって気持ちを上げればいいですか」という質問です。

進藤さん:原点に戻って「楽しいことをする」ですよ。僕も悩むことがあります。辛いこともある。でも、自分の前には、自分で解決できる壁しか現れないんです。

僕に「100億円貸してくれ」という話は来ないけど、「1億円貸してくれ」と言われたことはあります。ならば僕にとって1億円は乗り越えられる壁だと思うんです。みんなも同じで、自分で乗り越えられる壁しか出てこない。

じゃあどうすれば乗り越えられるのかというと、やはり楽しいこと、自分が好きなことに目を向ければマインドは変えられると思います。まあ、僕と毎日おったら勝手にポジティブになるし(笑)

先のこと、未来のことを考えるからマイナス思考になるんですよ。未来は分からないから。

でも、先のことを考える力があるのは素晴らしいことで、必ずしもマイナス思考は悪いことではないです。自分がどうやったらモチベーションを上げられるか、何をしてる時が楽しいか、そこに目を向ければおのずと行動も変わるし、そういう気分になるし、そういう人生になる。だからなにか一つアクションを起こすのが大事かも知れないね。

ともかく、うごこう。

森本:ありがとうございます。もっとお話を聞きたいのですが、そろそろまとめの時間にしたいと思います。今日参加してくれた高校生へ一言お願いします。

進藤さん:今日は、ありがとうございました。人生はみんな一度きりで、自分の人生は自分が主役で、みんな幸せになるために生まれてきたんですよ。だからどうやったら幸せになれるか、幸せとは何かを考えるべきだと思う。

それで、幸せになるためのコツは「知覚動考(ともかくうごこう)」

まず、世の中にどんな仕事があるか、自分のことを「知る」。その後に勉強したり資格を取ったりして「覚える」考える前に動くことが大事。動いてみて、足りないことや反省を考えるべきなのに、ほとんどの人が動く前に考えてしまう。そうすると、考えたことによって動けなくなるんです。

僕が20歳の時に商売を始められたのは「無知は無敵」で、何も知らなかったから。みなさんには若さという可能性しかないです。だからまず動く。なんでもいいから動く。それが人生を切り開く一歩だと思います。

森本:今日はありがとうございました!!

編集後記

今回は引っ越し業界への想いや進藤さん自身のキャリアについて、高校生にお話しいただきました。高校生の感想にもありましたが、お話を聞きながら私自身も元気と勇気をもらった講演でした。

そして、講演の中で特に印象に残ったのが「一歩踏み出してみること」。

小さくてもいいから、一歩踏み出してみる。中々踏み出せないことも、今回の講演で少し踏み出してみようと思ってくれたら嬉しいです。

今回の講演を通して、「引っ越し」というイメージが変わりました。やはりただ知るだけではなく、実際に働かれている方の声や想いを聞くこと、そして、その学びを自分自身の体験につなげることが大切なんだと感じます。

これからもハッシャダイソーシャルは様々な業界と連携しながら、高校生のChooseYourLife!を支えます。

引き続き、応援のほどよろしくお願いします!!

高校生の声を抜粋📢

アクションを起こすということの大切さを感じました。また、進藤さんの言葉にたくさん勇気をもらってこれからの人生を幸せに生きる力になると思います。1時間半の時間もあっという間だったし、興味深い話をたくさん聞くことができて楽しかったです。

ただ荷物を新しい家に運んでくれるだけの仕事だと思ってたし、運ぶだけの引越し屋もある中で、だいごろうさんは1人1人の人生に関わる大事な機会として真剣に引越しに向き合ってくれる多くの人の憧れになるようなものを作り上げていて感動したし引越しに対するイメージが大きく変わった。

引っ越し業界の知らなかった一面を知ることができた。また、一歩踏み出すことの重要性など、これからの人生で大切にするべきことを知ることができた。

3年生で今色々大変な時期でこの講演を聞けて凄く励まされました! 今後の活動に活かせそうな言葉もたくさん聞けたのでこれからも頑張っていきたいです! 今日は素敵な講演ありがとうございました!


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