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#舞台感想

心を動かされた演劇や舞台についてのレポを募集します! 作品名のハッシュタグと一緒に投稿してください。

人気の記事一覧

75分の一筆書きで魅せる世界「滑走屋」

思いもよらぬことはいつも突然、目の前にあらわれる。いいこともそうでないことも。その瞬間が訪れた時どうするか、瞬発力を試されるように。 指折り数えて楽しみにしていたアイスショーの公演2週間前、携帯・スマホに限って撮影OKの号令がかかった。 iPhoneSE第2世代を使って4年目。バッテリーのもちが悪くなって、今年あたり機種変せなあかんかもなぁと思っていたところにこのニュース速報。脳内で「今でしょ!」と叫ぶ声がした。その日の夜から毎夜バックアップをとり、その週末(公演1週間前

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舞台『ハザカイキ』のすすめ — 三浦大輔による巧みな演出/丸山隆平という、人に寄り添う役者/恒松祐里の制御力 —

劇作家・演出家・映画監督である三浦大輔氏のオリジナル作品の主人公の名前は、すべて“菅原裕一”である。そしてその恋人の名前は“鈴木里美”、友人は“今井伸二”だ。同じ人間だというわけではない。名前が同じ理由は、過去のインタビュー記事によると、「考えるのがめんどくさいから」「それほど意味はない」「似たような駄目な男が登場するので、 統一したら面白いかなと思ってやっているというだけ」だという。 二十何代目か、の菅原裕一が登場するのが、舞台『ハザカイキ』である。 三浦氏の3年ぶりの新

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『能』について、ちょっぴり語ってみた。

こんにちは、ぷるるです。 昨年の初観劇から、『能』にすっかり心奪われた私。 その熱は冷めることなく、今年も1月と3月に観劇をしてきました。 さすがに3回目ともなると、あれこれ思いを巡らす余裕が出てきます。 例えば「能、歌舞伎、オペラの違い」についてなど・・・。 意外にも『能&歌舞伎』より、『歌舞伎&オペラ』の方に共通点が多く感じられ、私は驚いてしまいました。 そんな素人視点の「ゆる考察」。 お楽しみいただけたら、幸いです。 意識の切り替え方 舞台には、たいてい幕

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【観劇体験】舞台『ジャズ大名』KAAT 神奈川芸術劇場

【観劇記録】として観た舞台の感想をnoteに記しているが、本記事は、【観劇体験】とした。何故かは追々書いていくとして、まずは前置きを。 “語彙力がなくなる”という表現を度々目にする。 特にここ数年でよく見るようになった。自分が心酔している好きな物や人について、その素敵さや素晴らしさ故に言い表す言葉をも失くしてしまう、というニュアンスで使われているのだが、筆者はその表現を見聞きするたびに疑問に思う。 「なくなる、のではなく、それを言う人は、もともと言い表せる語彙を持っていない

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舞台『あのよこのよ』の役者たち、あれやこれや。役者・安田章大の脈動の芝居。

※本記事は商用ではなく個人的な主観による雑記(約8,000字)となります。また、舞台の内容を含みます。 作品が幕を閉じた瞬間から、“次の出演作”がこんなにも待ち遠しいと思う役者はそういない。 本人が役をどう調理して振る舞うのか、その人物からどんなエネルギーが発せられるのか、それは観客である自分の五感、ときに六感にどう届くのか。 それらを体感する時間がどうしようもなく待ち遠しい。 芝居の上手い下手や巧さや粗さについてならば、もっと上手くてより巧みで、リアルさとスマートさのバ

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2024年4月12日(金)「祭 GALA」昼の部ネタバレしまくりレポ

さてさて、早速レポを書きなぐっていこうと思います。ご覧くださるどなた様かのお役にも立てばと思い記しますが、意図はあくまで備忘録。お見苦しい点、ご不快な点がありましても、何卒ご容赦くださいませ。 ちなみに見出し画像の義賢公は里帰りのつもりです。(?) さて、わたしの席は下手前列。正直オペラグラスは不要な神席。(まぁフライング中の顔を拝むには持って行っても良かったかもしれない。)(あと毛穴まで見たかったら必須です。わたしはそこまでは見んでいい。) 位置的に、下手舞台に立った

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【映画感想文】宝塚星組『RRR』を観てきた! よかった! 元気出た! 『VIOLETOPIA』も刺さりまくった! そして、谷貴矢さんのコメントに心打たれた

 楽しみにしていた宝塚星組公演『RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem~(アールアールアール バイ タカラヅカ ~ルートビーム~)』を観てきた。  宝塚で映画『RRR』をやると聞いて、誰もがそう思ったように、わたしもマジか! と驚いた。  ぶっ飛んだストーリー、ぶっ飛んだ演出、ぶっ飛んだ面白さ。映画としても破綻ギリギリというか、もはや破綻しているけれど、そんなことはどうでもよくなる奇跡の作品『RRR』、果たして、舞台化できるのか? いや、でも、宝塚ならできる

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【観劇記録】舞台『モンスター・コールズ』初日公演 PARCO劇場

2023年11月にPARCO劇場に『月とシネマ』を観に行った際、ロビーのラックにあった『モンスター・コールズ』のチラシが目に留まった。 仮チラシだったが、青い木のイラストがどこかおどろおどろしく、“モンスターは真夜中すぎにやってくる”というコピーも興味が湧いた。ハートフルな話やポップな話よりもダークな作品のほうが好みなのと、出演者に名女優の銀粉蝶氏が名を連ねていたことで、「これは初日に観よう」とその場で心に決めた。 舞台『モンスター・コールズ』は、イギリスの作家パトリック・

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いよいよ day52

5/4 (Sat.) #66日ライラン day52 この土・日は、私にとっての公演本番。 稽古場では、前回の連休時に公演日程の前半を、そして昨日の夜公演を無事に終えた。 (ありがたいことに、残り公演も含めて全日程、満員御礼だそうです。) このコスパタイパの時代に。公演時刻に合わせてわざわざ劇場に足を運び、同じ時間を過ごして同じ物語を共有してもらえることが、どれだけ貴重で、ありがたいことか。 66日ライラン、始めた時に最初に心配したのは、公演日程かぶってるけど私大丈夫な

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【観劇記録】PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『月とシネマ2023』

本記事は、あくまでも個人的な主観の雑記である。 『月とシネマ』は、渋谷PARCOが2016年に建て替えのために休館した後、リニューアルして開業した新生PARCO劇場のオープニング・シリーズとして、2021年4月から5月に公演予定であった。しかし、ギリギリまで稽古を重ねたもののコロナ禍の影響を受けて全公演中止となった作品だ。 2023年秋、約2年の時を経て、PARCO劇場開場50周年記念シリーズとして上演されることとなった、『月とシネマ2023』。 作・演出は2021年から変

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終わりがあるから始まりがある day54

5/6 (Mon.) #66日ライラン day54 今日の記事タイトルは、私のオリジナルではありません。 今回、note記事何度かに分けて書いてきた、あるお芝居の脚本に出てくるセリフであり、歌の歌詞であり、そしてテーマでもありました。 人がつくりだした創作作品には、時に、現実世界の辛さや悲しみ、やりきれなさ、喪失感などを、受け入れ、癒し、ゆっくりと前向きなものへと変えていく力が宿ることがあります。 今回のお芝居は、そんな作品だったと思っています。 46年の歴史に終止符を

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【観劇記録】舞台『OUT OF ORDER』世田谷パブリックシアター

本記事は、あくまでも個人的な主観による雑記である。 『Out of Order』は、“笑劇王”の異名を持つイギリスの劇作家レイ・クーニーの戯曲である。 主人公サイドが、とにかくその場を取り繕わねば誤魔化さねばと嘘に嘘を重ねて、次々と登場人物たちを巻き込み話がどんどんややこしくなっていく。そんな喜劇をワンシチュエーションで展開させる作風で、レイ・クーニー作品は世界規模で絶大な人気を誇っている。日本でも彼の作品は度々舞台化されており、『Out of Order』に関しては、2

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ミュージカル「CHICAGO 」 来日公演観劇してきたー!

私は映画や舞台をみることはとても好きで機会があればと楽しみにしている。 いつかNYでミュージカルを観たい。 それが私の目標の一つになった。 子供が生まれる前に何度かニューヨークには旅行したことがあったが、チケットの買い方もわからないし、言葉がわからないと面白くないしお金も時間も無駄になるのではと思っていたけれど、私の好きな俳優三浦春馬さんはまだ英語も完全に理解が難しかっただろう頃から、ブロードウェイで何度も観劇して刺激をうけ、彼自身舞台も英語も全力で努力していた。 今回、

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【観劇記録】KERA CROSS 第五弾『骨と軽蔑』初日公演 シアタークリエ

チラシを開いて、「圧巻な眺めだな」と思った。 顔ぶれもビジュアルも。紙のチラシでそう思うのだから、生身で客席からステージを眺めたならばどうであろうか。否応なしに「これは観に行こう」と思わせた。 劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチによる過去の戯曲を、それぞれ異なる演出家たちが新たに創り上げる連続上演シリーズが“KERA CROSS”である。 第一弾は、『フローズン・ビーチ』(2019年7月~8月、演出:鈴木裕美)、 第二弾は、『グッドバイ』(2020年1月~2月

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【曽根崎心中 】BUNRAKU 1st SESSIONを観て

有楽町よみうりホールで開催中の文楽入門公演 「BUNRAKU 1st SESSION」を観てきました。 演目は「曽根崎心中」天神森の段。入門ということで解説つき。新しい試みとして背景が大道具ではなく、ジブリ映画などの背景画を手がける男鹿和雄氏の絵によるアニメーションになっています。 曽根崎心中とは 実際に起きた心中事件の1ヵ月後にはもう劇場にかかっています。当時のニュース、ワイドショーといった位置付けになり、人々の関心を呼びました。 今回上演の「天神森の段」は物語のク

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「チャーリーとチョコレート工場」大阪公演初日が最高だった件

「かっこよ…」 1幕が終わった瞬間、思わずつぶやいた。そんな人はわたしだけじゃなくて、周りからもちらほら聞こえてくる。 この舞台が素晴らしすぎて、「もうこのまま終わらなければ良いのになぁ。2幕が始まらなければこのワクワクした気持ちのままずっといられるのに」と、本気で思った。 1/27は堂本光一さん主演のミュージカル「チャーリーとチョコレート工場」の大阪公演初日。 大阪公演は梅田芸術劇場ではなくフェスティバルホールだった。オーケストラを聴きに頻繁に来ているホールではあるも

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【観劇記録】新宿梁山泊 第76回公演『少女都市からの呼び声〈若衆公演〉』下北沢ザ・スズナリ —3連続公演という旅—

本記事はあくまでも個人的な雑記であると断ったうえで、感じたままを記していきたい。 同じ演目の舞台演劇が、異なるキャストと演出で3連続で公演されるということは、そうそうない。 観客として、それを全て体感するという経験も貴重である。 唐十郎作の戯曲『少女都市からの呼び声』。 2023年の夏、花園神社でのテント芝居から始まり、東急歌舞伎町タワー・THEATER MILANO-Zaのオープニングシリーズとしての公演、東大阪市文化創造館での大阪公演、そして下北沢ザ・スズナリでの若

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有名な 作品を見た 親子連れ 思わず笑顔 黄金週

子ども向けの劇があると聞いてきた。それは前から知っていたが、私自身は行った事がなかったのだ。だけどその劇はだれもが知っている伝統的な劇をするのだという。幼稚園に通ったばかりの子どもがいる。そろそろプロの演劇を味わらせたら、彼らなりにわかるのではと思い、試しにその場所に行ってみた。オズの魔法使い。そんなタイトルは当然知っている。だが、知っていると言っても具体的なストーリーが思いつかないのだ。だけど子ども向けの劇だから大丈夫だろう。こうして演劇を子どもと鑑賞した。 その結果、大

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退屈してる暇がない!

 のざわあらし、困っています。  いや、何か重たい悩みがあるわけではありません。最近は極めて健全かつ充実した日々を過ごせているはずです。にもかかわらず、どうにも筆が進みません。その理由にようやく気が付いた……ような気がするため、こうした記事を書くに至った次第です。だらりと気を抜いて書きたいので、いつもよりリラックスした口調で喋らせて頂きます。  今の俺はコンテンツ摂取過多状態にあり、様々な媒体から浴びせられた多量の刺激で脳がパンクしかけています。これまでは都度都度「コンテン

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猿之助さんのことから1年。

5月がスタートしました。 猿之助さんの事件からもうすぐ1年になります。 少し前まで5月が来るのが不安でした。 でも今は想像と違った自分がいます。 私が猿之助さんをラストに観たのが5月12日。それから舞台を観て寂しくて泣いたことはあったけど、舞台からの想いを受けて嬉しくて泣けたのが11月でした。大衆演劇で猿之助さんとご縁がある瀬川伸太郎さん恋川純弥さんの舞踊でした。 事件のだいぶ前、猿之助さんに直に澤瀉の紋を使用することをお許しいただいたそう。澤瀉の黒紋付で伸太郎さんの

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