八木玲穏

やぎれのんです。寝ても覚めても本のことばかり考えている元書店員。本と芸術と食べることが…

八木玲穏

やぎれのんです。寝ても覚めても本のことばかり考えている元書店員。本と芸術と食べることが好き。体の半分はチョコレートでできています。時々POPクリエーター。台湾にはまってます。

マガジン

  • ほんの少し本の話。

    本のエッセイを少し*好きな本の思い出を語るだけのマガジン。

  • もぐもぐ記録。

    たべることが大好きな人のもぐもぐ記録。

  • 余白をきりとる。

    日常の中にある余白を楽しむために、余白を切り取って言葉にする。

  • 本をめくる、本を巡る。

    本と旅したあの日のこと。本をめくるように、本を巡りたい。そんな思い出の記録。

  • 大人の芸術鑑賞会。

    舞台、アート、クラシック。私の好きな芸術作品たちをご紹介します。

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本屋になれないわたしの「空想書店」開業記

「でも、もう本屋には戻れない」 全ての始まりはこの言葉でした。 そうだ、空想書店を開こう大学から20代後半までの約9年間、ずっと本屋で働いていました。人生初のアルバイトとして入社し、いくつかの本屋を転々としつつも働き続けた場所。 レジ業務はあまり好きではなかったけど、本の発注をしたり、フェアを企画したり、そのフェアにぴったりな本を探したり。本屋の醍醐味ともいえるそれらの仕事は大好きでした。 とはいえ本屋は肉体労働で決して楽な仕事ではありません。わたしが働いていた店舗は忙

    • 本と、ケーキと、わたしと。 #1 わかったさんのショートケーキ

      子どものころから大好きで何度も読み返した児童書がある。『わかったさんのおかしシリーズ』だ。 クリーニング屋さんで働くわかったさんが配達途中に不思議な世界に迷い込み、そこで出会ったおかしな住人たちとお菓子をつくる物語。 お話としての面白さはもちろんなのだが、イラストが可愛らしく色使いも素敵で、この本のことが愛おしくて仕方がなかった。 シリーズは全部で10冊あるが、わたしの家にはクッキー、ドーナツ、アップルパイ、アイスクリーム、マドレーヌの5冊しかなかった。刊行順でもないの

      • カメラとさんぽ

        最近のお出かけはもっぱらpapershootと一緒。 ミラーレス持って行った日も、気づけば結局papershootしか使ってない。 このカメラは以前の記事で紹介した台湾のおもちゃカメラだ。 とても味わい深い写真が撮れるが、狙った範囲は撮れない。近づきすぎるとボケるし、離れすぎると撮りたいものが端に寄ったりする。 その上手くいかない感じが楽しい。 花が最も難しい気がする。 この被写体はとにかくピントが合わない。でもエモい。 写真は楽しい。 *** 休みの日に予定を

        • 積読本に立ち向かえ!

          ストレスが溜まると本屋に行って本を買う。 毎日たくさんの本が出版される時代だけあり、気になる本が尽きることはない。わたしにとって本を買うことはストレス解消法の1つだ。(さすがに財布の上限があるので全部は買えないが…) では毎月たくさんの本を読んでいるのかというと、それほど読んでいない。溢れる本棚と読書量は比例しないのだ。わたしは手持ちの本の3割も読めていないと思う。本を買うこと自体がある意味わたしの趣味のようになっている。 ストレスが溜まってなくても毎月本は買う。ストレス

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        本屋になれないわたしの「空想書店」開業記

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        記事

          5月の芸術鑑賞記録

          あっという間に終わってしまった5月。 少しバタバタしていてnoteに書けなかったのだけど、実はモネ展と福田平八郎展に行きました。 折角なので5月の振り返りがてら書き留めておきたいと思います! *** 大阪中之島美術館大阪中之島美術館で開催されていた「モネ 連作の情景」と「福田平八郎展」。GWまで同時に開催されていた2つの展示を観に行ってきた。 モネ 連作の情景 「そうだ、モネ展にいこう」 ある日突然そう思いたった。以前東京でモネ展が始まったとき、関西に来たら絶対に

          5月の芸術鑑賞記録

          想像がふくらむ場所、junaida展「IMAGINARIUM」

          わたしには追いかけている画家がいる。 可愛くて、美しくて、ちょっと奇想天外で、目が合うと途端に目が離せなくなる。そんな緻密な世界を描く画家、junaidaさんだ。 彼の描いたMichiという絵本が大好きで、普段から色々な人にオススメしている。 表紙の表と裏、それぞれの場所から同時に歩き出すこどもが不思議な街を冒険し、出会う物語。街の1つ1つが緻密で、どの場所も奇想天外で、幼き日に空想していた想像の中の街を思い出す。堪らなく愛おしい絵本だ。 わたしには「絵本を描いている人

          想像がふくらむ場所、junaida展「IMAGINARIUM」

          不思議の国に誘われて

          突然現れたシロウサギを追いかけて不思議の国に迷い込むアリス。そのへんてこりんでちょっぴり怖い物語に初めて出会ったのは幼稚園のときだった。家族の誰かがディズニー版「不思議の国のアリス」のビデオをレンタルしてきたのだ。 今となっては魅力的だと感じるアリスの世界だが、正直いうと当時は苦手だった。ずっと笑っているチェシャ猫も、クレイジーな女王も、いもむしも。その世界観がどことなく不気味で怖かったのだ。 その印象が強いからなのか、わたしはアリスの原作を読んだことがない。小説はもちろ

          不思議の国に誘われて

          ちびまる子ちゃんの思い出

          2024年4月21日の放送回から「ちびまる子ちゃん」の声優がTARAKOさんから菊池こころさんに代わりましたね。 わたしはアニメ主題歌冒頭の 「みんなー、いくよー!」 という菊池こころさんの呼び掛けを聞いたとき、涙が出そうでした… 物心ついた時からずっと見ていたちびまる子ちゃん。アニマックスの再放送もひたすら見ていたし、コミックスも持っているし、1期のアニメならタイトルを言われたら内容が分かるくらい知り尽くしている作品。 わたしは今だにちびまる子ちゃんが大好きです。

          ちびまる子ちゃんの思い出

          練習の時に貰ったチョコレートが美味しくて幸せだった!本番も近いので今日は朝から晩まで練習をしてその後レッスンで、ようやく今本日のタスクが終了です☺️

          練習の時に貰ったチョコレートが美味しくて幸せだった!本番も近いので今日は朝から晩まで練習をしてその後レッスンで、ようやく今本日のタスクが終了です☺️

          大切にしたいその場所と、いつか別れるその日まで

          もっと通っておけば良かった。 これは何かがなくなるときに必ず聞こえてくる言葉だ。ほんの少しの後悔が滲むこの言葉を常連客が使うことはないし、ある種リップサービスのように聞こえるかもしれない。だが、その言葉を使う人たちの後悔や寂しさは本物で、その言葉に嘘や偽りはないと思っている。 わたし自身昨年から今年にかけて「もっと通っておけばよかった」と思った出来事がある。実際には時々通っていたので「もっと通いたかった」という感覚に近い。 その場所は『高坂書店』と『なかたに亭』だ。

          大切にしたいその場所と、いつか別れるその日まで

          テラヤマキャバレー観劇記

          SMAPでは香取慎吾くんが好きだった。 昔大好きだった赤ずきんチャチャでリーヤの声をされていたこともあり、身近な存在に感じていたからだ。 といってもライブに行ったことはないし、ファンクラブに入るほどの熱狂的なファンでもない。テレビに出ていたら見てみたり、雑誌に載っていたらちょっと読んでみたり。そのくらいのにわかである。 それでも人生で1回くらい生香取くんを見てみたい!ということで、3月に梅田芸術劇場で行われていた「テラヤマキャバレー」に行ってきた。 テラヤマキャバレー梅

          テラヤマキャバレー観劇記

          夢を叶える覚悟とは?「ドキュメント宇宙飛行士選抜試験」

          本気で夢を追いかける大人は最高に格好いい。 昨日は「宇宙飛行士の日」だったそうです…! 宇宙飛行士というと華やかな職業ですが、その夢を叶えるまでには多くの情熱や葛藤、泥臭い努力、そして「宇宙が好き!」という純粋な気持ちが存在します。 謎のベールに包まれた宇宙飛行士の世界を覗いてみましょう! ドキュメント宇宙飛行士選抜試験著者:大鐘良一、小原健右 出版社:光文社 2021年、JAXAが第6回宇宙飛行士選抜試験を行うことを発表して話題となりました。なんとこれは13年ぶりの

          夢を叶える覚悟とは?「ドキュメント宇宙飛行士選抜試験」

          造幣局:桜の通り抜け2024

          わたしは季節を感じるような場所に縁遠い人間だ。夏も海に行かないし、秋に紅葉を見にいくなんて風流なこともしない。行きたくないわけではなく、いつも気づいたらその季節が終わっているのだ。 そんなわたしだが唯一季節を感じる場所に行くことがあるとすれば、春だ。お花見だけは毎年欠かさずに行っている。 今年行った場所は大阪造幣局。昨年に引き続き人生2回目の桜の通り抜けだ。 今年の桜は141品種あり、全部で340本もあるそう。 リーフレットを受け取ったらいざ出発! 造幣局では毎年「

          造幣局:桜の通り抜け2024

          あの日のぼうけんをもう一度 〜エルマーのぼうけん展〜

          「エルマーのぼうけん」と出会ったのはいつだっただろう。この本は捕らわれのりゅうを助けるためにぼうけんに出た少年、エルマーの物語だ。 物心ついたときには既にそばにいた「エルマーのぼうけん」。好きだった物語なので「PLAY!」を飛び出して巡回してくれると知った時は小躍りしたくらい楽しみにしていた展覧会。折角なら書店時代の友達と行こうと誘ってみると瞬間で「行く!」と返ってきた。そうだよね、みんな懐かしいよね〜! ※仕掛けのある展覧会なのでネタバレが嫌な方は行ったあとご覧ください

          あの日のぼうけんをもう一度 〜エルマーのぼうけん展〜

          わたしのお守り本

          今まで生きてきた中で「これは人生のバイブルだ」と思っている本が何冊かある。その本はとても大切で、時々本棚から取り出して眺めたり、人にオススメしてみたり、いつだってわたしの一番の友人のように側にいてくれる。 何度も読み返した本。 今思い出しても内容がありありと思い出されるし、読んだ後の気持ちだって思い出せる。だからわたしにとって人生のバイブルと言える本なのだと思う。 だけど、わたしには読んだことはないけれど「そこにあり続けるだけで安心する本」も存在する。読んだことはない。内

          わたしのお守り本

          ビッグバンドの魅力を知ったディズニー・ワールド・ビート2024

          オーケストラが好きでよくコンサートに行く。 弦楽器の繊細で豊かな響きや木管楽器の柔らかくて優しい音色、金管楽器の力強くてまっすぐな音。それぞれが混ざりあい、生み出される音楽が心地良いのだ。 クラシック、ポップス、映画音楽。どれもわたしにとっては馴染み深いジャンル。それに比べてジャズやビッグバンドは聴く機会がほとんどなかった。 そんなビッグバンドのコンサートに誘われたので行ってきた。わたし1人なら、存在を知ることもなかったであろうそのコンサートのタイトルは、「ディズニー・ワ

          ビッグバンドの魅力を知ったディズニー・ワールド・ビート2024