沖縄伊是名島への墓参りは、道案内の身内を連れて行かないと辿り着けない。墓石に名前は書いてないし、ジャングルのような木が生い茂った細い道を進むと目に飛び込んでくるのは、野生の島バナナ。誰も取らないから、実り放題で、危うくここが日本の一部だということを忘れそうになった。
沖縄伊是名島の民族資料館にあった龕(がん)。神輿のように見えるが、棺を入れて担いで墓まで運んだらしい。誰がどこを持つのか決まっていて、亡くなったら方の孫や従兄弟などが担いで、長男や次男などは龕を担がずに葬列の先頭を歩くらしい。龕の表には、仏教を連想させるハスの花が描かれている。
これは沖縄で以前使われていた骨壷。伊是名島の民族資料館で展示されていた。この写真を伊是名島の出身の義母に見せると、昔は、いったん埋葬した遺体を数十年してから出してきて、骨を綺麗に洗ってから、この骨壷に入れて、墓に納めていたらしい。数十年前とはいえ、沖縄には洗骨の風習があったのだ。
写真は沖縄の仏壇。一番日当たりのいい床の間がある部屋が一番座、仏壇が置かれている部屋が二番座。仏壇には、宗教色はほとんどなく、位牌には俗名が書かれている(戒名は骨壺の蓋に書かれているらしい)。沖縄のお盆は、旧暦の7月15日を中心とした3日間をご先祖様が帰ってくる日として祝う。