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#2000字のホラー

with WEB別冊文藝春秋

人気の記事一覧

軋む(創作) ーリライト版ー

だって、何度もぶつけてきたから・・・・。 あっさりと落ちていくものだと思った。 成績にはわりと自信があったんだけど、自分で思ってたほど大したことはなかった。 中学入学からほどなくして、僕の天狗の鼻はあっさりとへし折られた。 最初のテストの順位は「下の上」。 叩きつけられた現実に、すぐに僕は対応しきれなかった。 僕は好成績が唯一の拠り所だったりしたから、一気にあらゆることへの自信を失くしてしまった。 何事も億劫になってしまい、学校でも家でもほとんどの時間を寝て過ご

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【恐い話】呪物

知り合いから聞いた話なんですがね 昔々、というほどでもない昔に巷で変な新興宗教が流行ってると教えてもらったんです いわゆる淫祠邪教 まあ、そんなもの大概変じゃないか、と思われる方も多いと思いますが そりゃあもう、輪をかけて変だったそうで あ、私の滑舌が悪く聞き取りづらかったらすみません なんせ歯が何本かないもので、へへ なんでもそちらの信者の方たちは、「穢れ」を集めていたらしいんです 穢れ、とは一体何ぞやという話になってくると思いますが 何かの本で読んだのか、

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【怖い話】ばあちゃんのお経

一年前くらいにじいちゃん死んだんだけどさ、ばあちゃんが結構塞ぎ込んじゃって。 毎日朝のお経を欠かさないんだけど、未だに肩震わしてるのよ。 良い関係の夫婦だったんだな、とか思って。 俺もばあちゃんが生きてる間に嫁見つけて、あわよくばひ孫の顔くらい見せてやりたいよなとか考えちゃうんだよね。 ある日の朝もお経唱えてるのが聞こえてきて、ばあちゃん朝飯食おうよって声かけようと仏間に行ったらさ、 「観自在菩薩行深般若波っ、羅蜜多時照見五蘊皆空度一切苦厄舎利子色不異っ、空空不異色

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【30秒で読める怪談】飲み屋横丁

先日のことです。 飲みにいきました。 いわゆる「飲み屋横丁」です。 せまいエリアに数十、場所によっては百以上もの飲食店がひしめいている路地。 そんな定義が当てはまりそうです。 私はお酒を飲まないので、その手の場所とはまったくと言っていいほど縁がありませんでした。 でも、その日の仕事終わりに、たまたま高校時代の友人と会って、「ちょっと飲みいこうよ」となったわけです。 数年ぶりに会った友人の誘いを断る理由はありません。 2人つれだって、近くの飲み屋横丁へ行きました

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【お詫び】該当作品の削除につきまして

日頃はシン・洒落怖をご拝読頂きまして、誠にありがとうございます。 noteとカクヨムに投稿していくうちに、少しずつではありますが、スキやコメント、フォロワー様も増えてまいりました。とても喜ばしいことでございます。 SNS全盛期とも言える現代社会における可処分時間の消費方法において、依存性中毒性すら持ちうるショート動画を筆頭にした受動的娯楽を差し置いて、オールドスクールかつ能動的な「文章を読む」という選択をしていただけた事に、一介の読書好きという観点からも感謝の念が尽きませ

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【怖い話】アイサツ

よく行くコンビニの店員に片足が不自由なおばちゃんがいて、気にかけてるというか、気になってしまっている。 偏見ではないんだけど、たとえば一つおかしなところを見つけると、他のところまで変な部分を見つけてしまうようなことってあるじゃん。 最初、俺は足が不自由な人なんだ、でそのおばちゃんを覚えてしまったんだけど、次第に足のことよりも独特な喋り方が気になってきた。 それは「いらっしゃあいませえ」のイントネーションとか、「レジ袋はご入り用ですかあ」の濃淡のない語尾とか、「ありがとう

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【恐い話】角の花束

とある会社帰りの平日、最寄り駅から家までの道で無性に煙草が吸いたくなり、行儀の悪いことですが人目につかない路地に入り込んで紫煙をくゆらせながら歩いてみることにしました。 このご時世ではなかなか見ないであろう、歩き煙草です。場所によっては過料も取られるそうですからとんと目にしなくなりました。 すると、曲がり角にまだ草花も新鮮で目新しい花束を見つけました。 そうか、どなたか亡くなられたような事故があったのかな、と少し立ち止まり、心の中で数瞬黙祷を捧げました。 すると 「

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【怖い話】山観音

地元の友達Hくんから、昔不気味な事があったって聞かせてもらいました。 軽音サークルで同じバンド組んでたNってやつに聞いて欲しい話があるって持ちかけられて。 2年生の頃だったかな。モラトリアム真っ盛りだったから、そりゃあもう無敵な訳よ。 だから相談事なんて、金か単位の為のレポートか女の3択だよね。 だから、おん、どうしたって返事したら、 「困ってるわけではないんだけどね、ちょっと不思議な事が起きててさ」って言うのよ。 え、なになにって食いついたらさ、 「五百円玉貯金が

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【怪談】母の体験談

これは私の母が体験した話です。 何年も前、引越しを考えており ネットで一軒家を見つけました。 近くだったので車で向かい 一軒家には売家という看板。 車を降りて窓から家の中を覗き 内装を見ていると 風邪のひき始めの様な寒気がしてきました。 もう帰ろうと車に乗り 自宅まで戻りました。 帰る途中、母の後ろに 母の友人の旦那さんが車で走っていました。 友人の旦那さんに気づきながらも家につき その頃には寒気と吐き気までしていました。 すると友人からメールがきて 友 「今

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【怖い話】八角堂

地元に八角堂って呼ばれてる建物があったんですけど。 上から見るときちんと八角形の形をしていて、それで八角堂って呼ばれてたんだと思うんですけど、本当の名前は誰も知りませんでした。 Googleマップにも名称は載ってないし、なんなら用途も一切不明の、まるでトマソンのような建築物でした。 八角堂自体は簡素な作りで、何もない敷地にポツンと佇んでいるんです。 入口は正面に一つと、反対側に一つ。飾りや意匠が凝らされている訳でもなく、寺や仏堂だと言われればそう見えるけど、言われなか

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【恐い話】宙弧、あるいは狐松明

凡そ菌糸やリンによる発光、または天然石油からの発火、ボールライトニング現象で説明が付くとされる狐火という現象ですが、果たしてこれを目の当たりにしたことのある人はどのくらいおられますか。 山に連なる長蛇の青白い怪火。 種々の文献で斯様に表現されること数多き妖怪現象を、単に化学反応の結果と締め結ぶのはあまりにも情緒がありませんね。 現に私は、狐火を体験したことがございます。 あれはもう二十数年前になります、大学二回生の時分でした。 当時、冬の海辺に流木を寄せ集め、焚き火

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【短編】私と一緒に ♯2000字のホラー

正直に言う。俺は緊張していた。 恋人の家に足を踏み入れるのは初めてだ。 付き合ってから、もう1年以上も経っている。俺の家には何度も来てくれているのに、相手の家に呼ばれたことはなかった。 「あれ?そうだったっけ?」 自分がここに来るのは初めてだと口にすると、彼女は口元に手を当てて、記憶をたどるような仕草をしてみせる。その様子を見ると、自分以外の男は来たことがあるんじゃないかと勘繰ってしまう。 「その辺りに座って、楽にしてて。今、お茶入れるね。」 そう言って通されたワン

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【恐い話】水子供養

カクヨムなどのWeb小説媒体で、ホラー作品を執筆している知人から、自身の経験を基にした短編を寄稿していただいた。 クリエイターが自身の作品を我が子のように可愛がる、というのは、こうして筆を執りはじめてから痛いほど分かるようになった。 手間暇かけて心血を注ぎ生み出した作品というのは、腹を痛めて産んだ子の如く、何物にも代え難い程に愛しいし、いいねやコメントで評価を受ければ、自分が褒められたというよりも我が子に共感を持ってくれた優しい人がいることに喜びを感じているような気さえす

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【恐い話】川の畔で

俺、床屋とか美容院とかまじで嫌いなのよね。 なんでかって言うと、唯一体験したことがある変な話に関わってくるんだけど、聞いてくれ。 たぶん小学生の高学年くらいだったと思う。 年末にばあちゃん家に遊びに行ってて、置いてある漫画も読み尽くして、1日1時間ルールのゲームもやっちゃって、あーやることないなーとうだうだしてた。 ばあちゃん家は田舎で、水が綺麗で有名な川の流れる城下町だったから、至る所に水路とか井戸とかあって、よし、そこに葉っぱでも流して追いかけるか、って思い立った。

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【恐い話】虫食い

何年か前に合コンで知り合ったAさんから聞いた話。 話のネタが尽きていくうちに、なぜか皆で怖い話をするノリになった。 小さいおっさんを見たことがある、というベタな彼女の発言に「天然狙いか?」と少し冷めた覚えがある。 しかし、それは僕が知っている小さいおっさんの何倍も薄気味悪く、不可思議なものだった。 彼女が小学5年生だったとき。 もうすぐ夕方になる時間、一人で通学路を歩いていたそう。 大きな国道から、一つ通りに入っただけで静寂が支配する住宅街になる。交通量も格段に減

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【怖い話】教えてくれない

俺の母方のばあちゃんの血筋が、所謂霊感のあるタイプらしい。 俺の叔母はばあちゃんの家に住んでるんだけど、この家には絶対座敷童子がいるって昔から言ってる。 よく皿がテーブルの上を滑ったり、とてとてっと足音が聞こえるらしい。 そんなばあちゃん家での話。 血筋を半分受け継いでるからなのか、それとも場所のせいなのか分からないけど俺も二度だけ幽霊らしきものを見たことがある。そう、ばあちゃん家で。 一度目はかなり小さいとき。 クリスマスの集まりか、正月の集まりかは覚えてない。

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【恐い話】交差点

知人のNさんから恐い話を仕入れたので、と連絡があり、喫茶店で一服しながら話を聞かせてもらう事にした。 Nさんの友人は、会社までの最短経路のために、毎日とある交差点を通るそうだ。 その交差点とは、周囲の住人曰く、地縛霊が居着いており事故が多発するとの事だった。 単純に見通しが悪いだけだと思うが、絶えず手向けられている花束が、交差点で起こる事故の絶えないことを知らしめていた。そのことは彼も重々承知していたから、いつも細心の注意を払って進入することにしていた。 ほんの先日にも

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【怖い話】紫色の屋根の家

住んでいた町の一角に、紫色の屋根の家があった。 2000年代、まだ様々な遊具が危険視され撤去される前。 その家の隣にあった公園を、僕たちはむらさき公園と呼んでいた。 むらさき公園には、子どもの遊び心をくすぐる遊具がいっぱいあった。 ブランコやジャングルジムはもちろん、コーヒーカップのように回転するものから、はたまた巨大な海賊船を模したヴァイキングのようなものまで。 僕たちにとっては無料の遊園地だった。 小学校低学年の頃だった。鼻水を垂らして、靴底をすり減らして、冬

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ショートショート楽しい

 長編を書こう書こうと思いながら、ついついショートショートに手を出してしまう病気にかかってしまいました。  というわけで、また新しい作品を投稿しました。読んでいただけたら喜びます。  この間、知り合いから実際にこういうことがあったという話を聞いて、それを元ネタにしています。最後のオチは自分でつけ加えましたが。  あーそれにしても、なんで長い話が書けないんだろう。  例えば、10万字の話を書くと決めたのなら、そこから逆算して一日2000字をノルマにして、50日かけて全体を仕

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【怖い話】パーティに入ってきたやつ

この前Apexやってたときにさ、変な奴がパーティに入ってきたんだよな。 あれって三人一組でチーム組んで、最後まで生き残るゲームなんだけど、フレンドと一緒にやらない場合は一人ぼっち同士の、いわゆる野良と組まされる訳。 そんでそん時組んだ野良から、チャットが飛んできてさ。 「ふとひろじゃんw」 ふとひろってのは俺のゲーム内の名前ね。 俺はどのゲームでも大体同じ名前使ってるから、最初は別ゲーのフレンドかな?と思ったのよ。 でも相手の名前に面識全く無かったから(確かApex

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