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#2000字のドラマ

あなたの物語をマンガに。「若者の日常」をテーマにした投稿コンテストを開催します!

人気の記事一覧

「助け合えば友」ショートショート

蝉の鳴き声が響く、蒸し暑い夏の夜。 コンビニの店内は、冷房のひんやりとした空気が満たしている。 聡は制服の袖を肘までたくし上げ、店内BGMに合わせて僅かに頭を揺らしながら商品を陳列していた。 おむすびは種類ごとに素早く並べる。鮭、梅干し、ツナマヨ、昆布。弁当はハンバーグがよく見えるよう向きを揃えて並べ、サラダは容器の大きさに分類して陳列。その間にお客が入店した時の電子音がするたび、聡は首だけ捻ってレジの方を見る。 「おっ、」  聡は売り場を駆け足気味に、レジの方へ向かった。入

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短編ポテトチップス小説1:うすしお

 はじめてのキスの味がどうだとか、幼い頃にテレビで話している人がいて、それがバラエティ番組だったのか、ドラマだったのか、コマーシャルのなかでだったのか、はたまたアニメだったのか、なんにも覚えていないのだけど、いちごの味とかレモンの味とか、そんな答えだったと記憶していて、今にして思えばそれは、夏祭りでかき氷を食べたあとにキスをしたからなのではないかと思う。ブルーハワイの味と答えた人はいなかったけど。  あたしの場合は大学一年生の頃のことで、関西では年生のことを回生と言ったりする

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短編ポテトチップス小説2:のりしお

 仕方ないが半分、なんでやねんが半分。本当はなんでやねんがほとんどだけど、これまでにも似たようなことが何度もあった。いちいち怒っていたら疲れるだけだからあきらめることにしている。若い頃はもっと食ってかかった気もするけど演出の田宮さんとも、もう長い付き合いだから言わんとしていることはわかるし、いくらあたしが何を主張してもこの人が変わることはないことも知っている。はあ。聞こえるようにため息をつくくらい許してほしい。 「気に入らないなら言いなさいよ、言わないなら気分が悪いからそうい

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2000字小説「契約書にサインを」

 「これにサインして欲しいんだ」  真っ昼間のファミレスで、恋人の直哉は生真面目な顔で書類を差し出した。パソコンで手作りしたのであろう『婚約事前承諾書兼契約書』というものだ。  「なんだこりゃ」  急ぎの用で会いたいと言うから、会社をランチ時間に抜け出し、受付嬢の制服から着替える手間も惜しんで駆け付けたというのに、要件とはこれだったのか。直哉のいつもの変な癖が始まってしまった。  交際して以来、色んなタイミングで「デートプラン提案書」やら「プレゼント交換企画書」とやら

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マリッジリング・ストーリー 【ショートショート】

深夜1時、隆史は隣で寝ている香織に気づかれないよう彼女の中指から慎重に指輪を外した。 ゴンゴンと音を立てるドラム式洗濯機の前に座り込み、盗んできた指輪を見た。普段からジュエリーを身につけない香織が1週間前から突然身につけ出した指輪だ。装飾がなく究極にシンプルながらもエレガンスで吸い込まれそうな魅力がある。 指輪の内側を覗くと、見たことのないブランド名と刻印を見つけた。 ONE MORE LIGHT (July 20, 2017) 「ワン・モア・ライト。。。なんの日付だ

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二人の大学生の日々の愛情【微エロ】

龍介と那月、 二人の大学生は、 生活と愛を共有 するために小さな アパートで同棲を 始めた。 彼らの関係は、 日々、深く、熱く 成長していった。 そして、彼らの愛は 周囲が何を思うかに 関係なく、自由に 表現されるものだった。 朝、龍介は那月の 隣で目を覚ます。 彼女の寝顔は平和で、 見ているだけで 彼の心は満たされる。 彼はゆっくりと 起き上がり、那月に キスをすることで 彼女は目を覚ます。 そして、朝の挨拶と 共にベッドの上で 手を繋ぐ。 お互い手の温度を 感じる

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「頑張れない」という地獄

人生25年 一度も頑張ってこなかった もちろん頑張るっていうのは相対的なもので、 「可処分時間の何割以上をある一定の不可を伴う行為に費やす」という定義はできるだろうが それが何割かは人によって、環境によって、社会によって異なるだろう わたしはいずれは、「頑張る」「努力」「成長」「成功」という考えを捨てたい という前提のもと話を戻せば、私の考える「頑張る」というのは、「世間や周りの人が先ほどの定義でどれくらいの割合を頑張ると考えるか」を勝手に想像したその基準から導いたもの

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【百合】薄暗い夏の花【微エロ】

 私の初めての中イキは彼女の薬指だった。  高校最後の夏休みだった。  暑い夏の日の、冷房の効いた、狭い屋根裏部屋のパイプベッドの上。  デスクに置かれた奥行きのある真四角のパソコンがチラチラ光りながらジジジと音を鳴らし、私たちを覗いているようだった。  小刻みだった呼吸がふっと止まったあと訪れたその瞬間、切なさを抱えていた気持ちが溢れるみたいに、私は泣いてしまった。  生理現象の涙のようで、だけどほんとうに悲しくて、こもった鼓動が頭に響くくらい鳴っている気がして、いろんな感

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『喫茶店でのふたつのおはなし』  | シロクマ文芸部

約2000字 秋が好きだと一時間くらい前に話してくれた修司君が置いた、テーブルのうえの千円札をつまみあげ、ひらひらと、それを眺めた。わたしはそれをバッグのなかの文庫本にはさんで閉じた。 さっき、喫茶店のドアを開けて、そして修司君が出ていった。 わたしの卓の灰皿を店の主人が替えた。 「ありがとう」 わたしはそう言って、ポーチからマイルドセブンをひとつ出して火を点けた。 この喫茶店の大きな窓が好きだ。坂のうえに、いつもたいして客もいないのに、ずっと昔からこの町にある。

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大学ぼっちだった私に関わり続ける変なやつの話③

彼が学校に来なくなった。 と言っても、サボりである。 基本的に私からラインすることはなく、彼からの連絡を待つ日々。 1度勇気をだしてラインをした。 「学校きてないの?」 自分から連絡するなんてうざくないかな。 でも普段遠慮なくライン送ってくるのは向こうだよね。大丈夫大丈夫。 そんな意味の無いことをつらつら考えてたら数分後返信があった。 「家で寝てた」 なんかほっとした。 そう思ったのもつかの間、「昨日夜遊んでてさ〜 なんだ。遊んでんじゃん。 やっぱ遊び人

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かっこいい職場の先輩の話

私が仕事で大きなミスをした。 詳細は伏せるが、食品関係の仕事で1番してはならないミスである。 お客様にはもちろん、会社の信用問題に関わる大きなミス。 そこまで大事なことなのだから、もちろん責任は自分だけじゃなく、数人が見逃して起きたことではある。 しかし最終チェックにいた自分が1番問題であるのには違いない。 結果的にはお客様もお怒りにならず、大事にはならずにすんだ。 しかし上に怒られる覚悟で謝りに行った。 上に謝りに行ったら、「確認が行き届かなかったこっちも悪か

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心を何にたとえよう、からのストーリー。

↑このときの出来事からできたInstagram動画が、 こちらです。 👇 お話のもととなる体験記はこちら🧚

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#2000字小説『リスケ』/月めくり【#シロクマ文芸部】

◆小牧幸助(シロクマ文芸部・部長)さんの 「月めくり」から始まる小説・詩歌を書く企画に参加します。 ※詳細は本文後に記載 #2000字小説、5分半程度で読了可能な超短編小説ですので、 ぜひご一読ください。 -------------------------------------------------------------------- 『リスケ』 「月めくりカレンダーを愛用してるの」 「日めくりカレンダーはよく聞くけど、月めくりってわざわざ言う?」 「いけない

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noteの投稿作品を原案としたショートムービーが、Amazon Prime Videoに登場!『コインランドリーズ』が3月3日から配信開始

熊田健大朗さんがnoteに投稿した作品を原案としたショートムービー『コインランドリーズ』が、ビデオオンデマンドサービスのAmazon Prime Videoで3月3日(金)から配信されます。 原案となった熊田健大朗さんの作品は、note、ソニー・ミュージックエンタテインメント、TikTokの3社で発足したクリエイターの才能発掘プロジェクト「カクカタチ」主催の投稿コンテストで入賞。その後、ソニー・ミュージックエンタテインメントの製作で、映像化されました。 東京の片隅にあるコ

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サイゼリヤ試験

時折、というか半年に一度、いや、もはや3ヶ月に1回くらいTwitterで話題になる議論がある。 「初デートでサイゼリヤはアリかナシか」 という争いである。 個人的な結論を言うと、「アリアリ大アリ、好きな人と食べるメシはなんでも10割増しでウメェ」である。 なんなら「いつも食べてるサイゼなのに、好きな人と食べるだけでこんなに楽しくて美味いなんて幸せすぎる~~」くらいのハッピー苺畑なことを思うかもしれない。多分そこらへんに生えてる雑草を「ルッコラだよ」と言って提供されても気

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【2000字小説】 魚のキヨシ

 夏の暑い海。潮の流れに乗って魚のキヨシは国境を越えた。  人間はさまざまな手続きをしないといけないようだが、僕たちには国境線などない。自由な海、魚の一生。でも常に危険と隣り合わせ。生き抜くのは人間よりも厳しいかもしれない。  弱肉強食のこの世界。人間は何をしてるのかな。僕には難しいことはわからないけど、大変そうだなと思う。流されてきただけだ、僕は。仲間は特にいないけど、常に助けられて生きてきた。  魚は死んでも誰かの命になる。食べられたら生き延びる糧になる。短い一生それも本

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愛おしい傘

帰路の電車の窓から差す光が眩しい、冬の始まりの薄ら寒くなってくる時間。 空は空気が澄んでいて青々と広がり、京王線の窓から見える河川敷では子供たちがサッカーをしているような良いお天気である。 次の駅で、スーツを着たサラリーマンが乗ってきた。 その右手には傘を持っている。 電車内を見渡すと、ほとんどの人は傘を持っていない。 そう、今日は朝の7時ころまで激しい雨の予定で、午後からはカンカン照り照りの晴れの予定だったのだ。 河川敷の子供たちも、足元は湿った泥でヌチャヌチャして

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【2000字小説】 魂の手紙

 居酒屋メシが美味い。長い間酒も飲めなかった僕は、海を見に行った帰りに初めて入る居酒屋で独り酒をした。ここもかなり変わった。再開発と後継者不足で通ってた店も少なくなった。風も匂いも変わってしまった気がする。それは僕が歳を重ねたからだろうか。  砂浜は何も変わっていなかった。ご時世だろうか、水着を着た人が少ない。懐かしい光景はもうやってこないのか。輝かしい夏の思い出。若かったな。僕も。  光を浴びた波打ち際は、囁くように僕におかえりを言ってくれた。ここがホームなんだと思った。海

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ChatGPTに小説の書き方を聞いてみた

先日、ChatGPTでショートショートを書いてみる、という試みをご紹介したところ、かなり多くの反響をいただきました。 私自身も、かなり関心を寄せており、さまざまな分野のChatGPTの記事を読んでいました。人工知能に小説を書かせる、というのは、なんだか秘密のゴーストライターを雇ったような気分で、あんまりいい気持ちではないので、直接小説を書いてもらう以外の、人工知能の活用方法を探ってみました。 まずは、小説を書き始める前に、アドバイスをもらいましょう。 私も、まだまだショー

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エンドロール

「最高だ~~~~~~~~」 映画館で最高の映画を観た上映の終わり、エンドロールを眺めながら頭の中でそう叫んでいる。人がいなければ叫んでいるかもしれない。 ポーズで言えば、眉間を押さえて天を仰ぐポーズをしていると思う。 「エンドロール見ない派」の人たちがポツポツと席を外す中、わたしは大体目だけで流れゆく文字を追い、頭の中では「最高だ~~~~~~」と思っている。 「こんなにもたくさんの人がこの素晴らしい映画のピースとなって制作したんだ、誰一人欠けてもできなかったんだ、ありがと

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