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【百合】薄暗い夏の花【微エロ】

 私の初めての中イキは彼女の薬指だった。  高校最後の夏休みだった。  暑い夏の日の、冷房の効いた、狭い屋根裏部屋のパイプベッドの上。  デスクに置かれた奥行きのある真四角のパソコンがチラチラ光りながらジジジと音を鳴らし、私たちを覗いているようだった。  小刻みだった呼吸がふっと止まったあと訪れたその瞬間、切なさを抱えていた気持ちが溢れるみたいに、私は泣いてしまった。  生理現象の涙のようで、だけどほんとうに悲しくて、こもった鼓動が頭に響くくらい鳴っている気がして、いろんな感

    • 【1600字】そしてわたしは神になった【純文学】

       なんでただ生きるという選択ができなかったのだろうと、わたしは電車に轢かれながら思った。  体があらゆる方向にねじれながら、骨が連発で折れる乾いた音と臓器や血液が暴れるような水分を含んだ撹拌が同時に鳴り、視界はあちこちに飛んで、脳が頭蓋骨をバウンドし、意識が朦朧とするなか時間は拷問のようにゆっくりと流れた。  激しい苦痛のなか、わたしはただ、ただ生きるというそれだけの選択肢をなぜ見つけることができなかったのかと不思議に思った。  たとえば受験を失敗しても、友達が一人もいなくて

    【百合】薄暗い夏の花【微エロ】