観月_KANGETSU

2月第1週 今週のおすすめ「本の話」 5選!

今週の話題といえば、テレビドラマ「ナイルパーチの女子会」の放映がスタート! 来週には映画「ファーストラヴ」が公開予定。今週はその関連記事をご紹介します。

他にも、中森明夫さん『キャッシー』第一章を全文公開、麻生幾さん『観月』、第8回「高校生直木賞」をお届けします!

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★第8回「高校生直木賞」候補作決定!

みなさんは「高校生の直木賞」をご存知ですか? 今年で8回目をむかえるこの賞は

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作家・麻生幾「闇の中で生きる矜持を伝えたい」 小説『観月 KANGETSU』が描き出す日本社会の“光と闇”

『外事警察』などで知られる作家の麻生幾さんが〝日本警察史上最大の作戦〟に取材した社会の「光と闇」を問うた圧巻の警察小説『観月 KANGETSU』が誕生した。

大分県杵築市で毎年行われる幻想的な光に包まれる「観月祭」。今年も無事に迎えられるはずだった。しかし、祭りの一週間前、突如として七海を怪しい影が襲う。その翌日には七海が幼いころからお世話になっているパン屋の奥さんが絞殺体で発見された。さらには

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小説「観月 KANGETSU」#78 麻生幾

第78話
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「鑑識に行って、もう一度、疎明資料となるものを探してきます」

 そう言って涼は背筋を伸ばした。

「よし、なら鑑識関係資料のインデックスをこれから作る。リストアップしちきてくれ」

「了解です!」

 鑑識課の部屋に入った涼が、真っ先に探したのは鑑識課員の酒田(さかた)巡査部長の姿だった。

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小説「観月 KANGETSU」#77 麻生幾

第77話
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 七海の言葉に真弓がニヤッとした。

「そお? なんか悪いわね」

「娘さん、確か、中学生でしたね。まさに育ち盛りですか……」

「それがさ、女の癖にもう大食漢でね。学校から帰って来たらまず食パン1斤(きん)をペロッと平らげて、夜は夜でどんぶりみたいな器に盛ったご飯を……。食費がバカにならなく

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小説「観月 KANGETSU」#76 麻生幾

第76話
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「2、3年前だったか……。親戚が集まって上野の桜を観に行った時のものです」

 そこには、真田夫婦のほか、10人の男女が写っていた。

 萩原はその一人一人について橋本から説明を受けた。すべてが親戚関係にある者たちだった。

「最後のこの方は?」

 荻原が訊いた。

「ああ、この人だけは親戚

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小説「観月 KANGETSU」#75 麻生幾

第75話
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 萩原は胸ポケットから紙の束を取り出した。

「だからこれを徹底的にあたるんだ」

「真田和彦と恭子の知人と友人には、捜査本部ではすでに一通りはあたっていますが、それをさらに範囲を広げてということですね」

 砂川のその言葉に頷いた萩原が険しい表情を作った。

「徹底的に交友関係を洗い出す。ど

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小説「観月 KANGETSU」#74 麻生幾

第74話
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「それと、観月祭の2日目に大原邸で行う、今回が最初の七島藺(しちとうい)工芸の実演、そっちの準備はどう?」

「バッチリ大丈夫です」

 詩織が満足そうに大きく頷いた。

 父が趣味にしていた杵築の伝統工芸「七島藺」のマイスター(名人)の資格を持つ七海は、「大原邸」でガイドをするアルバイトの他

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小説「観月 KANGETSU」#73 麻生幾

第73話
「タマ」(5)

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「本当にいろいろ大変やったわね……」

 詩織が優しい口調で言った。

「ありがとうございます」

 七海はまたしても頭を垂れた。

「じゃあ、仕事ん話をするね」

 詩織の口調が変わった。その切り替えの良さも七海は嫌いではなかった。

「まず、怪我されちょった足ん方はどう? 大学での仕事は行けんや

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小説「観月 KANGETSU」#72 麻生幾

第72話
「タマ」(4)

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 固定電話が置かれている台の上に留められたカレンダーへ、七海はふと目をやった。

 ぎっしり書き込まれたスケジュールの中でその2日間だけが、ひと際大きな赤い丸印で囲まれている。

──10月31日と翌日の11月1日の2日間。

 城下町を幻想的な灯(あか)りに包む観月祭があと3日後に開催される。

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小説「観月 KANGETSU」#71 麻生幾

第71話
「タマ」(3)

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「そうですね!」

 輝く目でそう言った砂川だったが、すぐに顔を曇らせた。

「ただ、指紋がありません。主任でしたら、どうやって熊坂のマエ(前科前歴)を把握されると?」

「”タマ”がひとつある」

 萩原が言った。

「タマ?」

「真田和彦の妻の恭子だ」

 萩原が続けた。

「恭子は持っている

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