海外文芸

病と戦のあいだには−−カミュ『ペスト』論考−−〈18〉

 ペストがオランの町を立ち去り、保健隊の仕事も解散して元のような日々が戻ってきたある日、リウーは街中でグランと再会した。そこで彼は、今までの原稿は燃やしてしまったけれど、記憶を元にあの物語の仕事をまた再開させたのだというように、医師へ打ち明けた。それと共に、元の妻に手紙を書いたこ…

【試し読み】イスタンブルを舞台に、生命の旅立ちの美しさを描く『レイラの最後の10分38…

 トルコでいまもっとも読まれる作家のひとり、エリフ・シャファクのブッカー賞最終候補作(2019年)として注目された『レイラの最後の10分38秒』(原題:10 Minutes 38 Seconds in This Strange World)。早川書房より、9月3日に邦訳を刊行して以降、日本でも好評をいただいております。そんな本作の…

今の電車よりかっこいい! 『列車探偵ハル 王室列車の宝石どろぼうを追え!』読者の感…

11歳の少年ハルが、豪華列車でどろぼう事件に挑む、『列車探偵ハル 王室列車の宝石どろぼうを追え!』。 発売前に作品を読んでくれた読者モニターのみなさんからは、こんな感想がとどいています! 試し読みはこちら 登場人物、列車の紹介はこちら 訳者あとがきはこちら こうさん(小学3年生) 昔の…

彼女は最後に何を思い出すのか?ーートルコで今もっとも読まれる作家が描く、ひとつの生…

 2019年のブッカー賞の最終候補に選出された、トルコにルーツを持ついま注目の女性作家エリフ・シャファクの長篇小説『レイラの最後の10分38秒』(原題:10 minutes 38 seconds in This Strange World)を9月3日に早川書房より刊行いたします。  エリフ・シャファク/北田絵里子訳『レイラの最後の1…

世界幻想文学大賞受賞! デイヴィッド・ミッチェル最新邦訳作『ボーン・クロックス』の…

 『ナンバー9ドリーム』、『クラウド・アトラス』、『出島の千の秋』などの著作で知られるデイヴィッド・ミッチェルの最新邦訳作『ボーン・クロックス』(原題:The Bone Clocks)が、8月20日に刊行されました。2015年に世界幻想文学大賞を受賞した本作は、15歳の少女ホリーの人生を中心に展開される…

カフカ

カフカが現実に完結させた物語がある。   晩年。カフカは恋人と散歩中、一人の女の子に会った。彼女は泣いていた。聞いてみると大切な人形がいなくなってしまったらしい。   「その子は元気だよ。僕がその子から君へ宛てた手紙を預かっている。明日渡しに行くよ」   カフカはそれから数週間、毎日手…

〈偏読書評 番外編〉「『翻訳者で選ぶ』新しい読書体験」補足版(英語圏篇)

2019年10月末に発売された雑誌『Numero TOKYO』2019年12月号(扶桑社)の巻頭特集「いいね! がつなぐ未来」内「あの人がナビゲートする、知る喜び」にて書かせていただいた「『翻訳者で選ぶ』新しい読書体験」の記事がウェブでもお読みいただけるようになりました。 とはいえ原稿を書いていたのが9月…

(雑誌『Numero TOKYO』12月号(10月末に発売された号)にて書かせていただいた「『翻訳者で選ぶ』 新しい読書体験」の記事、ウェブでもお読みいただけるようになりました。お時間あるときに、ぜひどうぞ。📚) https://numero.jp/20101220-just-fyi-5/

2019.12.20

ジェンダーギャップ指数で読み解く『三つ編み』。110位の日本ではどう読まれるか? 解…

(書影・リンクは、Amazonにリンクしています) 『三つ編み』レティシア・コロンバニ/齋藤可津子訳/早川書房 境遇が異なる3人の女性たちを描く『三つ編み』。フランスで書かれたにもかかわらず、実は、フランス人もフランスという国も出てきません。それはなぜか? そして、他の国が選ばれたのは…