ノモレ

心を描くという罪について───『ノモレ』(国分拓/新潮社)

『ノモレ』(国分拓/新潮社)は、ペルー・アマゾンの先住民と文明との接触を描いたノンフィクションである。

 私にこの本をオススメしてくれた方は、内容もさることながら、この本の特異な手法に私が関心をもつと思ってくださったのだろう。『ノモレ』にはある大きな特徴がある。「先住民(イゾラド)」の心情を描いた幻想的なモノローグが随所に挿入されているのだ。

 川を流れ下る倒木より大きな木が、上流から近づいて

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昨年面白かった本

2018年は本を100冊ちょうど読みました。今年はもう少し沢山読めるといいな、と思っていますが、どちらかというと集中力を研ぎ澄まして、きちんとテキストを読み取り味わう読書を目指した方がいいような気もしています。

舞台「豊饒の海」を見る前に三島由紀夫『春の雪』『奔馬』を再読(『暁の寺』『天人五衰』もこれから読みたい)、舞台「メタルマクベス」disc1を見たら、あ、原作当たっておくべきだった、とdi

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『ノモレ』に感じるイタコ文学のニューウェーブ

フィクションとノンフィクションの“あわい”はどこにあろうのだろうか。そのあわいは、嘘と誠をかぎるものではない。それは何が真実かという問いそのものであり、そのあわいにこそイタコ文学は揺曳する。

2018年6月、イタコ文学の新たな傑作『ノモレ』が上梓された。イタコ文学は決して有り触れていない。というより、イタコ文学の金字塔である一つの作品のことしか、私は今思い出すことができない。今年の2月に亡くなっ

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