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【モノローグエッセイ】プールサイド・フレンズ


過去の投稿でも話しましたが、私の家族は「旅行好き」の家族である。

幼少期から、夏休みには必ずどこかへ祖父母も連れて旅行に出かけていた。

幼い私が夏の旅行ですることといえば、ひたすら泳ぐ、泳ぐ、泳ぐ。プールで泳いで海で泳いでまたプール、また海…と夕食の時間になるまでずっと泳いでいた。

そんな、陸にいるよりも水中にいる時間の方が多いような夏の旅行の間、私は毎年毎年、プールサイドで何人かの友だちを作っていた。

「ゴーグルの色同じだね」とか「その遊び道具面白そう」とか、本当に些細なことをきっかけにして、プールで一緒に遊ぶ友だちを作った。

今も記憶にあるのは、確か4、5歳の時に遊んだデイジーちゃんと、8歳の時に遊んだともみちゃん。(名前はうろ覚え)

デイジーちゃんは、浮き輪をしてプールで泳いでいて、4、5歳にして浮き輪なしで海女さんの如く泳いでいた(潜っていた)私が、人間にいたずらするイルカの如くじゃれていた記憶がある。デイジーちゃんのパパママが「もう帰るよ〜」と言うと、私から離れなかったくらいけっこう仲良しになった。

ともみちゃんは、ホテルのサービスで子ども向けのレクリエーションプログラムがあり、そこで一緒だった同い年の子。一緒に釣りをしたり、プログラム外でも、プールサイドで会って遊んだ。ちびまる子ちゃんのたまちゃんみたいな子だった。

2人とも仲良しになったのだけれど、2人と遊んだのはその夏の旅行期間だけで、それ以降は会うことはない。

本当に夏の間だけの、プールサイドの友だちだった。

2人以外にも、名前は思い出せないがプールサイドの友達を毎年毎年作った。小5くらいまでは作っていたと気がする。普段の日常では会わないような人とプールサイドでは知り合うことが出来たのが、楽しかったんだと思う。

今、デイジーちゃん、ともみちゃんも成長して、私と同世代くらい。どこで何をしてるだろう。きっと、ていうか絶対、私のことは忘れてるだろう。私も今の今まで忘れていたんだから。

でも、もし、この先

「もしかして、あの夏、あのホテルのプールサイドで遊んだ…?」

みたいな奇跡の再会があったら、それはそれで面白い。

あー泳ぎたい。


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