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セットアップ症候群

あたまのてっぺんから、足の先まで
愛されたいのは、わたしから。

もう、二度とNOは言わせない。
もう、二度と目をそらさない。

一番近くて、一番見えにくい星。
分かつことのできないわたしと、わたし。

わたしの真ん中は、楽園だ。
わたしとつながる楽園だ。

晴海たお


去年あたりからだろうか。
セットアップのコーディネートが気に入っている。

バーガンディのリネンのジャージ素材でフリル付きのトップスのクラシカルなパンツのセットや、薄いオレンジのレーヨン素材の小花柄のシノワ風のパンツのセット。
そして、この春は、ネイビーのリネンとコットン混のデニム風のジャケットとパンツのセットを選んだ。


なぜ、セットアップが最近のお気に入りなのか。。。
単品でもコーディネートを楽しめることはもちろんなのだが、それ以外にも理由がある。

それは、『美しく魅せてくれる』と、わたしが感じているから。

色や柄やデザインにもよるが、基本的にIラインになることですっきり見える効果もあるが、セットアップと自分、だけで作り出される世界観が、より『自分』というものをシンプルに演出してくれる気がするからだ。
上下の服と服がつながって、そこにわたしもつながる感じが着ていて心地いい。


ここ数年でよく感じるのだ。
「ああ、今の自分て、悪くないな。てか、好きだなあ。」と。
誰しもが持っているコンプレックスが、もちろんわたしにあるが、
それもひっくるめて、『いいんじゃない』と思えるようになってきた。
望みも欲も、しこたまあるが、自分が自分に目を向けてくれている感覚がこんなにも安心感のあるものだとは。

わたしが、わたしとつながる感覚。

ここまでくるには、紆余曲折だったが、それもわたしのタイミングということで。


少し話がそれてしまったが、なにが言いたかったというと。
わたしがわたしとつながり始めたから、二つで一つの組み合わせのスタイリングが今の自分にはとてもしっくりくるんだな、という話だ。


とても感覚的な話。
でも、ファッションて、気分や感覚が大切だから。
他人の目、ではなく、自分の気分や感覚で選んで自分を表現するものだと思うから。


欲深いわたしは、いつかは『CHANEL』のセットアップを着たい。
お針子たちの魂が込められたような、数種類の個性的な糸が手を繋いでいるような
こだわりのシャネルツイードの生地にはうっとりしてしまう。

シャネルスーツに袖を通すことはわたしの『死ぬまでにしたいことリスト100』にリストアップされている。
シャネルスーツの似合う女になるべく、重力に負けない、軽やかな重さをみにつけようと思う。
毎日通勤で通る、CHANELの前を通りながらそう心に誓う。


わたしは、しばらくセットアップを楽しむだろう。
わたしは、セットアップ症候群だ。



晴海たお



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