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植田晴人
2022年7月1日 16:00
プロローグ長い長い道を走っている。この道を表現するなら地平線という言葉が最もふさわしいだろう。車の助手席に乗っている須田賢治は、右アシストグリップに掴みながら右窓の外に見える砂漠に目を向けた。遠くを見つめても終わりがないみたいに砂漠が続いている。空は青い。まさに大自然の中を走り抜けている。場所はアフリカ州のスーダン辺と思っている。正確な場所は分からない。ただ、ハルツームは超えている。なぜ分かる
2022年7月15日 16:00
第一章 学生生活周りを見ると真っ白な世界が広がっている。雪の冷たさと白さを感じながら立っている。地平線とまでは言わないが、この広大な土地に終わりがあるのか分からなくなりそうなくらいに広い田んぼが連なっている。ここは東北のとある田舎町。長いスカートを穿いているのに、膝から下が寒くて凍りそうになる。無意識に吐く息が白く染まる。その煙から父の吸っていたタバコを連想する。突然の風で長い髪がなびく。今日