10年やっても、コロナ禍を経ても、家庭と仕事をもちながらでも、音楽を続けていくことについて

どうやっても振り切れない悲しみを、それならばいっそ抱いて歩いていかなければならないのが人生だとしたら、音楽はそこに寄り添って共に歩いていこうとしてくれる。

2021年までを抜けてきた2022年の今、とてもはっきりと思うのは、そんな音楽を作って人に聴かせようとすることに幸せがあるということです。

こう思うようになったのは、コロナ禍で窮地に追い込まれた人たちの苦悩を目の当たりにしたり、自分の家族や仕事を通した生活の葛藤にぶつかったりする中で、人のためになることをしたいと心から思えるようになったからです。また、ライブを観てくれた人が嬉しそうにしている姿や、曲を誰かが少しずつ再生して聴いてくれている事に、喜びを感じられていることに改めて気付いた。ベッドの上で1人で歌っていてもいつかは次第につまらなくなってしまうのとは全然違う。

僕の音楽は、苦しみから抜け出そうとしてできたものばかりです。だからきっと力になれる。そこに自分の音楽活動の幸せがあるって分かった。そうやっていくことが今の僕のこの活動のすべてです。

それから今こうやって思えるのは、僕の音楽や活動を応援してくれる人に出会ってきたからです。10年くらいライブ会場やネットを通していろいろな人に出会ってきて、もうそういう人たちがこの世界にいるって分かる。それが嬉しいし、自信をもらっています。まだまだ少ないとも思うけれど、もっといるはずだとも思えます。今いてくれる皆さんのおかげです、本当にいつもありがとう。これからも今いてくれる皆さんが自慢できるような音楽でありたいと思う。そのためにも頑張る。

家庭と仕事をもちながら音楽活動を続けるというのは、生きがいとしんどさと学びと不自由と安心感を一緒くたにくれます。苦しいこともあったしこれからもあるだろうけれど、決してぞんざいにはできない僕の大切な人たち。辞める理由ではなく、音楽を鳴らす力と生きる力を僕は紡ぎ出していきます。

改めて、今年もよろしくお願いします。
2022年、この始まりの視界の先を早く見たいです。