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社交ダンスの女性ペアを描いた映画「レディ トゥ レディ」を拝見して

予てより拝見したいと思っていた社交ダンスの女性ペアを描いた映画「レディ トゥ レディ」(2020)。
DVDを探しに久しぶりにレンタルショップに赴きましたが置いておらず、知人でもお持ちの方がいらっしゃらないので、購入するかと考えていたところ、Amazonでレンタル出来ることが分かりました。(prime会員0円、一般500円で48時間レンタル可能)


https://youtu.be/1CA3yriyv-8

社交ダンス(競技ダンス)を扱った映画ですが、ペアダンスという事でタンゴとも共通する部分が多く、このタイミングで拝見出来て、とても良かったと思います。

というのも、このところリードを習い続ける事に迷いを感じる出来事が幾つかあった為です。

けれどこの作品を観ていて、改めて自分にとって踊る事と生きる事が不可分一体のものであると感じられましたし、そうである以上自分らしく在る為には、欲張りかも知れませんがリードもフォローも両方必要なのだと思ったのです。



(注意:以下映画内容に言及しております)
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物語は、ジュニア時代(女子の方が多いために)ペアを組んでいた真子(主婦)と、一華(売れない女優)が、あるTV企画の為にもう一度ペアを組む事になるところから始まります。
初めは全く息が合わず、お互いのせいにしては文句を言い合っていた2人が、レッスンを積み重ね、お互いの事を想いやるようになるにつれて、息の合った一体感のあるダンスを踊れる様になっていく様子は感動的でしたし、所々とても良い台詞があって、思わず「そうそう」と頷く場面もありました。
🌟そう思うと、ミロンガでほぼ初対面でもリード・フォローしているのって、凄い事かも知れませんね。合わなくて当たり前なのかも…。

心に残った台詞
♦あまりに喧嘩ばかりしている2人に、講師が「ダンスは品性と精神。すなわち、レディとジェントルマンの対話です」と言い、「私達は女同士だから」と言い返したのに対して、講師から「だったら人間として尊敬し合いながらやんなさいよ」と言われるシーン。

リードをしたいと思ったきっかけの一つに、この「人間として」というキーワードがあったのを思い出しました。
フォロワーとして参加していた時は、綺麗な格好をするのも好きでしたし、誘って頂ける様お洒落して臨んでいました。それは踊る為であって必ずしも女性として見られたい訳では無かったのですが、その様に自分の踊りではなく、女性として評価される事が自分の意図していたものではなかった場合、少し困ってしまう事もありました。
リードをする事で、もっと「人間として」相手と相対する事が出来るのではないかと思っていました。
もちろん、「尊敬し合いながら」というのは相手が女性でも男性でも大切な事だと思いますけれど、「誘う側」「誘われる側」という構造の中では、偶に難しい事もあると感じていました。

♦何度か出てくる「支えてくれてありがとう」という言葉。
ダンスのパートナーとして、夫婦(家族)として、という場面の違いはあるけれど、そういう気持ちは大切だと改めて感じました。
「大事なのは信頼と思い遣り」という台詞も後で出てきましたが、ペアダンスは1人で踊る事は出来ません。その中で、リードをする、フォローをするという事はお互い支え合っている事なのです。
もちろん、組んでいる相手だけではなく、教室やミロンガに参加している一人ひとりが、アルゼンチンタンゴという文化を支えているのは言わずもがなでしょう。

♦「何の為に踊るのか、敵を作ってもしょうがない(女性ペアを受け容れない社会の空気を読め)」と女性ペアで踊る事に否定的な意見を言う相手に対して、「空気は吸うもの。自分のやりたいように踊れば良い。笑顔で踊るんじゃなくて、踊るから笑顔になるの」と言うシーン。
私が踊るのは誰かの為ではなく、自分が踊りたいから。
自分が自分らしく踊れるように、諦めないで続けて行きたい、そんな風に思わせてくれました。

🌟最後に肝心のダンスシーンですが、この映画では主演2人の競技ダンスのダンスシーンはとても素敵でした。

🌟ペアダンスをされてらっしゃる方、特に女性リーダーを目指してらっしゃる方にはお勧めできる映画だと思いました。


こちらの記事はより詳しく映画を紹介されていらっしゃいます。⬇

女性ペアNG?変わらない現実を問う「レディ・トゥ・レディ」。主演の大塚千弘と内田慈が考えたこと(水上賢治) - 個人 - Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/byline/mizukamikenji/20210105-00216117

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