見出し画像

『ひつじが丘』より。

三浦綾子記念文学館さまの『ひつじが丘』データベースページを以下にリンクします。

泳いでみたいような青空であった。じっとみつめていると、空の奥からたぐりよせられるように、細い絹糸にも似た雲が湧(わ)いてくる。

ひつじが丘 三浦綾子著 冒頭より

羊ヶ丘展望台にて青空を撮影。雲が低く細く、そして長くたなびいていました。


三浦文学。多くの作品があります。noteの記事でどこまで纏められるのか、自信などあろうはずもありませんが、まずは札幌市民、羊ヶ丘にほど近い地に住まう者として、『ひつじが丘』の冒頭を引用してみました。
 
引用にみられる鮮烈で繊細な情景描写にふさわしい写真が…….ないのですが(苦笑)『ひつじが丘』の情景を思い浮かべるきっかけになれば幸いです。
 

羊ヶ丘のダケカンバを仰ぐ


羊ヶ丘の可憐なエゾヤマザクラ。


これぞ羊ヶ丘、と呼びたくなるダケカンバの林。光と影が美しいコントラストを描いていました。

21世紀の羊ヶ丘の風景を眺めながら、三浦綾子さんが創り出した魂の遍歴、その苦悩と希望の物語を、読んでみてはいかがでしょうか。

『ひつじが丘』の最後、最初に読んだ就学前より何度も私が頁を繰った一節を引用します。私の拙い感想を記すより、それが何よりのことだと思うのです。#人生を変えた一冊 というハッシュダグに参加しましたが、私にとって『ひつじが丘』は人生を変えたというよりも「私に日本語を教えてくれた」一冊です。感想を1記事では纏めようがないほどに、私の思考の中、ひとつの柱となっています。

 ふと、竹山は菜緒実のかたわらの「この先立ち入りおことわり」の札を見た。
(そうだ。わたしはもうこれ以上、この人に近づいてはならないのだ。目に見えない立ち入り禁止の札を、人間は常に見なければならないのだ)

 

『ひつじが丘』三浦綾子/講談社文庫 354頁より

立ち入り禁止。人と人が交わる上においてのそれは、関わりを断つことではないと、私は思うのです。越えてはならない一線を間違えてはいけない。スマートフォンで簡単に「人と繋がる」ことのできる21世紀、竹山が思ったことを私も考えていきたいと思います。
 

AILeonardo.aiにて作成。『ひつじが丘』をイメージして。

*今回記事のヘッダー及び本文イメージ画像は、は画像生成AILeonardo.aiで作成したものです。
Leonardo.aiの解説をされているサイト様をリンクしますので参考までに。

#読書感想文

この記事が参加している募集

#読書感想文

189,023件

#人生を変えた一冊

7,948件

拙稿をお心のどこかに置いて頂ければ、これ以上の喜びはありません。ありがとうございます。