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逆境に立ち現れる雑誌

日常を旅してこの夏、13年がたつ雑誌『アフリカ』の29回目の"セッション"が始まっている。

今回は前回から何と1年以上も空いてしまって(これほど空くのは初めてだ)、たいへん腰が重かった。思わず過去形で言ったが、つくりはじめた今でも、まだまだ重たい。重たい。

より軽く走ろうとした結果、派手に転んで、逆に重たい岩の下に入ってしまったと言っていい。

編集人であるぼくは、この状況を誰か親しい人に思う存分話して、愚痴にでもして聞いてほしいのだが、話すとたいへん長くなる話である。果たして何日、要るかわからん。だいたい自分でも、どこまでわかっているか…

ということは自分ひとりで抱えてしまうことになる。──誰にもわかってもらえない。いや、自分ですらよくわかっていないとしたら、誰か他の人がわかろうとしてわかるものでもない(かもしれない)。人生、いろんなことがありますねぇ。

ただ、もともと『アフリカ』という雑誌は、そのような、容易ではない状況の下に始まった雑誌なので、またか、というか、そういう厳しい状況においてこそ真価を発揮する媒体ではある。

自分以外に頼るものがあり、それをベースに雑誌をつくるといった編集者なら、とっくに止めていただろう。いや、それならおそらくこのような雑誌は成立していなかっただろうと思う。

つまり、こういう時こそ、立ち現れるのが『アフリカ』という、あのアフリカ大陸とはおそらくあまり関係のない、この、けったいな雑誌なんだ。『アフリカ』は、おそらく一度は死んで、生き返った者の雑誌である。

これを手に取り、読む人にも、「ともに生きよう」の声が届きますように。

とりあえずは、今月中の入稿を目指しています。

(つづく)

「道草の家・ことのは山房」のトップ・ページに置いてある"日めくりカレンダー"、1日めくって、6月13日。日常を旅する雑誌『アフリカ』最新号のセッションが、書き手と編集者の間でもう始まっているらしい。云々。

※"日めくりカレンダー"は、毎日だいたい朝に更新しています。

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