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宝箱シリーズ

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04:「トレゾール~魔法の宝箱~」

しばらく行くと、目の前にうっすら何かが見えます。
どうやらそれは大きく深い谷のようでした。
霧の島の入り口は大きな谷だったのです。

エスメラルダは小さな入り江に船を停めました。
島の中も白い霧が立ち込めていますが、海の上よりも少しだけ先が見えるようでした。
しかしその崖はどこまで続いているのかわかりません。
なにせ崖の壁がどれほど高いのかも霧で見えないのです。

3人は船を降りて谷の底を歩いてい

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03:「トレゾール~魔法の宝箱~」

エミルは世界樹を目指して旅に出ます。
村を囲む森を抜け街へ出ました。
街には港があり貿易船が停泊するためお店も多く、栄えていました。

エミルは世界樹のある島へ渡るため船を探します。
しかし霧の島へ行きたいと言うと、みんな船を出すのを嫌がりました。
エミルが途方に暮れていると、一人の男の子が話しかけてきました。
「船を探してるのかい?」
「そうなんだ。だけど霧の島へは行かないと断られてしまって…。

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02:「トレゾール~魔法の宝箱~」

とある小さな村に、エミルという少年が住んでいました。エミルは心優しく勇気のある少年です。
エミルはいつものように森へ枝を拾いに行きました。
ところがどうしたことか迷子になってしまったのです。
真っ白な霧がたちこめて、右も左もわからなくなってしまいました。

すると森の奥かから一筋の光が差し込み、その光の筋道だけ霧が晴れていきました。
エミルはその光をたどっていきました。

しばらく行くと開けたとこ

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01:「トレゾール~魔法の宝箱~」

01:「トレゾール~魔法の宝箱~」

むかしむかしある王国にトレゾールという魔法の宝箱がありました。
つるりとした箱の表面は金の装飾があり、箱自体が輝いて見えました。
ある日、魔法の国の白の女王が持っている箱を見た人間の国の黒の女王は思いました。
「あの宝箱が欲しい。絶対に手に入れてやるぞ。」
黒の女王は宝箱が開いているところを見たことがありませんでした。
それなのに、中にはぎっしり宝石が詰まっているとわかったのです。
黒の女王は白の

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