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Food Journeyー白い羽の生えた飲み物ードイツ

少し時期がずれてしまったが、ドイツには、「白い羽の生えた飲み物」が存在する。

9月の頭ぐらいから、ドイツのワイン地域周辺には、ワインになる前の若いワインが出てくる。その名はFedderweisser (フェダーワイサー)。Fedderは羽、Weisserは白、つまり白い羽。

発酵中の“ぶどう発泡酒(Traubenmost)”で、3種ある“ノイアー・ヴァイン(Neuer Wein)”の白のもの。白ぶどうの品種を圧搾したぶどう果実のしぼり汁を発酵させている途中の状態で販売する。これはまだワインになる手前のもの。ドイツではムスト(Most モスト)と呼ばれる段階にある。定義上、Traubenmost(ブドウ発泡酒)から完全発酵されワインとなったものまですべての発酵段階のものが含まれる。(ワインは酵母を除いている。)酵母が残ったままでなので、これがフェーダーヴァイサー『白い羽』という名前の元になっている。(Wikipedia日本語ページより)

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これがまた、甘くておいしい。完熟したブドウの汁に、少しアルコールが入っている感じ。少しシュワシュワしていて、最初の味はヤクルトっぽさもある。10月にかけてだんだん発酵が進み、だんだんワインらしい酸が出てくる。ワインの中にある酵母がぶどうの糖を食べ、その結果アルコールと炭酸ガスを生み出す。その過程のものだから、毎日味が変わる。アルコールは5%くらいから始まり、最後のほうは10%くらい。

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ドイツはワイン栽培の北限の国なので赤ワインぶどうは育ちにくいが(全体の10%の生産量)、赤ワイン版もある。赤ワイン版は場所によってRoter Sauer (ローター・ザウワー/酸っぱい赤いもの)と呼ぶこともあるようだ。

これが季節のもので、9月になるといつもこれを想い偲ぶ。


そんな秋の訪れを日本でも同じように感じることができることが判明。

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我が日本が誇るワイン産地、山梨県から「にごり酒」といって売り出されているではないか。日本酒でもにごり種あるし、同じタイプのお酒の種類だから、あって当然か。出回る時期はデラウェア種が10月頃、甲州種が11月から。1月までに飲み切ってください、と書いてある。

ただ、日本のものは、お値段が1500円くらいと、高い。ドイツはボトル一本3-6ユーロくらい(400-750円くらい)。むむむ、日本のものは味わって飲まねば。

これを飲むと、ホワッと心地よくなり、自分の背中に白い羽が生えたよう。ワイン自体も、天使のような羽のような色だし、まさに白い羽の生えた飲み物。短い秋の訪れとともに、秋の風物詩に喉鼓。ただ、これはぐいぐい飲めるので、飲みすぎ注意。


見つけたら、ぜひ試していただきたい(そして日本のワイン産業を応援しましょう!)。



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