『VIRTUAL TRIP』で非日常を味わい尽くそう ー真っ直ぐな道編ー
重くて無機質で、大好きな黒いモノ。
それはカメラ。私は少しでも遠出する時は必ずカメラを持ち歩く。それは撮りたい景色も切り取りたい瞬間もどこにでも沢山あると思っているから。誰に習ったわけでもなく技術もなく心のままに撮るだけなのだけれど、誰に気を使うでもなく被写体と視界を選ぶのはなんとも気持ちの良いモノだと思っている。
思うように出掛けられない日が続くので、日本全国で撮った写真をご紹介します。
今回は一定のアングルのものを集めました。”真っ直ぐな道”って前向きで自由な気がしていて、自然とシャッターを切ることが多いのです。
『真っ直ぐな道シリーズ』、お楽しみいただけたら嬉しいです。ここからは是非、好きな音楽でもBGMにして、『VIRTUAL TRIP』してみてください。
【沖縄 竹富島】
石垣島から一番近い離島「竹富島」。島の一番の魅力は、古き良き沖縄の原風景が残されていること。のんびり進む水牛車、赤瓦の集落、懐かしい街並み。
ビーチに向かいながらサイクリング中に撮った1枚。ここだけ時が止まっているような気持ちになる。ジリジリと強い日差しを全身に受けながらシャッターを切る。
【神奈川 鎌倉 七里ヶ浜】
暑い夏の日。夕暮れ時になって気持ちの良い気温になってきた頃にビーチを散歩。日も沈む頃にそろそろ帰ろうかと階段を登ろうとして、ふと見上げた空。空に向かう階段と青く澄み切った空、眩しい太陽と白い雲と飛行機雲。
【青森 城ヶ倉大橋】
紅葉が盛りの頃。とても寒い早朝にホテルから車で向かう。
囲まれた山々すべてが朱色に染まる。帰ったら温かい珈琲を飲もうと考えながら赤の世界の真ん中に立つ。
【岡山 倉敷】
倉敷の美観地区。橋の上から川に映る夕暮れの空を眺める。歴史のある街並みが郷愁を誘います。
お洒落な町屋カフェでお腹いっぱいになったことや古い蔵を改装したお店などで楽しんだことも一瞬忘れて、美しい風景に心奪われます。
【沖縄 竹富島】
星のや竹富島の展望台から。朝早く起きて、360度誰もいない景色を堪能する。朝日が登ったばかりの澄んだ空気と、輝く白い砂の集落と、昨夜の雨を吸って活きいきしている緑。
なんのための道かは分からない。1番高い場所から誰もいない世界に1人立って風を受けていると、道に意味なんてなくてもいいんじゃないかと、そこにそうしてあるだけでいいんじゃないかと思える。
【岡山 吉備津神社】
参拝した帰り道の参道。どこまでも続く道、力強い木々と優しい夕陽。
『日本書紀』や『古事記』にもゆかりの記載がある程の由緒正しい場所からの風景。
【京都 黄梅院】
京都、大徳寺塔頭の黄梅院。鐘楼まで続く道に、苔庭に映える紅葉の足跡。
【沖縄 竹富島】
早朝散歩。足元の景色。入道雲と強い日差しに目を細める。
たまには、足元から大空を眺めると違う景色が見えてくる。
【神奈川 大野山】
細く険しい道を車で登り切った場所にそこはある。”薫る野牧場”。人が車で登るのだって恐怖を感じるような、標高の高い場所で放牧している。
そこで見た牛たちの目は澄みきって穏やか。登り切ってしまえば、そこは誰より高い場所。周りは広大な山々と山肌に生えるすすき、広い空と天使の梯子。
【東京都 中目黒】
目黒川の桜。川に映り込む光が真っ直ぐ続いていきます。桜吹雪とライトアップの明かり、人々の静かな熱狂。
美味しそうな屋台からの匂いと桜一面の空が夜空を彩り、今日という日が時別な1日になる。
【岡山 吉備津神社】
神社の奥に終わりの見えない道がある。全長360mの下っていく廻廊は不思議な感覚を覚える。
ここから先、異世界にいくかのような感覚。
【広島 厳島神社】
厳島神社からの夕焼け。さっきまでは見えていなかった、引き潮で見えてきた照らされる地面と、神々しい山々、それを眺めるように立つ大鳥居。
霞がかかる山々を太陽が雲間から照らす。地面に残る水がまたその陽を浴びる。
【北海道 小樽】
小樽中心部に残る、昭和60年に廃線となった手宮線。街並みに溶け込んでいる。
石造りのモダンな街並み、小樽運河、地平線まで続く配線。
【京都 高桐院】
長い石畳の道、迫るように囲む竹林のトンネル。視界の先の光には鮮やかな色。
京都の喧騒から離れ、大徳寺の広い敷地にひっそりと佇む。石畳を進んでいくと、今までとはどこか違う場所へ足を踏み入れている感覚にさせてくれる。
【長野 軽井沢】
石の教会として知られる”内村鑑三記念堂”に向かう道。石の教会自体も実に神秘的なのだが、向かう道が既に幻想的で異空間に連れて行ってくれる。
深い緑に囲まれた石畳の道を通り、森の奥へと進んでいく。
【北海道 北海道大学敷地内のポプラ並木】
キャンパスが広い北海道大学。自転車で校舎の中を移動するほど広い敷地内には、巨木が250mほど連なるポプラ並木がある。
夏の暑い日差しに映える力強い緑は生命力に溢れていた。
【沖縄 竹富島】
星のや竹富島の敷地内のプールに向かう石畳。雨上がりの誰もいないプールに向かうなんでもない石の連なりが、天国に向かう階段のような神聖なものに見えた。
『道』 ー景色の先に人は何を思うのかー
この記事を執筆しながら、私は、東山魁夷の『道』を思い出していた。両脇に広がる緑の間を、茶色ともクリーム色ともとれる道がただ真っ直ぐに伸びている絵。
ふと思った。
人は、道を見るとその先に何かを思うらしい。過去に思いを馳せる人がいれば、希望の光を見る人もいる。泣く人が居れば、微笑む人もいる。
”道を見ると、自らの心が見えてくる”。
ただ道を見ること。それは、今この瞬間、自分がどんな思いで過ごしているのかを気付かせてくれるヒントになるかもしれない。
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