【詩】AQUA

人魚は人になりたくて

陸にあがった

わたしは人になりたい人

人だと言うのに人に憧れている

人を求めて

人に傷つけられ

人に絶望す

昔から人のカタチをした

人にはなりきれない

心の空洞に悲観して

人って何だっけと

神様に尋ねる

答えはない

聞くべきは

何をすればいいかで

これからの道標を

静かに耳を傾けることかもしれない

すでに人だから

人魚が恋焦がれた人

人が何かわからないわたし

いっそ人魚になってしまいたい

その結末が泡だとしても

手と足を見て

顔を触り

なにもかも揃ってる

無いものばかりに目を向けて

揃っているものは

何かもわかっていない

人魚は何一つ叶えず

泡となり消えて行った

わたしは何もかもあり

叶えたいもののために

時間をかけることも出来る

手元にないものに絶望する前に

手にしているものに光を

そしてこれから手に入れるものに夢を

現実と幻想の間で