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【詩】悠久に


黒い渦を巻く強風の中

金色の鷲が空を飛ぶ




日の照る時間に躓く者

月の光を見る時間に疲労する者

緩い流れの小川が

重き胸の内を穏やかに流してくれる



清められた希みは

やがて変わりゆく



枯渇していた肉体に

純然たる色が足の指先から

満たされていく



古いはずの心が新しくなり

新しいはずの欲は古くなる



きれいにされたのではなく

新しくなった肉体は

もう元には戻らない



広い草原に一人

風に向かい

新しくなった体で

過去やしがらみや

いらない欲望が消える




明るくなる空を前に

金色の鷲が優しい風の中で

失っていた行くべき場所へ

いざなう



もうこれで

戻ることはない



思いを馳せる時は

今までではなく

今これから

雲の隙間から太陽が光る



金色の鷲は悠久の山々に向かって

静かに消えていった





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