見出し画像

ベートーヴェンを毎日聴く69(2020年3月9日)

『ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 op.47 「クロイツェル」』を聴いた。

ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタでは、第5番「春」と並ぶ傑作として名高い。「春」は美しく優しいが、「クロイツェル」は全く正反対で闘争的である。

ベートーヴェンは「極めて協奏曲風に書かれたピアノとオブリガート・ヴァイオリンのためのソナタ」と楽譜に書いた。ヴァイオリンは、単なるピアノの伴奏をしているのではなく、対等な存在として演奏させる、という大きな転換を迎える作品として生み出した。ヴァイオリンは高度なテクニックを駆使させて表現をする楽器。今後、パガニーニなどヴィルトゥオーゾを登場させることにつながったと言えるかもしれない。

ここでは二人の奇才、パトリシア・コパチンスカヤとファジル・サイによる演奏を紹介。「ここまで凄まじい演奏をしなくてもいいのに」と笑いそうになるほどだが、そう思わせてしまう魔力を持つ作品である。聴き始めると、いつの間にか終わりになってしまうほど曲に没頭してしまう。

こんなスパイスが効きまくった、とにかく刺激的で熱い演奏を、たまに聴くのもいいのでは。いや、これは聴くだけではもったいないほど、演奏の姿もすごい。

(記:2020年11月4日)


この記事が参加している募集

#習慣にしていること

130,786件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?