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砂漠の果てに恋をした 第1話
第1話 砂漠の星
「……………」
大地は、じっと黙ったまま、宇宙船の窓の外にある地球を眺めていた。真っ暗な宇宙にぽつんと浮かぶ青い星。地球生まれ地球育ちの彼は、故郷の星を離れることに対して、いささかホームシックになっていた。
「どうしたの?大地」
隣に座る母が、彼にそう尋ねる。大地は地球から視線を外すことなく、母に背を向けた状態で答えた。
「ちょっと……なんか、寂しいね」
「地球が恋し
反戦【星になった子どもたち】
戦争が激化し、子どもも戦場へ駆り出される時代。
A国の兵隊だったとある少女は、孤島での戦闘中に、仲間の部隊とはぐれてしまう。
森の中をさ迷っていると、運悪く敵であるB国の兵たちに見付かってしまい、捕虜にされる。
兵たちの目的は、A国の情報ではなく、少女の強姦だった。
今夜のお楽しみだと言って、兵隊たちは少女を樹に縛り、一人の少年兵に見張りを任せた。
少年は悲しそうな表情で、一言「了解」とだけ答
【ファンタジー】俺のために死んでしまえ
起
とある青年がいた。
彼は一人で森の中を散策し、その風景を写真におさめるのが好きで、よくそうした遊びをしていた。
その日も、彼はいつものように森を散策していた。
夜も更け始め、そろそろ帰ろうかという時、とある集団を見つけた。
茶色のフードを被り、ろうそくを手に持っている。
そんな格好をした者たちが、大勢いる。
彼らは、フードを深く被っているので、顔が見えない。
その集団の中央には祭
【ファンタジー】生真面目天使
一人の天使が、空の上から人間の世界を見つめている。
彼の名は、オラシオ。
生まれて間もない若い天使だ。
「人間はなんて不器用なんだ!」
これが、オラシオの口癖だった。
「どうしてみな争うのか!?なぜ愛し合えないのか!?人間はバカしかいないのか!?」
彼はいつも、他者を愛することができない、不器用で愚かな人間たちに怒っていた。
しかし、彼は仲間である天使たちにも怒っていた。
オラシオ以
【ハートフル】サンタクロースは誰にでも
起
あるところに、貧乏で孤独な老婆がいた。
彼女は人付き合いが悪く、家族も友達もいないまま、80歳の誕生日を迎えてしまった。
そして、持病も抱えており、医者からも『もう長くない』と宣告されていた。
「独りぼっちで死にたくない。最期くらい、誰かに愛されたい」
そう思っていた彼女は、ふと街角にあったサンタの人形を見つける。そこに群がる子どもたち。
「そうだ、サンタみたいになれば、自分も愛される
【ギャグ】アホリンピック2020
「さー!今年もやって参りました!アホリンピック2020!実況は私“ボリビア 猿次郎”と、阿呆大学教授“光頭 ハゲ丸”さんです!光頭さん、よろしくお願いいたします!」
「どうも、光頭です」
「では、さっそく競技の方にうつりたいと思います!」
……アホリンピック2020……
13時47分、開幕
「えー今年はですね、参加国が四つと、なんと例年の四倍なんです!」
「今年はコロナウイルスも
【バトル】夜明けの覚醒
起
病弱で気の弱い少年がいた。
彼は学校でいじめられており、いつも殴られてばかりいた。
いじめられっ子にびくびく怯えながら生きるのが、悔しくて悔しくて仕方がなかった。
承
ある夜、少年はその生活に嫌気がさし、自殺しようとする。
ビルの頂上から、眼をつぶって彼は飛び降りた。
だが、その落ちている最中、うっかり眼を開けてしまう。
「ひっ!?」
落ちていく風景があまりに恐ろしくて、少年は思