腹ぺこララバイ

24歳、男。社会人。イラスト、漫画、小説、詩などを創作しています。

腹ぺこララバイ

24歳、男。社会人。イラスト、漫画、小説、詩などを創作しています。

最近の記事

砂漠の果てに恋をした 第1話

第1話 砂漠の星 「……………」 大地は、じっと黙ったまま、宇宙船の窓の外にある地球を眺めていた。真っ暗な宇宙にぽつんと浮かぶ青い星。地球生まれ地球育ちの彼は、故郷の星を離れることに対して、いささかホームシックになっていた。 「どうしたの?大地」 隣に座る母が、彼にそう尋ねる。大地は地球から視線を外すことなく、母に背を向けた状態で答えた。 「ちょっと……なんか、寂しいね」 「地球が恋しい?」 「恋しいってわけじゃないけどさ……。でも、なんだかんだ、俺って地球人な

    • 反戦【不滅の花園】

      少女は花が好きだった 家の庭にある花園が好きで、いつもそこを駆け回っていた 両親も、街の人たちも、そんな彼女を見るのが好きだった そんなある日、戦争が起きて街が攻撃されてしまう 街の者たちが散り散りに他の国へ逃げる中、少女は家に帰りたいと懇願した 「花園のお花を守らなきゃ!」 両親の制止を振り払って、彼女は家へ戻ってしまった その瞬間、大きな爆弾が落とされた 少女はその光の中に消え去った それから10年、両親は酷く落ち込んでいた 少女のトラウマを抱えたせい

      • 反戦【星になった子どもたち】

        戦争が激化し、子どもも戦場へ駆り出される時代。 A国の兵隊だったとある少女は、孤島での戦闘中に、仲間の部隊とはぐれてしまう。 森の中をさ迷っていると、運悪く敵であるB国の兵たちに見付かってしまい、捕虜にされる。 兵たちの目的は、A国の情報ではなく、少女の強姦だった。 今夜のお楽しみだと言って、兵隊たちは少女を樹に縛り、一人の少年兵に見張りを任せた。 少年は悲しそうな表情で、一言「了解」とだけ答えた。 それを受け、少年の上官たちは戦場へと向かっていった。 だんだんと日が

        • 【バトル】我武者羅

          長編バトル漫画もの。壮絶な復讐劇。 世界観 日本の政治家上層部が、地球外生命体のエイリアンに乗っ取られた世界。 エイリアンのために法が作られ、エイリアンのために日本国民は生きねばならない。 そうした独裁国家になった上に、アメリカですらも無闇に攻撃できない状況の中、日本国民は苦渋を強いられていた。 そんな国家を転覆させようと、とある組織が動き出す。 それが、非公式特殊戦闘部隊『我武者羅』であった。 キャラクター 『白神 明(しろがみ あきら)』 17歳の少年。主人公

        砂漠の果てに恋をした 第1話

          【ファンタジー】俺のために死んでしまえ

          起 とある青年がいた。 彼は一人で森の中を散策し、その風景を写真におさめるのが好きで、よくそうした遊びをしていた。 その日も、彼はいつものように森を散策していた。 夜も更け始め、そろそろ帰ろうかという時、とある集団を見つけた。 茶色のフードを被り、ろうそくを手に持っている。 そんな格好をした者たちが、大勢いる。 彼らは、フードを深く被っているので、顔が見えない。 その集団の中央には祭壇があり、顔のない悪魔の像が置かれている。 「悪魔教か何かの集団か?気味が悪い

          【ファンタジー】俺のために死んでしまえ

          【ファンタジー】生真面目天使

          一人の天使が、空の上から人間の世界を見つめている。 彼の名は、オラシオ。 生まれて間もない若い天使だ。 「人間はなんて不器用なんだ!」 これが、オラシオの口癖だった。 「どうしてみな争うのか!?なぜ愛し合えないのか!?人間はバカしかいないのか!?」 彼はいつも、他者を愛することができない、不器用で愚かな人間たちに怒っていた。 しかし、彼は仲間である天使たちにも怒っていた。 オラシオ以外の天使は、人間がそういう状況であるにも関わらず、目をつぶり、手を合わせて、微笑

          【ファンタジー】生真面目天使

          【ハートフル】サンタクロースは誰にでも

          起 あるところに、貧乏で孤独な老婆がいた。 彼女は人付き合いが悪く、家族も友達もいないまま、80歳の誕生日を迎えてしまった。 そして、持病も抱えており、医者からも『もう長くない』と宣告されていた。 「独りぼっちで死にたくない。最期くらい、誰かに愛されたい」 そう思っていた彼女は、ふと街角にあったサンタの人形を見つける。そこに群がる子どもたち。 「そうだ、サンタみたいになれば、自分も愛されるかも知れない」 そう考えた老婆は、飴や駄菓子を道行く子どもたちに与えようとする

          【ハートフル】サンタクロースは誰にでも

          【ギャグ】アホリンピック2020

          「さー!今年もやって参りました!アホリンピック2020!実況は私“ボリビア 猿次郎”と、阿呆大学教授“光頭 ハゲ丸”さんです!光頭さん、よろしくお願いいたします!」 「どうも、光頭です」 「では、さっそく競技の方にうつりたいと思います!」 ……アホリンピック2020…… 13時47分、開幕 「えー今年はですね、参加国が四つと、なんと例年の四倍なんです!」 「今年はコロナウイルスもありましたから、みんな暇なんでしょうね」 「では、ひとつめの国から!アメリカ

          【ギャグ】アホリンピック2020

          【バトル】夜明けの覚醒

          起 病弱で気の弱い少年がいた。 彼は学校でいじめられており、いつも殴られてばかりいた。 いじめられっ子にびくびく怯えながら生きるのが、悔しくて悔しくて仕方がなかった。 承 ある夜、少年はその生活に嫌気がさし、自殺しようとする。 ビルの頂上から、眼をつぶって彼は飛び降りた。 だが、その落ちている最中、うっかり眼を開けてしまう。 「ひっ!?」 落ちていく風景があまりに恐ろしくて、少年は思わず悲鳴をあげた。 その悲鳴は、本能だった。 「いや!いやだ!!怖い!!まだ死

          【バトル】夜明けの覚醒