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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~372


「彼女も、大学を卒業した後にはいろいろあった、みたいなことを言っていたのです。詳しいことはまだ聞いていないんですけれど、きっと何か人生観が変わるような経験をしたんじゃないか、って思ったくらいです」

そうですね。そんなことを想像してしまうくらい、しっかりとしたお考えをお持ちの方のようですね。ただ、あなたもある意味人生観が変わるような経験をされて、ご自分と向き合い、今までのご自分のことを見つめ直す、ということを十分に行ってきたと思いますよ。

「そうなんですかね……でも、友達と比べたら、私なんて何かを悟っている訳ではないし、『考え方次第』なんて言ってポジティブになることも出来ないし、まだまだ全然ダメなところばかりだし、相変わらず過食嘔吐はやめたくてもやめられないし。彼女とは同じ大学に通って、一緒の時間や空間を過ごしていたのに、数年経ったらこんなにも差が出来ちゃって。何だか自分だけが取り残されているみたいな気がします」

そうですか、そんな気がしますか。ただ、先ほども言いましたが『人』と比べると余計に『差』が気になってしまうものです。ですから、もし比べるとするならば過去の、非常に辛く苦しかった時のご自分と比べることで、出来るようになったことや『悟った』ではないですけれど気が付いたことなどを振り返ってみてはいかがでしょうか。そうすれば、決して『全然ダメなところばかり』ということはないし『取り残されている』こともないと思いますよ。

「そうですね……そうですよね、人と比べるから出来ないことや足りないことばかりが気になって、余計に自分が『全然ダメ』に思えてきちゃうのかもしれませんね。先生のおっしゃるように、摂食障害が酷かった時に比べればお店でパフェを食べることが出来たり、この前みたいに人と会って一緒に食べることが出来るようになったんですものね。それだけでも自分の中では凄いことだし、一つ一つの積み重ねが大切なのですよね。諦めないで続けていれば、いつかきっとなりたい自分に近づいていきますよね」

おっしゃる通りです。今出来ることを一つ一つ積み重ねる。諦めないで続ける。それが大切なことで、それが全てで、おそらくそれしかないと思いますよ。


今日もありがとうございます。

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