摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~365
こういうことは、人によるかもしれないし、時期の問題かもしれませんが……確かにお友達の言うように、話をしたからといって何かを思い出したり、何かに気付いたりすることが出来るとは限りません。そういうことが出来たのはあなただからであり、『今の』あなただからであるとも言えると思います。いくら話をしたり、話を聞いてもらったりしても心の奥まで響かない人もいると思いますし、今はまだ耳に入らない時期だということもあるでしょう。それでもあなたの心には何かしら響くものがあった、というかあなたが心を開いていたのですから、そのことには自信を持ってもいいと思いますよ。
「そうなんですかね。何か、私自信なんて全然持てなくて。過食嘔吐をする前までは、痩せていることが自信に繋がっていたのですけれど、それも今はないから『自信を持ってもいい』って言われても何となくピンとこないんですよね……」
そうかもしれませんね。けれど、あなたは今まで摂食障害を克服するために、今出来ることを、出来る範囲で、出来る時に、諦めることなく、開き直ることもなく続けてきたのですから、そのことには自信を持ってもいいと思います。それに、人の話を素直に聞く、ということも出来るようでなかなか出来ることではありません。人は誰しも自分の価値観というものを持っており、それと異なる考え方ややり方を素直に受け入れる、ということはすぐには出来るものではありません。けれどあなたは、少なくとも私の前では私のアドバイスなどに異議を唱えることもありませんし、一つ一つ真摯に取り組んでおられる、ということも話をしていれば十分伝わってきます。あなたはご自分で気付くことが出来るのです。気付くことが出来るようになってきたのです。お友達の言うように、もっと自信を持ってもいいと思いますよ。
「ありがとうございます。先生にもそう言っていただけると、ほんの少しだけですけど『自信を持ってもいい』のかなぁ、って気になってきました」
今日もありがとうございます。
よろしければサポートお願いいたします。いただいたサポートは、今後、摂食障害で悩む方々のサポート活動に、大切に使わせていただきます。