見出し画像

摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~213


『普通に』食べること……こんな当たり前のことが、今の私にとってどれだけ大変で、遥か遠い未来なのか。けれども、『普通に』食べることが出来れば、友達と会うことも、一緒に遊ぶことも、会社の飲み会も、(今はいないけど)彼氏とのデートも、何もかも、少なくとも『食べること』を気にしなくても行動に移すことが出来る。『普通に』食べることが出来れば、人とのコミュニケーションで悩むことが格段に少なくなる。食べることは、美味しさを噛みしめることであり、食べたい物を食べて心も身体も満たされること。そして、人と美味しさや楽しさを分かち合うコミュニケーションの大切なツールでもある。だとすれば、今の私は『普通に食べたい』を手に入れるために摂食障害を克服する、そんなシンプルな理由でもいいのかもしれない。

人とのコミュニケーションで、『食べること』を気にしないで済むようになることが出来れば、もしかしたらやりたいことや行ってみたいところ、買ってみたい物などが思い浮かぶのかもしれない。人とのコミュニケーションが『普通に』とれるようになれば、自然と楽しみを見つけられるようになるのかもしれない。

私は、摂食障害になってしまってからというもの、人とのコミュニケーション、特に一緒に何かを食べたりすることを極力避けてきた。会社でのお昼だって、何だかんだ理由をつけて一人になるようにしてきたし、飲み会なんかもほとんど断ってきた。もちろん、友達と会うと何も食べないことはほとんど不可能に近いから、それも断っていた。そしたら、当たり前だけど、いつの間にか誰からも誘われなくなってしまった。

過食嘔吐が酷かった時は、それでも仕方がないと思っていた。何なら、それでもいいと思っていた。とてもじゃないけど、人前で楽しそうに食べるなんて出来ないから。かといって、誰かに摂食障害だってことを話す勇気も気力もなかった(妹の由希を除いて)。

『普通に』食べることが出来るようになったら、友達は、また私と会ってくれるのかなぁ。こうなってしまったからには、すごく誘いにくいけど、今までの事情を話して私から誘わなければ、一生お一人様になってしまう。それも勇気がいるけど、でもそんな日を夢見て、諦めないで、今出来ることを一つ一つ積み重ねる、ただそれだけ。今の私に出来るのは、ただそれだけだから……


今日もありがとうございます。

この記事が参加している募集

習慣にしていること

私の作品紹介

よろしければサポートお願いいたします。いただいたサポートは、今後、摂食障害で悩む方々のサポート活動に、大切に使わせていただきます。