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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~222


摂食障害に陥ってしまう方は、完璧主義的な性格の方が多く、とかく何に対しても『完璧』を求める傾向が強いのですが、今まで出来なかったことや、新しく何かを始める時には頭で思い描くように物事が進むとは限りません。あなたのように、過程が思い通りでなかったとしても、結果としてうまくいったとか、あるいは途中までは思い通りに出来たのに、結果が伴わなかったということは、良くあることですし、むしろそれがほとんど、と言ってもいいくらいなのです。ですから、あらゆる場面に完璧を求めるのではなく、出来たことに目を向けて、その経験を自分の中に一つ一つ積み重ねること。それが大切なことなのです。完璧主義的な性格の方からすると納得出来なかったり、もどかしかったり、あるいは自分を許せなかったりするかもしれませんが、一つ一つ、地道に進んでいくということ、『焦らず、慌てず、諦めず、落ち着いて』一つ一つ取り組んでいくこと、それが大切で、今のあなたにとって必要なことなのです。

「そうですよね、先生にそう言っていただけると、何だか安心します。『完璧』なんてあり得ない、ただの『幻想』だってことは、頭ではわかっているつもりなのですけれど、どうしても一人になっていろいろなことに没頭していると、私の『隙』を見て『完璧主義』がどんどん頭の中を侵食してくるのです。そうすると、あれもこれも『完璧』じゃないと、全てがダメ、っていう、0か100かみたいな思考に陥ってしまうのです。それこそ、初めは過食するつもりは全くなくて、一口一口慎重に食べ始めて、途中までは順調だったのに、ふと何かを一つ食べ過ぎた、と思い込んでしまうと、途端に『あぁ、もうだめだ、食べ過ぎた、このままでは太っちゃう……もう過食するしかない』みたいな、極端な思考に侵食されて、後はもう手あたり次第に詰め込んで、結局吐いてしまう、みたいな感じになっちゃうのです。もう、数え切れないほど、そんなことを繰り返してきました。だからこの時は、確かに酔いつぶれちゃってそのまま寝てしまった、ってことはありますけど、それでも結果吐かずに食べることが出来た、ということが、私の中ではすごく大きな経験だったというか、それこそ『成功体験』だったのではないか、と思うのです」

そうですね、正におっしゃる通りですし、ご自分で『成功体験』だと気付かれている、ということが何よりも素晴らしいことなのです。それに、その夜の体験を『吐かずに寝てしまった、許せない』と考えることも出来ると思いますが、『吐かずに食べることが出来た』と肯定的に捉えることが出来た、ということも素晴らしい!


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