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超短編小説 「途中」

80
140字くらいの小説が入っています。よろしくお願いします。
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#死神

明日、22時38分(140字小説*20)

明日、22時38分(140字小説*20)

「明日ですか?」
「はい、明日の22時38分です。」
「こっちにも都合があるんですけど。」
「急死の場合、皆さんそうおっしゃいます。」
「なんとかなりませんか?」
「申し訳ありません。決まったことなので。」「。。。」
「また、明日。」
次の日、僕はいつものように仕事をこなし、22時38分、、、 #140字小説 #超短編小説 #掌編小説 #死 #死神 #仕事

遅刻(140字小説*4)

ある子どもが不治の病を抱えて生まれた。もってあと三日の命だろう。三日たった。子どもは死ななかった。一年が過ぎるころには病は消え、すっかり元気になった。その子は多くの人に愛され、百歳まで幸福に生きた。死ぬ間際、死神がやって来て言った。「いやー、ごめんごめん。百年も遅刻しちゃったよ」
#140字小説 #小説 #短編小説 #死神 #幸福