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ノルウェイの海

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長々と書いている、僕がトマト農家になるまでのお話です。
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#エッセイ

ノルウェイの海

ノルウェイの海

 生まれながらの面倒くさがり屋で、いろいろとグダグダなことの多い生涯を歩んできました。

 そんな僕と、彼女の話を書いてみようと思います。
 高校で出会い、進学や就職を経て、近づいたり離れたりしながら、友達として一緒の時間を過ごしたり、それぞれ別々の時間を過ごしたり。

 最近ちょっといろいろあったので、記憶をまとめて文に書いてみようと思います。

 僕が初めて彼女に会ったのは、高校2年生の文化祭

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ノルウェイの海 2

ノルウェイの海 2

◆前回

 そうして、彼女は先輩と復縁してしまったわけですが、夏休みになると僕にも春がやってました。
 なんと美術部の後輩の子から告白されて、人生初の恋人ができたのです。
 浮かれた僕は存分に青春を謳歌しました。見るものも会うものも全てが楽しくなってキャッキャウフフしていましたが、そのツケは後に支払うことになります。

 遠距離のためあまり恋人に会えない彼女も、そんな僕を鬱陶しそうにしていましたが

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ノルウェイの海 3

ノルウェイの海 3

◆これまで
 いろいろあって、僕は現役の大学受験に全落ちしてしまったのでした。

 受験に全落ちした僕は、少し離れた街の予備校に通うことになりました。

 知らなかったのですが、予備校というのにもクラスがあって「東大コース」とか、「国立大学コース」とか「私立大学コース」とか志望校ごとに分けられているようでした。
 当時のセンター試験や、模試の結果によって選べるクラスが限られていましたが、僕はなぜか

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オンボロサイクル・ダイアリーズ

オンボロサイクル・ダイアリーズ

◆これまで
 大学受験に全落ちし、予備校に通い始めた僕は隣の席の5浪目のヤバい男、岡野と出会ってしまったのでした。

 五月病ならぬ、4月の半ばにして僕はすでに浪人生活にほとほと嫌気がさしていました。
 勉強勉強&勉強、みんなよく平気な顔をしていられるなと信じられない気分でした。

 そんな僕は自然と岡野や、何浪もしている人達のコミュニティの方へふらふらと吸い寄せられていくのでした。
 浪人生のく

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オンボロサイクル・ダイアリーズ2

オンボロサイクル・ダイアリーズ2

◆これまで
 浪人時代、勉強が嫌になった僕は、予備校の友達と二人して、九州一周の自転車旅を計画します。
 旅は順調に進みますが、途中立ち寄ったボートレース場で予想外の大負けをくらい、失意の中旅を進めますが・・・。

 大勝負に負け、ボートレース場からぷりぷりと飛び出してきた僕たちは、そのまま自転車に飛び乗ると、怒りをぶつけるようにがむしゃらにペダルをこぎました。
 こいでこいでしばらく走ると、道が

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