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綾部まと
2022年4月21日 10:25
彼に声をかけられた時。私は歩道に寝転がっていた。三月と思えない陽気。金曜日の夜。マンションの入り口で。「お前。こんなとこで何してんの?」聞かれなくても分かっていた。私のような二十三歳の会社員は、誰かと過ごすべきなのだ。悩みを話せる上司。共にいて息苦しくない彼氏。夢を語り合う友達。そんな類の知人は、持ち合わせていなかった。私にあるのは朝までの時間と、静かな歩道だけだった。「あんたこそ、