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不登校児の居場所作りのための社会的認知・理解、財政・人的支援の獲得へ向けた情報発信・共…

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不登校児の居場所作りのための社会的認知・理解、財政・人的支援の獲得へ向けた情報発信・共有、社会的働きかけを主に、当事者がなかなか社会的対応について声を上げられない諸課題について発信していきます。

最近の記事

アウトリーチ型支援

 先日、殺人事件の傍聴をしてきました。  概要は80歳のご主人が85歳の妻を介護に苦闘した末に自宅で絞殺し、当初から計画していた後追い自殺をやりきれない間に、連絡が取れなくなった親族からの通報で警察官が訪問して遺体を発見したというもので、その時点で被告は自分の犯行を認めています。  所謂「老老介護」が限界を超えたことによる悲劇で、平成28年頃からほぼ目が見えない状況にあった被害者を、被告が働きながら家事全般を含めて介護(要介護1認定)していましたが、直近で急激に神経症やうつ、

    • 教育・福祉の民間委託

       民間企業に勤めていた時は、派遣社員の増加を身近に感じていましたが、不登校支援の活動を始めて気がつくのが、以前noteに上げた公務員の非正規化(有期雇用職員の増加、約4割を占め、ハローワークの相談員も有期雇用)と教育や福祉部門の民間委託の多さです。  いずれも2001年以降の小泉・竹中コンビによる「聖域なき構造改革」(当時は社会から賞賛されましたが…)の流れですが、保育園や学童保育、療育、放課後等デーサービス、児童発達支援センター、委託ではありませんがフリースクール、フリース

      • 不登校支援の課題

         先日ある自治体の議会の一般質問を傍聴してきました。  私が関わっている「不登校支援」についても複数の議員から質問がありました。  表面的な質問があった一方、特別支援教室や校内別室教室、教育支援センター(旧適応指導教室)の機能強化や居場所のあり方、フリースクール等への学費補助や運営費補助などの財政支援推進、ギフテッド、ディスレクシアへの理解促進や支援策拡充、不登校全般の窓口一本化の早期実現やコンシェルジュ機能の強化、医療機関との連携強化等現場状況を踏まえた詳細な質問もありまし

        • マスメディアの劣化

           「貧困が無知を誕むのじゃなくして、資本主義社会体制自体が無知を造るのだ。このことが理解出来た私は、完全なる社会的人間へと成長したと言っても僭越ではないだろう。」とかつて連続殺人犯の永山則夫は著作の『無知の涙』に綴っています。 ※事件は1968年に、青森県の貧困かつ機能不全の家庭で育って、中学卒業後集団就職で上京した永山が、横須賀基地から盗んだ拳銃を使って4人を殺害して、当時19歳の未成年でありながら死刑(執行済)となったもので、判決が現在も「死刑適用🟰量刑の一般的基準」とな

        アウトリーチ型支援

          失われた30年

           「継続反復して若者の無知や未熟に付け込んで利用して喜んでるような奴は死ねばいいし死なねばならない。生かしとくべきではない。それぐらいは言っとく。」とは安倍元首相を銃撃した山上徹也被告が犯行前に旧Twitter(現X)につぶやいたメッセージとのことですが、全部で1,346件あったツイートを考察した五野井郁夫さんと池田香代子さんの対談本(集英社刊)を拝読しました。  山上氏のツイートをベースに、バブル崩壊から現在に至る日本の格差社会の進行やロスジェネ世代の苦悩について掘り下げる

          失われた30年

          憲法を学ぶ

           先日憲法学者の木村草太さん(東京都立大学教授)のセミナーを拝聴しました。  主なテーマは現在の課題を受けて、侵略戦争に関する条文(主に9条)と同性婚や共同親権に関する条文(24条)についてで、能登地震復興に関して生存権の条文(25条)についても言及がありました。  まずは前段の説明として憲法というのは「張り紙」のようなもので、私たちは〇〇を失敗しやすい。なので🟢🟢という「張り紙」を貼ろう。というのが基本イメージで、私たちの自立と責任を前提に人権及び幸福の最大化のため、前近代

          憲法を学ぶ

          教員の性犯罪公判

           本日の新聞報道によりますと、昨日横浜市教育委員会が記者会見し、2019、22、23年度に横浜地裁で審理された横浜市教委所属の教員が起こした性犯罪事件(被害者は児童・生徒)の公判において、一般傍聴者を閉め出すために多数の職員を動員(1回当たり最大50人)していたことを明らかにしたとのことです。  市教委は、被害者である児童・生徒の保護者側から要請があったとし「動員は被害者のプライバシー保護のためで、加害者をかばう意図はなかった。」と主張。一方、市教委は「行き過ぎた行為だった」

          教員の性犯罪公判

          障害者への思いやり

           現在家族とマンション住まいですが、昨年より重病の義弟(車椅子使用)と老齢の義父も同マンションの別部屋で暮らし始めました。  同じマンション内でそれなりに行き来したり、ケアしたりする生活ですが(訪問介護、訪問医療ケアはもちろん受けています。)、集合住宅生活の中でいくつか困っていること。自分なりに見えてきたこと。感ずることについて触れていきたいと思います。  一つは通路の共有スペースに物、特に自転車を置いている方が結構いらっしゃって、義弟のような車椅子使用者や歩行器、杖を使われ

          障害者への思いやり

          空気が読めます!

           先日ある集まりで元教師の方とお話しする機会がありました。  その方は退職後も短期(有期雇用)で教えられていたそうで、集まりは不登校や学校の問題について情報交換する場であったのですが、ある小学校で2年生を受け持つことになり、学校側から勉強が出来る子が多い優秀なクラスと事前説明されたとのこと。  初めて教室で児童と対面した際「このクラスのいいところを教えてください。」と聞いたところ、ある女子が元気に手を上げて「空気を読める子が多いことです。」と答えたと言います。  これには協調

          空気が読めます!

          能登復興支援と憲法

           昨日は憲法記念日でした。  憲法記念日には恒例(当然)として改憲派、護憲派双方の意見がイベントやテレビで披露され討議が行われます。  大筋の論調は政権側(改憲派)から安全保障の観点で9条の改定と、緊急事態対応の観点から緊急事態条項の盛り込みのため改憲が必要という意見が出され、それに平和主義(不戦主義)の観点と個人的人権確保の観点から護憲派(表現として主張される方々の真意とは少し違うかもしれませんが便宜上)から反対意見が出されるといった構図になります。  昨日のテレビでの討論

          能登復興支援と憲法

          立ちまわる人

           私の学生時代や社会人生活の前期(所謂昭和世代)に比べて協調性やコミュニケーション能力がより重要視される時代になったと感じています。  会社の新卒採用でも「コミュニケーション能力の高い人材を取りたい。」と人事部が声高に言い、事実、私の周りでは協調性の高い「良い子」が増え、会社方針や上司先輩の指示に反発することなく、人あたりや付き合いもいい印象があります。  会社の方針ややり方に素直に従い、要求することと言えば極論ですが「分かりやすいマニュアルをください。」といったイメージです

          立ちまわる人

          「家庭」を見直す。

           先日″不登校と家庭″というテーマで投稿しましたが、その中で「家庭」の崩壊を「家族」・「家」という縛りを強化して、「自助」によって最小限の共同体として復活させるのでなく、「家庭」の構成員である「個人」が自立することを「公助」で支援するような社会が望ましく、それによって「個人」なりのそれぞれの価値観において、安心・安全で幸せな「家庭」を含めた私的な共同体の確保が実現出来る。  その私的共同体の確保が、社会全体を安定した皆さんが「生きづらさ」を感じない共同体にすることが出来る。と

          「家庭」を見直す。

          不登校と家庭

           元不登校生の親として、学校、家庭以外の居場所やオルタナティブスクールへの支援活動に関わっています。  まずは地域の当事者の方たち(直接お話を伺うのは親御さんになります。母親が主)の現況を傾聴して、行政や医療ケアの情報をお伝えしたり、自分の事例(子どもへの対応や反応、成長過程等)を共有させていただき、行政への支援要請、提言等を実施しています。  この問題(不登校自体は問題ではありませんが社会的支援が圧倒的に不足しているために、当事者が「自助」対応することが多様・多大で精神的、

          不登校と家庭

          ケアマネジャーの介護保険外業務

           本日の新聞報道によりますと、頼れる「身寄り」のない老後を迎える人が増えているとのことです。  親族がまったくいない人や、いても疎遠で頼れない人が増加し、病院や施設への入院・入所手続き、身分保証や財産管理、物品購入、介護保険手続き、更には死後の葬儀、納骨、遺品整理などに困っており、最終的に病院、施設、行政(自治体)がそれなりのケアをせざるを得ないのが実態であるとのことです。  その実際の担い手になるのが、自治体職員や医療ソーシャルワーカー、ケアマネジャーですが、特にケアマネジ

          ケアマネジャーの介護保険外業務

          天文台のコスパと「義務教育学校」

           東京の三鷹市に日本の天文学研究の拠点である国立天文台があります。  正式には大学共同利用機関法人 自然科学研究機構という文科省所管の組織であり、大学院大学の機能も持っています。  元々は麻布台(旧飯倉)にあった東京大学附属の研究所がちょうど100年前の1924年に移転開所したとのことです。  移転時はまだ三鷹の地が未開発だったので天文台は広大な敷地内にあり、敷地には多くの樹木が育つ自然豊かな環境となっています。  その地で今、ある開発計画が進みつつあります。発端は国立大学で

          天文台のコスパと「義務教育学校」

          ハローワーク職員の非正規化

           本日の新聞にハローワークが就労支援の強化(特に職探しが困難な人たちへの長期支援)のために正規職員を増やすという記事が載っていました。  私にとってこれは少し虚をつかれたというか、意外性のある情報でした。  公務員に非正規雇用が増えた(自治体職員の約4割)ということは認知していましたが、ハローワークでも非正規職員比率が6割を超しているというのは、雇用行政の拠点のイメージからかなり意外に感じました。  概要は失業手当の給付など、「行政権の行使にあたる」業務は正規職員が担当する必

          ハローワーク職員の非正規化