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不登校児の居場所作りのための社会的認知・理解、財政・人的支援の獲得へ向けた情報発信・共…

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不登校児の居場所作りのための社会的認知・理解、財政・人的支援の獲得へ向けた情報発信・共有、社会的働きかけを主に、当事者がなかなか社会的対応について声を上げられない諸課題について発信していきます。

最近の記事

立ちまわる人

 私の学生時代や社会人生活の前期(所謂昭和世代)に比べて協調性やコミュニケーション能力がより重要視される時代になったと感じています。  会社の新卒採用でも「コミュニケーション能力の高い人材を取りたい。」と人事部が声高に言い、事実、私の周りでは協調性の高い「良い子」が増え、会社方針や上司先輩の指示に反発することなく、人あたりや付き合いもいい印象があります。  会社の方針ややり方に素直に従い、要求することと言えば極論ですが「分かりやすいマニュアルをください。」といったイメージです

    • 「家庭」を見直す。

       先日″不登校と家庭″というテーマで投稿しましたが、その中で「家庭」の崩壊を「家族」・「家」という縛りを強化して、「自助」によって最小限の共同体として復活させるのでなく、「家庭」の構成員である「個人」が自立することを「公助」で支援するような社会が望ましく、それによって「個人」なりのそれぞれの価値観において、安心・安全で幸せな「家庭」を含めた私的な共同体の確保が実現出来る。  その私的共同体の確保が、社会全体を安定した皆さんが「生きづらさ」を感じない共同体にすることが出来る。と

      • 不登校と家庭

         元不登校生の親として、学校、家庭以外の居場所やオルタナティブスクールへの支援活動に関わっています。  まずは地域の当事者の方たち(直接お話を伺うのは親御さんになります。母親が主)の現況を傾聴して、行政や医療ケアの情報をお伝えしたり、自分の事例(子どもへの対応や反応、成長過程等)を共有させていただき、行政への支援要請、提言等を実施しています。  この問題(不登校自体は問題ではありませんが社会的支援が圧倒的に不足しているために、当事者が「自助」対応することが多様・多大で精神的、

        • ケアマネジャーの介護保険外業務

           本日の新聞報道によりますと、頼れる「身寄り」のない老後を迎える人が増えているとのことです。  親族がまったくいない人や、いても疎遠で頼れない人が増加し、病院や施設への入院・入所手続き、身分保証や財産管理、物品購入、介護保険手続き、更には死後の葬儀、納骨、遺品整理などに困っており、最終的に病院、施設、行政(自治体)がそれなりのケアをせざるを得ないのが実態であるとのことです。  その実際の担い手になるのが、自治体職員や医療ソーシャルワーカー、ケアマネジャーですが、特にケアマネジ

        立ちまわる人

          天文台のコスパと「義務教育学校」

           東京の三鷹市に日本の天文学研究の拠点である国立天文台があります。  正式には大学共同利用機関法人 自然科学研究機構という文科省所管の組織であり、大学院大学の機能も持っています。  元々は麻布台(旧飯倉)にあった東京大学附属の研究所がちょうど100年前の1924年に移転開所したとのことです。  移転時はまだ三鷹の地が未開発だったので天文台は広大な敷地内にあり、敷地には多くの樹木が育つ自然豊かな環境となっています。  その地で今、ある開発計画が進みつつあります。発端は国立大学で

          天文台のコスパと「義務教育学校」

          ハローワーク職員の非正規化

           本日の新聞にハローワークが就労支援の強化(特に職探しが困難な人たちへの長期支援)のために正規職員を増やすという記事が載っていました。  私にとってこれは少し虚をつかれたというか、意外性のある情報でした。  公務員に非正規雇用が増えた(自治体職員の約4割)ということは認知していましたが、ハローワークでも非正規職員比率が6割を超しているというのは、雇用行政の拠点のイメージからかなり意外に感じました。  概要は失業手当の給付など、「行政権の行使にあたる」業務は正規職員が担当する必

          ハローワーク職員の非正規化

          図書館にて思う。

           この頃週一回程度ですが、少し離れた図書館(近隣の図書館より蔵書、設備が充実)に片道小一時間ほどかけてウォーキングがてら通っています。  私の興味あるジャンルの本も充実しており重宝しておりますが、そこで思うことが二点あります。  一つは著作権というか著作者報酬(印税)のことなのですが、利用者の立場で言うと図書館は無償で本が読めるので有難いのですが、一冊の本を皆んなで読むと著作者には図書館が購入した一冊分の印税しか払われません。  小説にしろ、学術文献にしろ、ドキュメンタリーに

          図書館にて思う。

          ファストファッション罰則法

           報道によりますと、フランス国民議会(下院)はファストファッション広告の禁止や低価格の輸入衣料品に対して罰金を科す法案を全会一致で可決したとのことで、今後上院で採決され可決施行されると、2025年から1点あたり5ユーロ(約813円)の罰金が科され、30年までに段階的に10ユーロ(約1,630円)まで引き上げられるとのことです。 ※罰金は1点あたり最大半額まで  納付された罰金は持続可能な衣料品ブランドの支援等に充てられるとのことで、EC事業者に焦点が当てられており、フランス国

          ファストファッション罰則法

          市民の政治参加

           昨日、駒沢オリンピック公園で開かれた民主主義ユースフェスティバルをぷらっと覗いてきました。(3/23.24開催)  偶然知って出掛けてみたのですが、日本では政治や社会課題について気軽に話せる場が少なく、特に政治家と対話する文化がないと感じている有志(?)が北欧で行われている選挙小屋(選挙前に各駅前に設置される政党のブース)やデモクラシーフェスティバル(年に一回数日間にわたってみんなで社会課題について議論するお祭り)を参考に昨年から開催し、二回目の今年は世田谷区の後援も入り規

          市民の政治参加

          過干渉と境界知能

           先日 若い母親が生まれたての赤ちゃんを自宅で出産後すぐ殺してしまった事件を知りました。  概要は両親がアルバイトをしながら一人暮らしをしていた娘を、生活が荒れているために自宅に連れ戻した2ケ月後に、両親共妊娠していることに気がつかないままに娘が出産し、死体を自宅のクローゼットに放置し、その2週間後に腐敗臭から殺人及び死体遺棄が発覚したというものです。  同様の事件はこれまでも報道されていましたが、今回の事件も父親は不明で、両親を含め周囲に妊娠の事実を言い出せないために起こっ

          過干渉と境界知能

          人間の猫化

           今回の政治資金パーティ問題については、今騒がれている政倫審を含めて、資金作りそのものよりも政治家の報道後の対応や発言が、何でこんなに酷いのか、不思議というか呆れるというか、政治がここまで劣化していることに反発を超えて恐ろしさを感じます。  そんなこと昔から分かっていたことだろう。と言われる方もおりますが、本来、困っている人を助けるために権限を得ている政治家が、ここまで自己保身だけの存在になってしまっている現実に率直に驚くと共に、情けなさ、不安感を感じます。  報道からはもう

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          公共の再生

           ミュニシパリズムという言葉を初めて聞きました。地方自治体を意味する「municipality」を語源とし、政治参加を選挙による間接民主主義に限定せずに、地域に根付いた自治的な民主主義や合意形成を重視するという考え方や取り組みのことで「住民自治」とも呼べる新しい社会のあり方とのことです。  斉藤幸平さんが提唱されている「コモン」という理念と相関性が高く、ヨーロッパではドイツのベルリンやフランスのパリ、スペインのバルセロナといった大都市でムーブメントを作りつつある。とのことで、

          公共の再生

          多様な学びの現状と展望

           去る2月10日、11日、私の地元の東京都小金井市で「地方自治と子ども施策」全国自治体シンポジウム2023 小金井が開催されました。  「子ども施策の基本理念と自治体における子どもの意見の反映」が全体テーマで、自治体関係者と研究者・専門家・NPOが連携、協力して2002年から開催しているとのことで、私自身は当日所用で参加出来なかったのですが、報告資料集を入手して、特に関心のある「子どもの居場所」分科会の資料を中心に拝読しました。  同時期にNHKスペシャルの不登校特集やNPO

          多様な学びの現状と展望

          日本の民族性と民主主義

           前々から気になっていたことがあり、今般図書館で安田浩一さんの「右翼の戦後史」(2018年刊 講談社現代新書)という著書を発見して参考になったので、その内容含めてご紹介させていただきます。 ※著書自体は6年前発行なのでやや古いですが。  気になっていたのは、第二次世界大戦での敗戦から今に至るまで、また昨今の情勢では今まで以上に、日本におけるアメリカの支配力が高まっているということと、そのことが本来の日本人らしさや伝統、価値観へ及ぼす影響と、今を生きる私たちが認識する必要があ

          日本の民族性と民主主義

          東京都のフリースクール助成

           昨日の報道によると、新年度から東京都ではフリースクールに通う都内の小中学生に対して、利用料を月頭2万円助成することことを決定したとのことです。  利用料の平均額は4万5千円と言われていますので、約半額補填されることになります。  このことは学校以外のさまざまな居場所が、学校にいけない多くの子どもたち(中学生では広義で約1割)にとって必須であり、そこに社会的、財政的支援を求めてきた、私を含めた不登校当事者・関係者にとって画期的な一歩と言えますし、併せて重要な、フリースクール運

          東京都のフリースクール助成

          岩尾俊兵さん読んでみました

           岩尾俊兵さんの「世界は経営でできている」という著書(講談社現代新書)を読んでみました。 きっかけは新聞広告に新刊のベストセラー扱いで目立つように載っていて、最初はいかにものビジネスハウツー本で、著書が東大初の経営学博士とあり、何となくそんな肩書の人がいるという知識がちらっとありましたが、全く買って読む対象には思いませんでしたが、広告に私の敬愛する斉藤幸平さんのコメントが載っており、今最も興味のある新しい「共同体」について、何かしら言及されているのではと思い、あまり期待せずに

          岩尾俊兵さん読んでみました