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不登校支援の課題

 先日ある自治体の議会の一般質問を傍聴してきました。
 私が関わっている「不登校支援」についても複数の議員から質問がありました。
 表面的な質問があった一方、特別支援教室や校内別室教室、教育支援センター(旧適応指導教室)の機能強化や居場所のあり方、フリースクール等への学費補助や運営費補助などの財政支援推進、ギフテッド、ディスレクシアへの理解促進や支援策拡充、不登校全般の窓口一本化の早期実現やコンシェルジュ機能の強化、医療機関との連携強化等現場状況を踏まえた詳細な質問もありました。
 これらの質問について回答するのは教育長を含む教育関連部署の責任者でしたが、早急に対応出来ないことも多く、「良く調査して必要な対応策を検討してまいります。」的なものが多かったのは想定通りでしたが、気になったのは議員から指摘のあった点について、問題点は理解していると言いながら、私が関与してからも長い期間が経過(行政の委員会に参画して、フリースクールの実態を運営者及び利用者からヒアリングすべきと主張した際、これから進めていきたいと回答あり。)しているにも関わらず、その様な現場接点を踏まえた回答になっていないことでした。
 またそれ以上に問題視したいのは、この自治体だけのことではありませんが、この深刻な不登校問題(不登校自体が問題ではなく、当事者の児童・生徒が自信を失い、疎外感を感じて、将来的に自分らしく生き、社会的自立を果たすことへの障害となることが懸念されることが課題)の行政側の対応に当たるのが、狭義の教育関係者(主に教員、元教員)に偏っていることです。
 不登校関連の集まりでも当事者の他に支援者として参加するのは元教員の方がほとんどで、参加される方は、学校や教員の認識や対応が不登校の要因になっていることを自覚されていますが、きつい表現になってしまいますが、アンケートにおいても不登校の主要因として、教師の一方的で硬直的なコミュニケーションや言動、画一化された授業内容が上げらている通り、一般論として「教えてあげる。」という行為、態度が受け手に取って、不快感や軽蔑に結びつくことに鈍感(それを好きな教員が多い)な面を感じることがありますし、学校・教育界隈が民間から見ると狭く、画一的で変化への対応の乏しい世界と感じることがあります。
 教育長も多様な学びや社会の変化に理解は示す一方、最終的には学校改革があくまでも主である旨言及されています。
 不登校問題は学校復帰や学校改革という視点でなく、育成期の成人期での社会的自立や自己実現のための準備・育成の視点から見れば、それ自体は問題ではなく、学校を社会の一部として捉えれば、この問題の対応については教育関係者だけでなく広く、民間の社会的知見を取り入れて進めていく必要があると痛感します。
※私見として学校教育とは別のオルタナティブな選択肢の確立が現実的な解決策に近いと認識しています。
 現時点では様々な課題を教育委員会やその中に設けた対策委員会(校長・副校長、不登校支援コーディネーター🟰教員)で検討するとのことで、学校文化に違和感を感じている当事者や様々な変化への対応のノウハウを持つ民間人は排除されているようです。
 この内輪感については議員からも言及はありませんでしたが、私は対策委員会のメンバーの過半を公募を含めた民間人に移行すること。フリースクールへの財政支援や委託を推進するためにモデルとして適切な事業者を選択して、学費無償、スタッフ人件費や施設費の相応の援助をして成功事例を構築して、国を含めた財政支援の拡大を目指すことを提言したいと思います。
 具体的な風土改善、アクションを早急に実施しないといつまで経っても、「問題があるのは理解しています。」というだけで、今後ますます増加するであろう不登校生及び親御さんの苦しみに対応出来ない状況が継続してしまいますし、学校関係者の方々にとっても大変さがより増していくものと推察します。
 引き続きこの問題の社会的認知向上と行政への働きかけに努めてまいります。

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