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わたしがやらかすようになった訳
私の実家は裕福だった。大手のサラリーマンの父と社会活動に関心のある専業主婦の母、姉と私が家族構成だ。
両親は父母とも高学歴で、どちらもいわゆる旧帝大の出身だった。そして、母は学歴があるのに社会に貢献できずに、妻として母として家におさまる生活に鬱屈しているようだった。
両親はたびたび私たちの前で喧嘩をした。幼い私たちが泣いても縋っても喧嘩は終わらない。そのうち私は自分が家庭内で「少しのろまだけれど、
「やらかすワタシ」と「まともなワタシ」
人には光陰があると言われるが、そのコントラストには個人差があるだろう。
私は得てして、このコントラストがクッキリとした人間であると自覚している。
陽が沈むと女衒に早変わりする、陽の下限定の聖職者と同じなのだ。ただ、女衒と聖職者の間には薄いガラスの衝立がある。互いの姿は認識していても触れることはおろか声を聞くこともできない。
女衒と聖職は干渉し合わない。夜職のワタシ
と昼職のワタシは干渉し合わない。