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子は親を映す鏡

以前「息子と関わる上で気をつけていること」という記事を書きました。

この記事を書いた当時は(と言っても1ヶ月半前ですが)、周りの大人の態度や機嫌を赤ちゃんは敏感に察知するらしいから、気をつけようと思っていたくらいで、まだあまり実感はありませんでした。

現在、息子は四ヶ月を過ぎ、声を出して笑ったり、火の玉のように泣いたり、プラスにもマイナスにも感情表現が豊かになってきています。

そして、今になって、周りの大人が安定して、気持ちに余裕を持って、赤ちゃんと接することがいかに大事なのかをひしひしと感じています。


最近私はアドラーの教育論に凝ってしまい、何冊か本を読みました。

そこでも

親が安定し、落ち着いて子どものそばにいることが子どもにとって一番の援助になるでしょう。

『子どもをのばすアドラーの言葉 子育ての勇気』

とありました。


そもそも、どうして安定していることが赤ちゃんにとって大切なのかをより感じるようになったかというと、息子が泣いている時に私が笑顔でいたり、歌を歌ったり、踊りを踊ったりしていると、「あれ?今は楽しむべき時間なのか?」みたいな顔をしながら、息子も笑い出すのです。

赤ちゃんは泣くものとわかってはいても、泣き声を聞くと、魂が揺さぶられるというか、どうにかしてあげないといけないと思うのは自然なことだと思います。

早く泣き止ませてあげないと、早くどうして泣いているのか突き止めないと、と思うと焦りで怖い顔になっている自分に気がつきました。

そして、そう思うのは私の自然な感情なので、なかなか感じ方を変えようと思うと難しいです。
ただ、そういう時に楽しい童謡を歌ったり、変な踊りを踊ったりするのは私にとっても赤ちゃんにとっても効果覿面である、と感じています。
歌や踊りをしながら怖い顔でいるのは逆に難しいからです。


妊娠がわかって私が一番初めに読んだ本は赤ちゃんの発達に関する本でした。

基本的な感情(喜び、怒り、悲しみ、恐れなど)が出揃うまでに6、7ヶ月を要するのだそうです。
ということは、その前の感情らしきものは生理的なものであると、、、
自分自身、赤ちゃんと関わってみて「そうかぁ、生理的なものなのかぁ」とちょっと腑に落ちない部分もありますが、優秀な学者さんが6、7ヶ月というのであればそうなのでしょうと思いますし、多少個人差もあるでしょうとも思います。

とにかく、それでも私たち大人は「かまってもらえなくて寂しくて泣いていたのね」などと、赤ちゃんの行動を自分たちの常識で理解しようとします。

(乳児の「心」は)「心」の輪郭がはっきりしていない乳児のうちから「心」をもつ存在として扱われることによって作られていくものなのです。

『新 乳幼児発達心理学 もっと子どもがわかる 好きになる』


 乳児のうちは、情緒の産出や調整にかかわる神経系や運動機能が未成熟であるため、情緒の状態を調整するのに他者の手助けを必要とします。

『新 乳幼児発達心理学 もっと子どもがわかる 好きになる』

泣いている赤ちゃんを見て、まず思うのはお腹空いてる?オムツ汚れている?など不快の原因を探ることですよね。

しかし、往々にして泣いている原因がわからないということはあります。
そんな時は抱き上げて、ゆらゆらしてみたり、子守唄を歌ってみたり…

激しく泣いている時は大きくゆらゆらしたり、落ち着いてきたらゆっくりゆすり、落ち着いた声で声がけなど、私たちは自然とそうしていると思います。

私たちが自然にとっている行動には、「赤ちゃんの情緒をなぞる」という働きがあるのだそうです。

情緒をなぞってもらうことで乳児は、高まった情緒を鎮めてもらうと同時に、自身に生じている情緒がどのようなものであるのかをわかっていくのです。
 やりとりのなかで情緒を適切にコントロールしてもらう経験を積んだ乳児は、安心してさまざまな情緒を経験し、外に表すことができるようになります。そして、幼児期になると子どもは、この時期の経験を土台として、だんだんと自分の力で情緒の状態を調整できるようになっていきます。

『新 乳幼児発達心理学 もっと子どもがわかる 好きになる』

何もわからない赤ちゃん、とついつい思いがちですが、毎日の経験が将来に繋がっていくということなのですね。

また、私たちが自然ととっている行動が赤ちゃんに良い影響を与えていると思うと、嬉しくなります。
ひと昔前はよく抱き癖がつくと言いましたが、泣いているのを放っておくということは赤ちゃんにとってはもちろんのこと、大人にとっても精神的に辛いことです。
この本を読むと、論理的にそれは間違っていると気づきますし、わざわざお互いに苦しいことをしなくて良いということがわかります。


また1歳頃には、母親の反応を見て行動を変えるということも見られるようになるそうです。

赤ちゃんは見慣れないおもちゃを手に取るかどうかを母親の表情によって決めることがあるんだそう。

私は虫が苦手ですが、子どもの前で異常に怖がったりすると、子どもも怖がるべきものなんだと認識してしまうこともあるかもしれないということですね。
気をつけなくては。

アドラーの本に戻りますが、こんなエピソードが紹介されていました。

小学校に上がる前の同じ年頃の兄弟がウィーンから関西空港まで静かにしていたのを見たことがあります。飛行機の中で母親は決して大きな声を出さず、囁くような声で子供たちに話しかけ、子供たちも同じように話していました。

『子どもをのばすアドラーの言葉 子育ての勇気』

人の振り見て我が振り直せと言いますが、情緒の面でも、行動の面でも、子は親をよく見ている、ということみたいです。
身が引き締まる思いです。


妊娠がわかった時、義姉から「周りに色々な意見を持った人がいるかもしれないけど、直感を大事にしてね。」と言われました。
私は今もこれを度々思い出しますし、大事な教訓となっています。

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