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傍の下で(妄想化学遊戯Lev2)

ある日の晩、夫々の場所で2人は、創生の地で討伐の依頼を再び行っていた。

2人は空を見上げながら憂鬱そうに言う・・・

「なーーぁ、この前の依頼は、烏賊(カラスゾク)と言う依頼だったから、怪鳥の様な生き物を想像して、討伐地に来て驚いたんだが・・・」

「そうねぇ、私も、それには同意するは・・・」

「今回は、蛸(たこ)だったんで、討伐地は海を想定していたのだが・・・」

「うん、私も・・・」

「何故に、またしても、山の中なのかな~~ぁ」

「私に、聞かれてもね~~ぇ」

「ですよね~~~ぇ」

そして、2人は大きな溜息を付く。

「は~~~~~~~~~ぁ」

道探(どうたん)が隣の人物に視線を向け、指は空を差し、人差し指を上下にさせ物凄い勢いで捲し立てて喋る。それを都乃華(みやこのはな)が両耳を人差し指で塞いで聞く。

「なーーーーぁ、なーーーーーーーーーぁ、何であんな所に、蛸が居るんだよッ、なぁ、なぁ、いや〝凧〟だから、って言うんじゃないぞッ、それに、あんな高い所の獲物を、どーーーーーーーーーーーーーぉ、やって討伐するんですか、ねーーーーぇ、ねーーーーーーーーぇ、教えて下さいよ、ねーーーーーぇ、教えて下さいッ」

「ッう、五月蝿いわねーーーぇ、ちょっとーーぉ、怒りたいのは解るけど、落着きなさいよッ、私だって怒りたいんだから、それに前にも行ったけど、私に聞かれても困るって言ってるでしょッ、ッたくもーーぉ、勘弁してよッ、・・・・・にしても、気持ち良さそーーぉに、凧になって飛んでるわねーーーぇ」

道探は、華の最後の台詞に先程の勢いではなくしおらしく喋る。

「そこは、感心しないで下さい・・・、余りにも気持ち良さげに飛んでるんで、私目は、少し哀愁(あいしゅう)を感じてます・・・」

「・・・本当(ほんと)ね・・・・・・」

「・・・・・・では、戻るか・・・」

道探は、一緒に帰るぞと言う台詞を言うと、くるりと背を向け立ち去ろうとして華は、慌てて道探の襟首を掴まえて帰り支度を阻止する。

「えッ、ちょ、ちょっと、待ちなさいよ、このぉ」

「ぐぅへぇ」

「何で、そうなるのよぉ」

道探は、空を指差し駄々を捏(こ)ねる。

「だって、あれ、どーーーーーーーぉ、やって、討伐するんですか、ねーーーぇ、それに、可哀想じゃない、だから帰る」

「・・・いや、だからって、駄目でしょうが、依頼はどーーーぉすんのよッ」

「別に良いです、罰則(ペナ)覚悟で退場致します。はい」

「いや、いや、それは困ります、本当に、私が困ります、お願いだから、罰則(ペナ)だけは、イヤよ、絶対イヤよ」

空を指差し優しい口調で喋る道探、それに華は、言葉が詰まり、もじもじとした仕草と喋りで異を唱える。

「・・・・・・・・・では、お聞きしますが・・・、あーーーーんなに優雅に気持ち良さげに空を飛んでいる蛸さんを、あなたは、落せますか?」

「・・ッう・・・、そ、それは~~~ぁ、そうなんだけど・・・ねぇ、やっぱり~~~ぃ、罰則(ペナ)は、イヤかな~~~ぁ、罰則(ペナ)は・・・」

そして、2人して又しても大きな溜息を吐く・・・。

「は~~~~~~~~~~~~~~~~~ぁ」

暫しの沈黙の後、道探が叫ぶ。

「あああああああああああああああああああああああああああああ、もおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお、いやだああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

すると優雅に飛んでいた蛸がゆらりゆらりと降りて来た。

「・・・ん、!!」

「・・・・・・降りて来てるねぇ」

「・・・そうみたいです」

「・・何か、デジャヴュってるの私目だけぇ」

「左に、同じです」

道探の右側に居る華に答える。

「・・・まるで、道探が叫ぶと、獲物が遣って来るみたい。呼ばれて、飛び出て、ジャジャ、ジャ~~ン・・・ってか」

「おーーーぉ、私目(わたくしめ)に、その様な特殊能力が有ったとは、知らなんだ・・・」

そうこうしている内に、蛸がゆらゆらと、2人の前に降り立った。しかし蛸は、薄っぺらいままだった。

「・・・・・・えっと、降りて来てくれたのは、有り難いのですが・・・ぁ。どうしましょッ」

「・・・そ、そうねぇ、やっぱり、しとくぅ?」

「・・・・・ちょっと、台詞が恥ずかしいんですが、アレですか、例の、アレ」

言われて気付いた華は、赤面する。

「そ、そうよ、例の、アレよ、アレ、発信機」

「・・・じ~~~ゃ、御願い致します」

「はい、はい、任されよッ、・・そりゃッ・・・・・・・・・、ぷすぅ」

華は、発信機を蛸に投げ見事に命中、しかし、その瞬間、蛸が大きな音を立て、勢い良く膨らみ風圧が2人を襲い、発信機も吹っ飛んだ。

ボォアン、ゴオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!

行き成りの出来事に2人は、風圧に飛ばされそうになる。

「ぬわぁ、・・・おっとととぉ、ふぬぅぬぬぬぬぅ」

「きゃッ、ちょ、、ッと、くぅのののぉ」

そして、暴風が過ぎ去り安堵する2人。

「ふーーーぅ、危ない、危ない」

「ッたくよ、もーーーぉ、今のは、本当(ほんと)に、危なかったは」

そして、蛸らしくなった獲物を前にして道探が言う。

「もう一度、お願いしても・・・」

「・・・良いけど・・、最後の一つよ・・・」

「・・・・・・えッ、そうなのぉ・・」

「うん」

「・・・じゃ、止(や)めときましょッ」

「解った」

「・・・では、砂袋(サンドバッグ)になりに、行って来ます」

「気を付けて、行って、ら~~ぁしゃ~~~い」

道探は、視線を後ろに向けて訝(いぶか)る。

「・・・・・・その喋り方止めて・・・、新婚さんを想い出しますので・・」

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