見出し画像

怖くて戻れなくなった

正社員で不適応を起こしたため、しばらく気力を回復させるために引きこもってからアルバイトを始めた。

最初は清掃。慣れてきたので1年経つか経たないかのタイミングでアルバイトを掛け持ちしようとした。

ステップアップのために接客業を選んだ。今思うと、相当自信があったのだと思う。
そしてさらに半年経とうかといったところでさらなるステップアップチャレンジ。介護に挑戦しようとした。結果は不採用だったが今思えば良かったと思う。
ちょうどその頃からまた不適応を起こしていたのだ。

どこに不適応になる要素があったのかは分からない。
しかしこう…被害妄想に陥ることが結構あった。それが真実かは分からないが、過去の失敗があまりに多い人間なので、すこし周りの態度が違うだけで「また俺なんかやっちゃったのか?」と考えてしまうクセがついてしまっていたのだ。無理もないと思うが。
そういうような小さなことが少しづつ重なって不適応という形で現れたのかもしれない。
清掃の方でも上手くいっていなかったと思う。
いや、自分としてはしっかり頑張ってこなしていたつもりだったのだが、どうもミスや行き届いていない箇所が所々あるようで、指摘されていた。それもケアレスミスだ。バイト3日目の新人がやるようなミスをちょくちょくやらかすのだ。そしてそれが一向に改善されない。

周りの自分に対する態度というか、扱いも、自分だけ不穏だ。これも不適応の原因だろう。しかしこれらの解釈が被害妄想なのか事実なのか、僕には分からない。

1年と半分が過ぎたところでなんだか体が重くなっていて、視界もグレーになっていた。そして希死念慮があったと思う(書いていて思い出てきた。あの頃は今考えるとヤバかった)。

たしかあれは年末だった。たまらず精神科に駆け込んだ。行動認知療法を受けたかったが心理士さんが居ないとかなんだかの理由で断られた。藁にもすがる思いで専門家に尋ねたのに、とてつもない肩透かしを食らったのがショックだった。

一応、頓服薬は貰ったので、飲んだが効果がない。胃がムカムカするくらいだ。

そして幸運なのだか不運なのだか分からないのだが、店が閉まることになった。
おわりのないマラソンをしている気分だったので、とりあえずは安心できた。

しかしあと僅かだというのに精神は落ち着かない。
それどころか、なんだかやたらイライラする。
正社員を辞めた直後もかなり精神が荒んでいた。不適応症状だろう。物に当たるようになるのだ。正社員の時は新品のスイッチを購入当日に壊した。それも2台。1台買って壊して、もう1台買ってきて壊した。

その衝動に駆られることが度々あった。
発散のため、よく親に電話をしていたことを記憶している。

その時は携帯に向かった。
見事携帯は壊れた。

今思えば病気だったと思う。
ちなみに今はそのような症状は一切無いので、やはり適応障害だったのだろうと思う。希死念慮もひどかった。

仕事は清掃だけになったのだが、まだ不適応症状は治らない。
役に立てている実感もなく、鼻つまみものとして不平等に扱われている感覚。
ちなみに正社員をしていた会社では、大抵の人から要領の悪い認定をされていた。精神科に受診したキッカケも、周囲からの発達障害疑惑をかけられたことがきっかけだった。

そして1年半くらい続けた清掃は、どこかのタイミングで(覚えていないが)「あ、もういいや。やめよう」となり、仕事から帰ってきたあとに上司へ退職の旨を伝えた。

その後はあっさり辞めることができたが、最後まで不適応症状は治らず、LINE公式アカウント《生きづらびっと》に登録したりしていた。

残念ながら辞めたことを後悔したことはない。

もうやりたくない。

今、働いていた同じ飲食店の店舗で働けるかといったら働けない。
なぜだかは分からないが、怖い。怖くて働けない
以前はこんな怖くなかったのに。何が僕を変えたんだろうか。介護だってもう応募しようとは思わない。思えない。

働けば働くほど自分が無能であるという事実が刷り込まれていくからだろうか。

「頑張ろう、頑張って社会復帰しよう。ステップアップしていこう。ゆくゆくは社員にもどれるかもしれないぞ」
という思いで頑張っていたはずが、気付いたら心が荒んでいた。気付いたら死に場所を探していた。気付いたら携帯を壊していた。

ああいう精神状態になるのが怖いのかもしれない。
無意識にプレッシャーやストレスを抱えていたのか、背伸びをしていたのか、分からない。不適応を起こしていたのは確実だろうが。

甘えなのだろうか。
言い訳なのだろうか。
心が弱いだけなのだろうか。

分からない。

ただ自分は社会不適合者であることは間違いない

社会復帰が怖い。
タウンワークをマックスバリュからかっぱらってきて、積極的に丸を付けていた自分はもういない。タウンワークを見る気にもなれない。
介護の求人サイトを見て、片っ端から応募しようとする自分もいない。

清掃も、飲食店も、介護も怖い。挑戦が怖い

軽度知的障害の判定を受けた時、勉強をしていなかったから、知能の数値が低く出たんだと思っていた。

だって普通に話せるから。
それまでの軽度知的障害というイメージは、会話もおぼつかない感じだったので、受け入れられなかった。発達障害だとおもっていたのだ。

だけど正社員への不適応、ハードルを下げたアルバイトへの不適応を経て、やっぱり自分は言語性IQが高いだけの、れっきとした知的障害者なんだとうことを悟った。

しかし自分の感覚では、言語性IQもそこまで高いものではないと思っている。たしかに自分の全体的なステータスでは高い方だろうが、他人との相対評価ならば低い。自分で喋っていても、頭がこんがらがって何を喋っているか分からなくなるからだ。頭の回転自体も遅く、返答が遅れがちで、あまり的確な返しはできないという自覚症状がある。喋りながら仕事をするとすぐキャパがいっぱいいっぱいになって、支離滅裂な発言になりがちだ。説明も下手だと思う。

しかしまあ発達障害も知的障害も似たようなものだ。
発達障害は部分的な知的障害なのだから。全体のステータスをならせば高いが、出ているところと抜けているところが極端という症状。
知的障害は全体のステータス自体が低い。
僕の場合は極端に低いステータス分野は無いが、全体的に低いため、結構早い段階で気づかれる。
境界知能という知的障害になるかならないかぐらいの人はある程度気づかれにくい。
それでも最終的にはみんな鬱などの二次障害を発症する。時間の問題だ。

今は精神が安定している。嫌悪刺激となるものがないうえに、行動しても成功体験が得られないため、現状維持がベストな選択肢だと脳が学習してしまっているのだろう。

またチャレンジしたいと思える時がくるのだろうか。
少なくとも現状は、「どう頑張っても無駄だな」としか思えていない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?