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エッセイ

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2019年9月の記事一覧

深夜。あなたは今日を振り返り、また新しい朝だね。

いいタイトルだ。

深夜あなたは今日を振り返りまた新しい朝だね

深夜。あなたは今日を振り返り、また新しい朝だね。

句読点が打たれることでそこに時間が生まれる。

これはnegiccoのKaedeのソロデビューアルバムのタイトルだ。

そしてジャケットがすばらしい。

水平線の置かれている位置がすばらしい。

その上に置かれるタイトルの配置がすばらしい。

そして音楽を聞く。

心地よく聞き流せ

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目線とことば

 母に怒られるとき、私は「なぜ」という問いをよく発した。憎たらしいガキであるが、理由もなしに怒られるのは納得がいかない。すると、母は「そういうものだから」と答えた。当然、私は納得できない。怒りとは自分から発せられているのではないのか。「そういうもの」ということばは世間体があって始めて成立することばである。原因を自分に辿れない怒りというものがあることを知る。同時に、「怒る」と「叱る」とは随分違うこと

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肯定はカウンターカルチャーだ!

ちいさな居酒屋で働いている。

仕込み中かけているラジオから流れてきたカネコアヤノの歌声やそのことばに魅了された。

それはその番組にゲストで出てきた時のことで、まだラジオに慣れていないのか少し緊張していた。

二回目のゲストのとき、パーソナリティと交流があったのか、前よりも打ち解けた様子で、自分の話をとつとつと語っていた。

それから昨日三回目のゲスト出演。彼女は自信を持って話している気がした。

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名前を変えようかしら

最初、漢字でやっていたのだけれど、キャッチーじゃないなと思って、タナカシュンタロウにした。でもこないだ、人に名乗る時なげーし覚えにくいなと思って、酔った勢いでタナタナタナタナにした。なんかわけわからんし、結構気に入ってるんだけど、どうだろう。すぐ戻すかもしんないけど。

酔いがさめて見ると、少し恥ずかしい。タナカカナタはどうだ。逆から読んでもタナカカナタだぞ、どうだ。一層、全部削って「タ」にしてし

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未来の話

ぼくらはいつからか未来を想像しなくなった。新しいSFはもう久しく生まれていない。1999年も2001年も2003年も、もう昔。恐怖の大王はやって来なくて、宇宙の旅はまだまだ(そういう話じゃないか)、アトムは生まれなかった。2112年はまだ先だけど、引き出しから誰も出てこないのだから、きっと。

ぼくらは今SFだった未来を生きている。電子レンジなんて最高にSFチックだ。遠赤外線で自動的に調理するなん

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楽曲の振り幅はナイル川

台風の日、ライブ後に帰れなくなってしまう人の為にレンタルスペースを借りて用意してくれる人を俺は聞いたことがない。それを自然に当たり前に発想して実行してしまう、そういうところにまた大きな魅力を感じる。

エッセイを書こうとするとすぐ眉村さんの話をしたくなってしまう。

「ちちゃんの楽曲の振り幅はナイル川」って歌詞が宇宙に行った副作用って曲の中にあって、そういうプレイリストです。ちちゃんってのは眉村ち

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カラオケに行った(2)

エレカシと言えば奴隷天国をよく歌う。室外で騒いでるマナーの悪いグループがいた時、奴隷天国を歌ったら、一気に静かになった。面白かった。

カラオケにはいつも救われている。

高校生の頃、最初の一年間俺は誰とも言葉を交わさなかった。声を出していなかった。急に授業中さされると、声の出し方がわからなくて焦ったりした。そんな俺にカラオケの誘いがあった。今思うとなんで誘われたのか、よくわからないけどついてった

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カラオケに行った(1)

今日私は節操のない格好をしている。

下は眉村ちあきのステテコ、シャツはスーパーオーガニズム、バッグはaiko。

全部好きなんだから仕様がない。

仕事終わりにカラオケに行った。久しぶりのひとりカラオケ。眉村ちあきの曲を歌いまくる。
外に出てみると、空が広い。狭い空間から出た後だから、心もカラオケ前より明るくなったから、月が小さかったから、雲が見当たらなかったから。考えれば理由を並べられるけど、

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鉄腕アトム。

肯定することが大事だと思っていた。何か否定的なことがあってもそれを肯定的な形に変えて表現するところまで突きつめてから表現することが大事だと思っていた。基本的にその思いは今でも変わらない。

でも少し不安に思うことがある。

例えば鉄腕アトムや宇宙戦艦ヤマトやは、否定的な悲しく辛く自己嫌悪に陥るような記憶を、希望へと変換したのだと思う。原子力発電が賛成されたのは、原子力をネガティブなイメージからポジ

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誰かを否定したり自分を卑下したりしないお笑い

 以前、「誰かを否定したり自分を卑下したりしないお笑い」という再生リストを作った。今でもたまに更新している。

 (ホントは、佐久間一行の井戸のオバケ(R-1でやってたやつ)とか、ハナコの犬のやつとか、千鳥の医者のやつとか入れたい。)

 何か最近は、かが屋が流行ってきて、この視点が普通になってきた気がする。でも改めて、前プレイリストを作った気持ちを思い出しつつ、それについて書いてみる。

 「お

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