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何度でも読み返したいnote1

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何度でも読み返したいnoteの備忘録です。 100作品たまったので、何度でも読み返したいnote2を作りました。
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2021年11月の記事一覧

確か60デニールくらいの左足だった

一定数の人々の気分から波は消えないみたいだ。 彼らのバイオリズムからくる理不尽なあれこれというものは、それなりに起こる。 波を被って、ここ3週間ほどふまじめだった。 どんな風にかというと、12時まで起きていて本を開いちゃうとか、久しぶりにテレビを観たとか。いつもよりちょこっと遅く家を出たとか。 ところが置かれた状況は変わらなかった。 そして驚くことに、わたしのやってることも、全く変わっていなかった。家での過ごし方をマイナーチェンジしようとも、職場に行けば至って通常運転だっ

断食を早々に諦めて気付いた小さな幸せたち

数日後に健康診断を控えていた。 健康診断があると思うといい大人なのに少しそわそわする。引っかかった事がある訳ではないので病気を気にしている訳ではない。気になるのは体重だ。やはり書類となって1年間残るわけだし、せっかくならば去年よりは軽くなっていたいという願望もある。 私は来週に健康診断を控えた金曜日の朝、夫に告げた。 「この週末、断食する」 断食1日目の朝。 いつもなら朝はあまりお腹が空かないのに、何故か腹ペコだ。おじやならいいだろうと、卵のおじやを作って食べた。早

29)祖父に作るマグロ漬け丼

祖父は短気で頑固で寡黙な元漁師だった。 身長も高く、骨太な体格、彫り深い顔立ち。見た目でいうと……そう! ドナルド・トランプ元大統領にそっくりだ。 当時ニュースで『アメリカファースト』と指を立て、まくし立てる感じなんか祖父そのものだ。威圧的で圧倒的な感じ、全てが祖父だった。 私はそんな祖父が昔から苦手だった。 祖父母の家に泊まりに行っても極力祖父とは同じ空間にいないようにしていた。話す言葉も必要最低限。怒られるのが怖いので祖父の前ではいい子を演じていたように感じる。 それは

やっぱり無理だった。抱えきれなかった。

無理が祟った。 最近私の心配性が悪化している。 今までずっと自分の将来に不安を抱えていた。 でも今は親の健康が気になって…心配で仕方ない。 私の母は今年67歳。 母の母、私の祖母はこの歳で亡くなった。 私は祖母が亡くなった後生まれた。 だから会ったことがない。 そして母が母を亡くした歳が今年の私の年齢なのだ。 厄年にビビり過ぎていると言われればそれまでだけど、そんな母の過去が頭から離れない。 何かあったらどうしよう。 そんな矢先、母が少し体調不良を訴え出した。 すぐ

カーシェアを借りただけで知らん寺に着いた

深夜2時をまわった。 本来なら、23時には床に就けるはずだった。無印良品で手に入れて、替えたばかりの「あたたかファイバーベロアボックスシーツ」に冷え性の手足を包んで、良い夢を見ているはずだった。 なぜ深夜2時をまわったのか。わたしがさっきまで、京都の山奥の名前すらわからん寺にいたからである。 今日は弟が京都の自宅へ来ることになっていた。 わたしは夜まで仕事があったので、その間に母が例のボルボに弟を積載して、神戸から京都までドナドナしてくれるはずだった。 しかし、早朝

月光価千金(焼きリンゴ)|酒と肴 その四十四

ちょっと量を飲んだ夜、喉の渇きで目覚めるのは何故だかいつも丑三つ時。不思議なもので尿意は2回までスルーできますが、渇きはどうにも我慢が利きません。眠る家人を起こさぬよう、そっと布団から抜け出します。 しんとした真夜中の台所、冷蔵庫のドアから漏れる光に優しさを覚えます。人でも言葉でもなく、機械に心を温められる。それも冷やすことを目的とした装置にというのは、心の置き場が妙な具合いです。 さて肝心の渇いた喉ですが、光の中にポカリが浮かべば僥倖で、炭酸水が冷えていたら重畳、無けれ

秋の終わりに、一人で歩く大学生。

秋の最後には雨が降る。誰が言ったわけでもないが、案外金言ではないだろうかと一人で少し嬉しくなりながら、夜の帰り道を一人歩く。 人に喋りたい時に限って周りに人がいないもどかしさを感じていたら、手先はいつの間にかキンと冷えていた。マフラーが欲しい、ちょっと良いやつ。カシミヤのマフラー、響きが高級。あれ、カシミヤってなんだろう。ポッケにあるgoogleを開いてわざわざ調べることでもないよね。そう思いながら中学生の頃から使い続けてきたぼろぼろのマフラーが家にあることを思い出した。

とあるnoter女性の感情

たまにその人の記事を読みに行けると、心が躍るような気持ちになる。本当に疾走感や爽快感のある、綺麗な文章を書ける人なのだ。とてもエモーショナルで、まさに瑞々しい感性。使っている言葉の一つ一つが生き生きとしていてなんて素敵なんだろうと思う。 この人がnoteで一番うまいと思っているし、心から尊敬している。 憧れのnoterさんがいる。といっても、その人のことを現在私はフォローしていない。距離が近すぎると羨ましすぎて何だか苦しくなってしまうのだ。これは嫉妬という感情なのか、自分

短編小説「1000年目の笑顔」(読了時間8分)「才の祭」参加作品

 その年のクリスマス、サンタクロースからプレゼントをもらった子供はいなかった。世界中で、たったの一人も。それは1000年以上にもなるサンタクロースの歴史の中で初めてのことだった。 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ 「テレビの取材…ですか?」 「あぁ」  妻の問いかけに、サンタクロースは介護ベッドに横たわったまま応えた。  その体に昔のような恰幅の良さはなく、細い体に無数の皺が刻まれている。クリスマスイブの夜には、腹の部分にタオルを詰め込み、昔と同じ赤い衣装でプ

ぶどう

 きょうの夜に動物番組を観ていたら、猿の赤ちゃんがぶどうが好物らしく、どのぶどうが一番好きか利き酒ならぬ利きぶどうをしていた。どのぶどうも好きなようでおいしそうに食べていた。  そういえば、ぶどうで母が何気なく話していた会話を不意に思い出した。  帰省したときに車に乗せてくれた高校の頃からの友だちのお姉様から数種類の果物を頂いた。早めに食べたほうがいいよと友だちに言われたので、実家に着いてすぐに仏壇にお供えして、翌日には食べようと思って、こどもたちに食べてと勧めたけれど食べな

「ファンファーレ、ください。ホットで」

お昼ご飯は豪快に、つけ麺を食べた。 連れが「つけ麺を食べたい」と言ったので「いいよ」と答えたものの、私はつけ麺をそんなに食べたことがなかったみたい。 カウンターに出された麺とスープが別々になっているものを目の前に「これ、どうやって食べるんですか」と聞いてしまった。麺をつけ汁につけて食べるらしい。なるほど、道理で。 つけ麺はコッテリでグッときた。美味しかった。本当はビールも頼みたかったけれど、早々にお腹がいっぱいになっていたので、頼まなくてよかったとも思った。はち切れんば

ナヨナヨする?

LGBTの件は理解者が増えて良い時代になったと思うけれど、ずっと不思議に思っていることがある。体は男性だけど心は女性よりの人の多くが、ぶりっ子でオーバーアクションでナヨナヨしていることだ。いわゆる世間一般が思っているゲイバーのノリである。あれってゲイというより水商売のノリだと思うのだが、昼間の仕事にもあのノリを通している人は多いと思う。あざとさというレベルでなく、全力でぶりっ子。 職場にちょっとナヨナヨした男性がいてゲイなのかよくわからないけど、いつもオーバーアクションで、

一緒に仕事がしたいと思われる人になりたい

社会人半年、仕事における自分のキャラクターがわかりません。 自分がどうやって人に見られたいのか、どうブランディングするのが最も目指すものに近づけるのか、わからないんです。 そもそも、自分がキャリアとプライベートのライフイベントを両立するための明確な目標がたっていません。結婚とか出産とか自分だけではどうしようもならないことが私の人生においては大事だから、そうなってくると仕事ばかりしているわけにはいかないなとも思ってしまいます。 ロールモデルを見つけることが大事なのかもしれ