見出し画像

オフショア開発先としてベトナムが優れていること

ソフトウェアのオフショア先として、東南アジア諸国が注目を集めています。
オフショア先を選ぶ上で、人件費、IT技術、新日か謙日か、今後の発展など、検討に必要な要素は様々です。
私はベトナムでオフショア事業を行なっておりますので、ベトナムがオフショア先として優れている点を挙げていきます。

1.ITエンジニアの人件費

オフショアを行う第一の理由は、当然人件費が挙げられます。東南アジア諸国の人件費は年々増加をしていますが、日本に比べればまだまだ賃金は安く抑えられます。

日本のITエンジニアの発注単価は1人月90万~が相場ですが、ベトナムの企業にオフショアを依頼した場合、発注単価は25万~30万円程度となります。

ベトナム人のITエンジニアの一人当たりの給料は、一般的なエンジニアで$500~900、マネージャレベルになると$1300~$2000程度となります。

オフショアを依頼する場合、ラボ型契約か請負契約のどちらかになりますが、それぞれに特徴があり、掛かる費用も変わってきます。

ラボ型契約

準委任契約(SES)と同様の契約で、作業場所がオフショア先の拠点になります。
ラボとして人材を長期間確保することで、仕様やノウハウを蓄積できます。
納期、品質の担保責任は委託側にある為、日本側でマネージメント、受け入れ試験の要員を用意する必要があります。
以下のようなプロジェクトに向いています。
・長期間続くプロジェクト
・仕事量が一定しているプロジェクト
・仕様が明確に固まっていない場合
・製造、単体テストのみをオフショアに出せるプロジェクト
・エンハンス開発
・R&D開発

請負契約

日本における請負開発と同様。ベンダ企業に、仕事の完了までを依頼します。
開発ベンダ側にプロジェクトを完遂できる能力が必要となります。
また、リスク考慮や瑕疵担保責任が受託側に発生する為、単価はラボ型契約よりも上がります。
以下のようなプロジェクトに向いています。
・仕様が明確なプロジェクト
・短期の発注のみの場合

2.ITエンジニアの技術力

日本のオフショア開発の歴史は1980年頃に海外進出した企業が主に中国で行ったのが始まりです。
その為、中国企業の技術力は高く、品質の評価も高いです。
一方ベトナムは、中国の価格沸騰に伴い、第2のオフショア先として2006年頃から始まりました。
2012年頃には多くのベトナム企業が日本向け市場向けのオフショア開発として立ち上がっています。
ベトナム政府のIT人材育成支援策もあり、ITを勉強する学生がここ数年で増加していますが、まだまだベトナムの中小企業の技術力、管理能力は日本ほどのノウハウがありません。

つまり、エンジニアは沢山いますし、これからも若手の人材が多く確保することができますが、マネージャレベルの人材はまだ経験が不足しており、プロジェクトの管理やメンバ育成は日本のマネージャほどではないのが、実態です。

4.日本語コミュニケーション

近年では、日本とベトナムは友好的なビジネスパートナーとして日系企業の進出が著しく増加しています。
そんな中、日本とベトナムの経済強化が図られ、2016年には小学校で教える第一外国語が日本語になりました。実際に、日本語を勉強している人も非常に多いです。

日本に来ているベトナム人の数は2018年時点で約33万人。国別では中国、韓国に次いで3番目に多いです。
日本語を勉強することで、ビジネスに活かすチャンスが多くあるので、日本語はとても人気があります。

日本向けのオフショアを行っているベトナム企業では、日本語を話せる優秀なマネージャやブリッジSEをそろえています。
オフショアの共通言語が英語ではなく、日本語で通じるのはベトナムくらいではないでしょうか。

第一外国語が本当に日本語でいいのか?と疑問に思いますが、日本語を勉強して、多くの人が日本に行くことこで、日本の文化や働き方を理解してくれるのは日本人にとってはありがたい話ですね。

5.その他のベトナムオフショアのメリット

・親日国であること
・日本から飛行機で5時間ほどで到着する。時差もたったの2時間
・治安が比較的いい
・まだ社会が成熟していない為、日本に比べて不便は多いが、チャンスは沢山ある

まとめ

ベトナムは日本に比べて、人件費が安く、低単価で開発が行えます。
それでも技術力は日本のIT技術者に匹敵するメンバもいます。
ただしマネージャレベルの成長がまだ遅れている為、日本側でプロジェクトのコントロールや品質保証を行う必要がありますので、ベトナムだけではなく日本の要員のコストを考慮してプロジェクトを構築する必要があります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?