【ライブ感想文】 スガシカオ「INNOCENT」TOUR @LINE CUBE SHIBUYA
今年も行ってきました、スガシカオのライブ！！
「INNOCENT」TOUR
去年の、スガシカオ25周年ツアー「大感謝祭2022」で、発売が発表された新譜「INNOCENT」
このCD自体は2023年のはじめにリリースされていたのだけれど、このアルバムタイトルを冠したツアーが始まる！
去年のライブはすごく感動して、友達に「最高だった」と話しまくったことで、今年は友達含め4人で参加。
うちひとりは、去年のライブも付き合ってくれていたのでスガシカオ沼に着実と浸からせつつあるんだけれど、残りの二人は、ようやく沼の入り口に来てくれたところ。
とりあえず、「INNOCENT」聞いといてっていうのと
他の曲もこのへんを……というオススメ集を作って迎えた当日。
ライブ後、時間あるからちょっと飲んで帰ろうよっていう話になって
（そういうテンションにならないライブだってMCで言っていたけれど、時間があれば飲みたいものだし、ちょっといろいろ話したかった）
渋谷から代々木公園を抜けて明治神宮前に着いたんだけど
同日、代々木公園ではユーミンのライブ
居酒屋の入り口には「松任谷由実、流れています♪」の貼り紙
いやまあ、ユーミンは最高だってみんな知ってたからその居酒屋に入ったんだけど、BGMと呼べない音量と、鳴り響く低音のユーミン。
わたし、ユーミンもかなり聞いて育ったんだけど、こんなに低音鳴り響くことある？？ 最近のCD買ってないけど、近年のベスト盤ってこんな感じなの？？
とにかく「無視できない音量で鳴り響くユーミン」のせいで、すっかりライブのことなど忘れて飲み会を始めてしまうわたしたち（ユーミンは悪くない。たぶん、スピーカーの設定の問題であり、ユーミンはやっぱり最高だった）
しかし！！
君たちに伝えたいことがあったっんだ！！
これが、わたしの愛したスガシカオである！！
君たちの隣でこんなことを思いながら聞いていた。
これは、11月15日 LINE CUBE SHIBUYA（旧渋谷公会堂）へ一緒に行ってくれた友へ捧げる。
ライブの感想文ではなく、「この曲のこんなとこ好きなんだ！」って、友達に言いたかったっていう話です。
１．甘い果実
2022年の大感謝祭、1曲めは確か「午後のパレード」だった。
2019年のリリースツアーは、アルバムタイトルであり1曲目の「労働なんかしないで光合成だけで生きたい」
今回の「INNOCENT」でいうならば、1曲めの「バニラ」から始まるのが妥当、と思っていたのだけれど
違う、このねちっこいイントロ
知ってる。
知ってるけど最近聞いてない。
ああ、これは
これはずいぶん昔の曲……って思ったら、1999年のリリースだった。
一応、ベスト盤聞いといてって言ったけど、これ大丈夫か？？
これでテンション上がるのか？？
君たち、帰りたくなっていないか？？
いや、わたしは好きなんだけど。
「テレビの音って君はいってるけど」とか、すごい好きなんだけど
友人たちは大丈夫だろうか。
1曲め、わたしは両隣の友人の顔色を伺って不安になっていた。
２．おれ、やっぱ月に帰るわ
友達にスガシカオを勧めるにあたって、もう一度聞き直したとき
どうしてその質感と狂気に魅了されたアルバムがある。
メジャー復帰時にリリースした「THE LAST」
名曲揃いのアルバムだけれど、どうしても耳に残る曲というか
タイトルからやられた、タイトルからスガシカオ
おれ、やっぱ明日 月に帰るわ
ビルの屋上から
おれ、なんかちょっと
居場所もないし
いろいろごめんね
人生って結構ままならないし、
スガシカオでいえば、”Progress"みたいな前向きな曲に励まされることもあるけれど
なんていうか根底の暗い部分っていうのは消えないというか
みんなそれぞれの方法で同居をしている。
わたしの場合はいつも、
ビルの屋上から十五夜の晩に、自転車を借りて月に帰ろうとしている男のことを思い出して
まあいっか、こいつよりマシだ。と思って救われてる。
３．バニラ
イントロが鳴った瞬間、空気がぎゅんと変わった
「INNOCENT」のはじまり、”バニラ”
タイトルはかわいいけど18禁といっても過言ではないというか、音楽にも18禁ってあるのかな
MV貼るけど、
スガシカオか18禁か、どっちかが好きなひと以外は見ないでください。
わたしはスガシカオ好きだけど、痛い表現が苦手なので、MV最後まで見てないです！！！
４．痛いよ
バニラの醸し出すねっとりとした空気を吹き飛ばすように、”痛いよ”
イヤホンからは誰かの歌声
私を励ましてるの？
でもそんな歌はもう聴きたくないの
無駄ね
めんどくさい人でしょう？
誰も助けてくれない
ずっと痛いよ
あなたも もういないしね
傷跡を爽やかに歌い飛ばす。
こういうこと言われると、「スガシカオがわたしの言いたいことぜんぶ言ってンだよなあ」って思う。
2022年のツアーのとき「INNOCENTは、濃い曲ばかりになってしまった」って話てたけど、その通りだ。痛い。
でも、「痛いの飛んでけ」で解決しないから、わたしはスガシカオが好きなんだと思う。
５．あなたひとりだけ 幸せになることは許されないのよ
これも、「THE LAST」より
めちゃくちゃ聞いた1曲！！
すごいムカつくときにね「あなたひとりだけ 幸せになることは許されないのよ」って歌ってくれて、すんごいスッキリしたんだよね。
基本的には、誰かの幸せ（別れた相手とか、ムカつくやつでも）を願うことって美徳とされてるじゃん？
でも、いいのよ。
最後まで呪っていれば。
これ、記憶が正しければ彼氏にフラれたときに聞いてたわ。
呪いながら。
好きになるより、嫌いになるほうが難しい
そんで、この歌詞に救われちゃったりするの。バカみたい。
でも、「あなたひとりだけ幸せになることは許さない」っていうのは
「自分も幸せになる意地」とも取れるからね
わたしは救いだと思う。
希望、魔法、呪いって、すごい似てる。
この曲ですけど、CLAMP（xxx HOLiC）とコラボしてます！！
スガシカオって、CLAMP先生とコラボしてるんですよ。
どうかそのことを忘れないでいただきたい。
僕らが大好きな、ホリックとかツバサとか、カードキャプターさくらとかレイアースとか、
そのことを、友に伝えたかった…
６．夕立ち
これも懐かしい曲、”夕立ち”
ふいに 君がくちずさむ
ぼくはきいている
ききおぼえのないメロディー
もう 消えてしまうくらい
ちいさな声で
やがて 途切れてしまう
なんかいろいろ言ったけど
やっぱり好きじゃんとか、優しいじゃんって思っちゃう。
熱気を一度冷ましてくれるみたいな夕立ちで、このあとはMCへ
７．海賊と黒い海
これも、「THE LAST」から
君が笑顔に戻れる地図なら
海賊からぼくが取り戻すよ
さっきまで、チャリで月へ帰ろうとしていた人物と同じとは思えない暖かさ
でも、そういうやさしい人だからこそ、たまには月に帰ったりしたくなっちゃうのが人生で、人間なんだよなあ。
この、尾を引くような温かい音に何度も救われたなあ。
ライブで聞けてよかった1曲。
８．灯火
包まれるように、漂うようなイントロが心地の良い”灯火”
INNOCENTの良心
９．さよならサンセット
畳み掛けるように、”さよならサンセット”
スガシカオが切り裂く、別れの物語
先週 君の、バースデーパーティー
みんなでしたよ
こんな暖かくて寂しい物語が、他にあるだろうか。
長く生きれば生きるほど、別れの数は増えてゆくだろうけれど
わたしのことはどうか、さよならサンセットで見送って欲しい。
わたしもきっとそうする。
明日からまた
君がいない日々を それぞれいくよ
↑の動画は、2022年のライブから
急にスクリーン出てきて、新曲やりはじめてびっくりした。
やっぱり今でも、ちょっと泣けちゃうな
１０．アストライド
今日、聞きたい曲があるとしたら
それを1曲挙げるとしたら、これだった。
何度だって やり直せばいい
何度だって 恥ずかしくはないよ
ぼくが思う世界へ
まずぼくが歩き出すんだ
スガシカオといえば、やっぱり「Progress」っていうイメージがまだあると思う。
25周年を迎えたスガシカオが、
これから新しく背負う業
これもまた、一生歌い続ける曲
アストライドは、きっとそうだと思う。
また歌って欲しい。
歌詞ぜんぶ読んで欲しい。
スガシカオ興味ないって人も、1曲だけ聞くならこれ聞いて欲しい。
明日は明るいって言い切れない人の、照らした明日の物語。
１１．獣ノニオイ
MCを挟んで、「獣ノニオイ」
スガシカオって、どういうイメージがありますか？
わたしは十数年前のポッドキャストで言ってた「どんな言葉でもピンクをつけるとエロくなる」（しかし、ピンクパンサーとボニーピンクは除く）とかいう話、すごい好きなんですけど。
そういうスガシカオ
１２．覚醒
「INNOCENT」では、「さよならサンセット」「国道4号線」あたりが、「名曲」なんて言われちゃうと思うんだけど
個人的には、「覚醒」好きな曲でした。
さぁ ぼくのこの命
どうやって使おうか どうやって燃やそうか
燃料が足りないなら
わだかまりごと
燃やしてしまえばいい
もしわたしが”覚醒”することがあるならば
こんなふうに目覚めたい。って思う。
１３．ハチミツ
みなさん、きましたよ！！
スガシカオの、”ハチミツ”です！！
「INNOCENT」リリース後、アニメ（いせれべ）のエンディングテーマとしてリリースされたいま一番新しい曲
これ、アニメ見たあとに聞くと一層染みるんだけど
これは友達に伝えたいことがあって
”ハチミツとクローバー”って漫画、あるじゃないですか。
羽海野チカ先生の
わたしも敬愛してるんですが（無人島に絶対持っていく）
この漫画のタイトルは、スピッツのアルバム”ハチミツ”と
スガシカオのデビューアルバム”CLOVER”から取ったって言われているんです。
知ってましたか？？
アニメ”ハチミツとクローバー”でも、スガシカオの曲けっこう流れてたんです。
そのスガシカオがついに、”ハチミツ”を歌ったということで
同年代以上のお友達は歓喜というか、なんていうかしみじみしちゃうよね。
ハチミツをたっぷり
トーストに落とせば
ひどく憂鬱な朝も
少しはマシになるだろう
”ハチミツとクローバー”という物語は、
たっぷりとハチミツを挟んだサンドイッチを受け取って食べるシーンで終わる。
その、答え合わせを、こっちは勝手にしちゃう。
本人がどんなつもりか知らないけれど。
出会えてよかったありがとう。
あと、ライブで聞いてちょっと印象が変わった曲かな〜！
アニメエンディングでは夜空のイメージが強かったんだけど、ライブでは照明がオレンジで（ハチミツだからか、って気づいたらちょっと笑っちゃった）、客席もうんと明るくなって
少しテンポも早く感じて
エンディング曲だからさ、なんか終わりっぽいイメージだったけれど
ここからはじまるって感じがして、それがすごくワクワクした。
１４．国道４号線
これはもう、黙って聞いて欲しい。
「INNOCENT」に住むモンスター、”国道４号線”
ハチミツで一度盛り上がって、
ここできちんと落として掴んで
ああ、ライブが終わってゆくんだな。って思った曲
もし、「アストライド」を聞いて気に入ってくれたら、この曲もぜひきいて欲しい。
きれいなスガシカオ。
君は黄金の月だった
何か強い、決意を感じる曲。
１５．労働なんかしないで光合成だけで生きたい
2019年のリリースツアーでの1曲め
なにこのひと、ここからもう1回ライブ始める気なの？？
バイト休んで ソシャゲやって
ネットでからんで 寝て昼起きて
やっぱ電話して
向いてないって辞めて
思い返すと
何もない日々でどうしようもない
メジャー復帰、完全燃焼の狂気「THE LAST」の次にリリースしたアルバムの1曲め
スガシカオのアルバムで唯一、日本語タイトルがついてる。
これは新しい幕開けの曲なんだけど
こんなライブの終盤で、やっぱり幕開けだとは思うのだけれど
ライブの終盤で、こんな魅せ方もあるんだ〜〜〜って感動した。
とにかく、ワクワクしたよ。
たぶん、十五夜の夜に月に帰ろうとする人と、同じ人が書いた曲。
１６．東京ゼロメートル地帯
できればギターを抱えて上京したり、部屋の電気を止められたりしたかった、という東京出身のスガシカオが歌う”東京”
１７．はじまりの日
うわ〜〜〜懐かしい曲！
メジャーを去る直前にリリースした「FUNKASiC」から
わたしはこのアルバムをじっくり聞けなかったんだけど
いま、こうやって聞くといい曲だなっていうのと
歌ってくれてよかったな。
あとラップの部分、自分で歌っててすごいかっこよかった！！
すごい！！
１８．コノユビトマレ
ええええ〜〜〜〜〜まだ盛り上げるの？？
もうだいぶ終わり頃（こうやって曲を数えてみたら18曲目）にやってきたキラーチューン！！
”コノユビトマレ”
これはね、すごい好きな曲。
バイトに遅刻しそうになりながら、坂道を転がりながら、よく聞いてた。
一緒に走ってくれた曲。
歌ってくれてありがとう。
▼こっちのエッセイに詳細書いた
今回のセットリストは「INNOCENT」に繋がる曲って言っていたけれど
こうやって聞くと「灯火」と同じ匂いがする。
ぜんぜん違う曲なのにね
１９．Thank You
イントロを聞いて、タイトルを思い描いて、最後の曲だと思った。
”Thank You”
2022年のライブでも、これが最後だった。
2003年リリースの”SMILE”、1曲め
わたしはこれ、すごい好きな曲で
ねぇ 明日しんでしまおうかしら
もどかしいこと全てのあてつけに
君の心ゆれますか
ぼくのことで後悔してくれますか
苦しいとき、代わりにしんでくれていたというか
「おれ、やっぱ月に帰るわ」に通じるんだけど
なんていうか、わたしのほうがマシだし、というか
明日が明るくない救いっていうのが、やっぱり世の中には必要で
今より生きるのがへたくそだったとき
この曲ばっかり聞いてた。
アンコール
ここまでで19曲？？
あっというまだった！！
アンコールはエアバンドでのハロウィン（が過ぎたのでサンタ帽を被っていた）パーティー、モンスターディスコ
モンスターディスコ
上がりきったテンションで、
午後のパレード
じっくり歌詞を聞かせるというよりも、お祭り感満載なのに名曲なのが素晴らしい。
すごく影響を受けた曲。
いまでも聞くと元気になるし、泣いてても笑っちゃう。
優しいスイッチみたいな曲。
そして最後は、明るい明日へ
Progress
もうこれは、永遠の指針。
何があっても、Progressがあるから許せるというか
ぜひ聞いて欲しい。
わたしはいまでも聞く。10年前もいまも、10年後のわたしも励ましてくれる。
以上！！
楽しかった、というよりも
どっしりと濃い時間で
こんなにどっしりと濃いのに楽しませてくれるのはスゴイ。
友達も「あっというまだった」って言ってくれて嬉しかった。
2022年の大感謝ツアーがベスト盤だとしたら、
今回のアルバムは「野生のスガシカオ」だった。
野生のスガシカオが「INNOCENT」を作って
この濃くて太すぎる糸を、いまのスガシカオが編んで、どんな物語にするのか。
その答えを見られたようで、とても幸せでした。
ありがとうございます。
それじゃあみんな、スガシカオ沼でこれからも待っています。
2023年11月18日 ねる
同じツアーの、大阪講演のライブレポ拝読しました！！
これがほんとのレポート！！
熱量伝わるのでぜひ読んで欲しい
スガシカオが気になるそこのあなた！！
CD「イノセント」と
昨年の国際フォーラムのライブ（ノーカット23曲）がセットで売ってます。
ライブ映像が高画質高音質なのでぜひ見て欲しい…
2022年のライブ感想文
このライブは、▲のDVDで全編見れます！！
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その他、スガシカオのオススメ
▼狂気の名盤
迷ったらコレ
▼働きたくない同士へ
▼ベスト版ならコレ
たぶん聞いたことある曲入ってます
比較的キレイなスガシカオ。聞きやすい
スタバに行きます。500円以上のサポートで、ご希望の方には郵便でお手紙のお届けも◎