小指だけつないで
眠いなあ。
と、思う。
ほんとうに眠ってしまったり
起きれないこともたくさんある。
会社に遅刻しないのが、不思議なくらい。
昨日も眠ってしまって
少しだけ早起きをして、エッセイを書いているのだけれど。
何度も目覚ましを止めて、まくらの下に押し込んで
目覚めてからも、しばらくぼおっとしていた。
おかしいな。
昨日もはやく眠ってしまったから、今日は早く起きようと思ったのに。
どうして、目覚めのすこやかさって
睡眠時間に比例しないんだろう。
*
何日か前の夜
そんなメモを、残したところだった。
その日もやっぱり眠ってしまっていて
エッセイも書けていなくて
でも家族が帰ってきたから、一緒にゲームをやりたくて
最近はカービィの新作、「ディスカバリー」をプレイしている。
カービィは好きなんだけど、操作は苦手だから。
わたしはむかしっからーーー実家で兄と遊んでいた頃から、2P専門だった。
だから、ひとりだと先に進めない。
夜も遅く、家族が眠りにつく時間も近い。
ご褒美は、最後にとっておくタイプだ。
だから、ごはんの前に、ゲームの前に
わたしは、エッセイを片付けたい。
「いまから15分くらいで書くね」と告げて、部屋にこもった。
*
15分での書き方、っていうのもある。
それはもちろん、3000文字を1時間とか2時間かけて書くよりも、練度が低い。
たくさん時間をかけて書くものっていうのは、苦しいけど楽しい。
そのことは、よくわかっているけれど。
毎日できることじゃない。
休みの日だって寝てばかりいるのだから
エッセイのことばかり考えている時間、というのはなかなか確保できない。
生きるのがへたくそだなァ。と思う。
それでもわたしは
わたしの、ルールの中で。
守りたい部分に線を引いて
軽いおしゃべりみたいなエッセイを作る日だって
そんなに嫌いじゃない。
むかしは、家族とか、欲望を大切にすることが怖かった。ように思う。
わたしは、あなたとの時間をたくさん諦めてきた。
どうでもいい人にしてしまおう、と何度も逃げた。
そのことが途方もなく寂しく思う夜を、越えてきてしまった。
*
ときどきおしゃべりするね。
ときどき、質問をするね。
たまには、相談をするね。
それでもぜんぶ、わたしだよ。
それも、ほんとうのわたし。
わたしは怠惰な人間で、飽きっぽくて、どうしようもないひとだから。
あまり遠ざかったものを大切に思い続けることができなくて。
だからいま、書くことをどれだけ愛していても、書かずにいたらそれを忘れてしまう。
なんていう薄情なタイプだから。
毎日一生懸命じゃなくても
かろやかでも
へらっと笑ったとしても
書くこととピアノのことを忘れないように
のんびりと一緒にいたいな。
抱きしめなくていい。
小指だけ、繋いでいるみたいに。
※now playing
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