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君に伝えたい百の言葉

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あなたに伝えたい言葉が残っている。見失っても、百個積んだ先に何かがあるかもしれない。光を追う者のエッセイ集
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#生き方

寂しいだけ、のあなたへ

なくしたものを数えたけど 形が変わっただけ 呼ばれた気がして 少し寂しいだけ 「寂しいだけ」という歌詞を書いたような気がする。 と思って調べてみたら、同じ曲の中で、2度も「〜〜だけ」という表現を使っていた。 好きな言い回し、なんだと思う。 「だけ」は、 「笑」に似ている。 なんて言ったら怒られるだろうか。 「笑」のほうが、やさしい表現かもしれない。とすら思う。 「ウケる」という感情または、「怒ってないよ」とか「苦笑している」とか とにかく、自分の言葉や表現に、悪意や

日常 / 魔法

ああ、やってしまった。 二度寝、2時間経過。 時間ばっかり過ぎて、今現在もどっぷりと眠たくて驚いてしまう。 そうだ、昨晩は久々に夜更かしをしたんだ。 大学生の頃みたいに、しゃべったり食べたり、ときどき別のことをしたりしながら、自由でかろやかな時間。 朝の重たさも、まあ悪くないと思える。たまには、善いのだ。 * 世の中に、朝が得意な人とそうじゃない人がいる、というのには、上京してから気がついた。 「おはよう」と言った瞬間、今日見た夢の話を始めた彼女は、圧倒的な強者だった。ほ

もうひとりで帰れるから

痛い、と思うとき 同時に、気のせいかもしれない、と思う。 いつもそうだ。 自分の鈍感さを、信じようとしてしまう。 「ばかは風邪をひかない」みたいに この痛みもまぼろし または、耐えるに値するようなもので、気にしてはいけないのかもしれない、と。 * 「いたいのとんでけ」と、かつて言われたかもしれない。 もう、覚えていない。 「いたくないよ」と、膝を撫でられたかもしれない。 やっぱり覚えていない。 わたしがこどもだったときは、うんと短かったのだと思う。 それはませていただ

あなたの中のわたし

わたしは、すぐに見失う。 ずいぶんまぬけだと思っていたけれど、もう気づいている。 見失うのは、目的地を定めていないからだ、ということに。 わたしは、歩いている。 ふらふらと、進んでいる。 進んでいるのか戻っているのかもわからないけれど、足は動いている。 もしかしたら、泳いでいたり溺れていたりするのかもしれない。 これは、「とどまらない」という、それだけの意味でしかない。 だから、「ここはどこだろう」とか、「どこへ向かっているんだろう」と思ってしまうのは、当然の出来事だっ

誰かを「羨ましい」とおもうとき

羨ましいなあ、と思っていた。 そんなふうにできて、いいなあ、なんて気持ちを、ぷかぷかと心の海に浮かべながら、わたしは眠りについた。 * いいなあ、なんて誰かを羨んだりしてしまうとき わたしの心は、だいたい2種類の方向に傾いている。 そうなのではないか、と、目覚めの一服をしながら考えた。 ひとつは、「わたしだってそうしたいのに」という気持ち。 わたしができなかったり、我慢したりしながら、どうしても手に入れなかったものを、持っている人を見たとき。 もうひとつは、「わたしは

新しい季節を迎え撃つ、準備をしている

朝起きたら、窓を開けて煙草を吸う。 という習慣は、今でもわたしに根付いている。 無職になったときに、 そしてそれは、外出を控えていた時期のことだったので、せめて窓を開けて、天気や外の空気を感じよう。と思って、始めた習慣だった。 最初の頃は春なのに寒くて、 いまは、寒さと共に春に向かう季節へと変わった。 暑い夏も、寒い冬も わたしは、窓を開け続けた。 どれだけ短い時間でも、わたしは外を見つめる。 季節ごとに、そして毎日かすかに違う匂いがするといえど、 毎日同じ場所を見つ

なかったことにしちゃえばいい

なかったことにしちゃえばいい そんなことを、うたっていた人がいた。 なかったことには、ならないよ。と、思っていた。 いまでも、思っている。 吐き出された言葉は、決して戻ってこない。 薄れてゆく記憶の終着点は”なかったこと”になるのだろうか。 わたしはいまも、考えている。 それでも、いまは いまだけは “なかったこと”への、帳尻合わせ、しちゃえ! * 毎日noteで載せている「ピアノ日記」まとめ動画。 思い立って始めてから、辞める理由がなくて継続している。 再生回数

たくさんの駅に降りたことがある、みたいな人生を送りたい

stand.fmをはじめて、今日で20日。 見切り発車ではじめて、 毎日おしゃべりを続けるために、数ヶ月間大切に抱えていた「可能な限り、毎日エッセイを2本投稿する」ということを、ようやく手放せた。 のんびり、少しずつ しゃべることがわたしの日常に落とし込まれながら わたしは「しゃべること」と「伝えたいこと」について、毎日考えている。 * noteも、stand.fmも、ひとつひとつの記事・配信が、「何回見られたか・聞かれたか」というのは、数字で見ることができる。

この顔で、生き抜くんだから

実は最近、シミを消そうとしている。 * シミがあること、には気づいていた。 (顔のはなしです) ハッキリと言われたこともある。 韓国に旅行に行ったとき、いろいろと化粧品を見繕ってもらっていたんだけど「お客様は、シミがあるからね〜」と、流暢な日本語で言われた。 そのときにはもう、気づいていた。 化粧品を見るのも、買うのも好きだけど まじめに化粧をするのが好き、というわけでもなく 「どうせ崩れるし」と投げやりな気持ちのほうが多い。 手先もそんなに器用なタイプじゃないから、

僕たちの北極星

久し振りに、アマノさんとゆっくり話した。 最近あったことの、どうでもいいことをつぶやき合う。 おやつを食べて、にんまりする。 看板のひとつずつを読んで、笑う。 少し眠たくて、黙る。 気が向くと、ふらりと遠くへ行ったりする。 わたしたちは、 少なくともわたしは、このひとの隣で、すこやかに自由な時間を過ごす。 隣を、守られた自由。 今日話したことの、半分以上をわたしは覚えていない。 他愛のないことを話す、それはやさしい時間だった。 覚えていることもある。 大切なこと。 最

ときめきと、一緒に過ごせる時間

この記事を書いて、わたしは思い立った。 昔、鳥の絵のついたトートバッグをもらった、という話をしたんだけど、こいつを最近見掛けていない。 記事を書く合間に「このへんかな?」という場所を軽く見たけど、出てこなかった。 その代わりに「あ、そういえばこんなの持っていたな…」と存在を忘れていたエコバッグが出てきて、愕然としたりした。 探そう そして、いらないものを捨てよう。 グリルで魚を焼いている同居人に「ごめん」と声をかけて、わたしは断捨離を始めた。 * ものを捨てられない

希望の残骸を、拾い集めて

(ああ、そういうことだったのか…) まどろみの中、わたしは理解した。 わたしは寝床にしていたソファーで、寝返りを打つ。 一度目が覚めてから、既に1時間が経過していた。 そろそろ、起きなくては…と思いながら、スマートフォンに手を伸ばす。 大好きなライターさんである”ちゃこさん”が、記事を更新していた。 わたしはまどろみながら、朝のご褒美を与えられた子供のように、記事を読む。 そうして、唐突に理解した。 ああ、そういうことだったのか。 * お友達の「嬉しい出来事」から語

自由の枠組み

「調子悪いの?」 「なんか、イライラしてる?」 同居人が最近、鋭くなってきた。 いままでは、「なんかイライラしちゃってごめんね」とあとから謝ると「そうだったの?」「全然気づかなかった」と返ってきていた。 最近は、なんだか鋭い。 わたしの態度が悪化した、とも考えられるけれど たぶん、鋭くなってきたんだと思う。 * 思い返してみれば、「冗談とわかっていることに、悲しくなる」ということが多い。 同居人は嘘を吐かない。 だから、冗談であっても、それは真実だ。 「ばかじゃん

この約束は、最後まで果たされなければいい

最近、ふたりの友達と約束をした。 たまたまどちらも、「そうなったときは、叱るよ」という内容だった。 ひとりは、 「他人への愛や、敬う心を忘れてしまったような発言をしたとき。  お金の使い方が、本人自身の常識範疇を越えるとき。」 ひとりは、 「次、同じ出来事が起きたときに、今回と同じ返答をしてしまったとき。」 そのときは、わたしが叱ってあげるね。 だから、いまは大丈夫。 いまの君が大事にしているものを、そのまま大事にしていて大丈夫。 間違えてしまったときには、わたしが叱