見出し画像

「文章理解」を深める勉強法とは。

ある本を読んでいて「ぎくっ!」となったJUNです。

その本とは、最近のもっぱらお世話になっている北尾先生が書かれた「#深い学びの科学なのですが、その中に、

「学習困難な子どもの理由として、「やる気がない。」の一言で処理されてしまうことがあるが、問題はそう単純ではない。」

という主旨の記述でした。

確かに、全身全霊を注いてつくりあげた授業を「えいやっ!」と投げてみたものの、「全力無視でスルー」という扱いを受けた人がいたとしたら、「ちくしょう!」と思うのも仕方がないかもしれません。

しかし、落ち着きましょう。ハンカチはポケットにしまってください。「どのように捉えるのかは自分次第」なのですから。

「子どもが悪い」と捉えても「よっしゃ! 改善し甲斐があるぜ!」と捉えても結果は覆りません。ただ、違うとしたら次の授業へ望むあなたの授業力の差でしょうか。

現実は厳しいものです。成長するためには、どれだけ残酷な扱いを受けたとしても、「自分の授業を改善する。」という一択しかありません。

本日は、そんな話題。

「自分の授業を改善する。」という作業は、授業力を上げる基本的な方法です。さらに、この方法は、「子どもの学習方法」にも通じるものがあるのです。「改善」に喜びを見出した強者のあなたは、これから紹介する学習法を取り入れるとともに、子どもたちにも紹介してあげてくださいね!!

▶なぜ、文章が「理解」できないのか。

今回は、国語の授業を想定しましょう。

「うちの子は、本を読んでも内容を全然理解していないようなんです。」

というご相談を保護者の方から受けることがあります。ここでの禁句は、「子どもにやる気がないから。」という言葉です。

そうです。あくまでも「自分」に振り返りましょう。授業をしていても内容が子どもたちの理解に結びついていないと感じることもあるでしょう。

その時に取り入れたいおすすめ学習方法は、

「問いかけ読書法。」

です。

これは、何かというと、読んで字の通り、

「自分に問いかけなが文章を読んでいく。」

という方法です!! では、具体的に説明しましょう。

例えば、始めての物語文を読んだとしましょう。途中で実践しても良いのですが、教科書位の文章量であれば、通読してしまいましょう。

そして、次に読むときに、簡単な問いを設けます。

・主人公は、だれかな?
・物語の季節は、いつだろう?
・登場人物たちは、何歳かな?
・この時、主人公はどんな気持ちかな?

などなど、細かい質問を出しながら読んでいきます。

この方法を教師と子どもたちでも良いですし、友達同士で実施します。ご家庭では、もちろん親御さんと取り組むのも良いでしょう。

このように、「問われたことを文章中から探す」という読み方により、「読むこと」への困り感を軽減することができるのです。

▶「自分に問う」ことの効果とは。

ここでおもしろい「読むこと」に対する実験を紹介します。

「読む能力」のテストにおいて低い成績を示した子どもたちに対して、個別の練習が行われました。ある物語文を用いて、「主人公は誰か」や「いつ、どこで物語は始まったか」などの問いかけに答える練習を個別に30分ほど行いました。

この実験がおもしろいのは、「問いかけ読書法」と比較するために実験に強力してもらった「励まし読書法」の子どもたちです。「励まし読書法」とは、その名の通り、「努力や楽しむことを強調して動機づけられた子どもたち」のことです。簡単に言うと、「頑張れ!」と励まされながら物語文を読んだ子どもたちということです。

さて、気になる結果ですが、

「『励まし読書法』の子どもたちよりも『問いかけ読書法』の子どもたちの方が成績優秀だった。」

となったのです!!

もちろん、「頑張れば成長できる!!」というマインドセットは、必要不可欠です。しかし、さらに学習効率を上げるのであれば、やはり「問いかけ読書法」を取り入れた方が断然良いのです!!

▶まとめ。

本記事では、「勉強は、自分に問うことから始まる!」という内容をまとめました。

実は、「自分への問いかけ」というのは、非常に応用範囲の広い勉強法です。おまけですが、何かしらの作業に取り組む際、

「チェックポイントを設けて自分に問いかけながら作業に取り組む。」

ことで、作業への注意時間が維持されるということも分かっています。さらにさらに! 作業への「正確性も増す」という効果もあります。

このような勉強法を学校だけでなく、ご家庭でも取り入れ、常に「自分を振り返る」という意識で取り組んで効果を上げていきましょう!!


音声で聞くのも効果的ですよ。



いただいたサポートは、地域の「居場所」へ寄付させていただきます!