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感情のパレット

その昔、長い休みには必ずといっていいほど、読書感想文の宿題が課されていました。

いまの教育現場でも、少なくとも小学生くらいまではあるんですかね。

学校の図書館ではオススメの本が何冊か紹介されていたり、
それを見越して、課題図書の注文なんかも受けつけていたなぁ……
なんてことを思い出します。

読書感想文。

当時の私にとっては苦痛でしたね。

読みたくもない本を読まされて、
その感想を書かなくてはいけない。

しかも……
・文章から印象に残ったシーンを抜き出す
・自分の体験と結びつける
・本の内容の要約になってはいけない
・「おもしろかった」などの単調な感想はNG
・基本的にはポジティブな感想を書かなくてはいけない


みたいな謎のルール(あるいは暗黙の了解)
を押し付けられていましたから、とても窮屈でした。

ちょっとでも不備があると書き直しを迫られていましたし。

そうなってくると、感想文を書くのはもちろん、
そのために本を読むという行為そのものも苦痛になってきます。

読書って本当は楽しい経験なのに……
なんでそれを苦しい体験にしちゃうのだろう……

今でも当時の担任のことは好きになれません。

きっと彼は教員には向いていなかったのでしょう。


そんなトラウマから数年が経ち……というか
自分の好きなタイミングで好きな本を読めれば、
別に苦痛には感じません。

むしろとてもステキな時間が過ごせます。


小説……はもちろんそうですが、

意外と色々な方が書いたエッセイなんかを読んでみるのも
けっこう面白かったりします。

他の方の頭の中をちょっとだけ垣間見れますし

世の中色々な考え方の方がいるんだなーと
勉強になります。

たとえその考え方が、自分のソレとは合わなかったとしてもです。

もちろん感銘を受ける場合もありますよ?


色々な方が書いた文章を読んで、
そういえば自分も似たようなこと体験したなぁ……
なんて、過去に思いを馳せて、

そんなこんなで
色々なことを考えてしまう……というのが
案外楽しかったりするんですよね。


そうなんです。

まさにこれが、読書感想文の本来の在り方だと思うんですよね。


本を読むことで、世界が少しだけ広がる……

そういう体験を1度でもしてほしいものなのですが……
無理やり本を読まされただけじゃ、
そうなるわけないんですけどね。


そういうのって、国語の先生じゃないとわからないものなんですかね。

小学校の先生みたいに、なんでもかんでもやりますよー
っていうタイプだと、国語に思い入れがない先生も
きっといらっしゃるでしょうから?

そういう方にとっては、ただの作業なのでしょう。

きっと過去の私の先生もそんな感じだったのかもしれません。


話が脱線してしまいましたが……

要するに他の人の書いた文章を読むのって
けっこう楽しいし、
(もしかすると)人生が変わってしまう可能性もあるんじゃない?

ってことです。


なんてことを、某作家さんのエッセイ集を読んでいて、
ふとそんなことを思ったので書き綴りました。


たくさんの作家さんの色が混ざって
自分だけのパレットを創っていく……

その楽しさに気がつければ

人生ちょっとだけ、彩り豊かになるかもしれませんね。


※画像はみんなのフォトギャラリーからお借りしました!



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