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暮らしを唄う写真生活家     ちいさな ちいさな そこにある「あたりまえ」を 掬… もっとみる

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暮らしを唄う写真生活家     ちいさな ちいさな そこにある「あたりまえ」を 掬う。

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7/16 いまさらですが、自己紹介

こんにちは。久しぶりに住んでいた町に来ました、こちら、大阪府池田市。歯医者に金髪にバックパックで毎回行くので、病院中の有名人です。 今日は吹田から石橋へ移動し、用事がすんだら夜には三重県へ向かった。一か月ぶりの家と猫とメンバーに、心からほっとした。白猫かいくんは、今日でちょうど一歳。たくさんの人を愛し、幸せにして、そしてみんなに愛されて育ってきたねえ。これからもすくすくと育ってほしいものです(大きさはこのくらいでとどまってほしいが)。 さて、タイトルで察せますが、今日のブ

    • よい

      2023年は気色の悪い夏が続いている。 もっとまわりの全員が不幸になればいいのに。他の誰かが代わりに死んでしまえばいいのに。なんで私だけ、なんで私たち家族だけ、こんなにひどい目に合わなければいけないのだろうか。 宵が病気をした。急に元気がなくなって、床で一日中寝るようになった。ある日ご飯を食べなくなった。おなかのしこりに気づいてすぐに病院で検査を受けた。リンパ腫という、癌だった。余命があと半年らしい。それ以上生きたり完全に治って助かる確率は極めて少ない。お医者さんもネット

      • 桃を煮るひと

        なにも語りたくない。誰の語りも聞きたくない。 相談もしたくない。だからといって言葉にならないものを写したいのでもない。 ひとりでいたいのか、だれかといたいのか、 自然の中にいたいのか、人ごみに紛れたいのか、 風が気持ちいいのか、光や影が美しいのか、 いまなにを撮っているのか、なにを大切にしているのか 何もわからなくなってしまった。 逃げ出したいことと向き合わなければならなかった。そんなの嫌だった。 なにかを信じて思い込むことでしか腑に落とせないなら、ずっと落とさず持って

        • 好きと嫌い

          季節に矛盾したものが好きだ。 真冬にこたつで食べるアイスとか 暑い日にクーラーの下で飲むとろりとしたカフェオレとか。今年の夏は鍋にまでハマってしまった。 でも季節が絶妙に外れたものは嫌。旬じゃない野菜とかこたつが春先まで出てるとかひな祭りや七夕に関して言えば一日遅れでも嫌。もやもやむかむかする。 音楽は低音の効いているものが好き、あとはリズムがとぅるっとしていて少しハズレのきいたもの。JPOPも洋楽も古い音楽も最新のものも好き。KPOPとかHIPHOPはあんまり

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        7/16 いまさらですが、自己紹介

          夏至

          最近の朝は 悪夢からはっとして 目が覚める ソラニンという映画で、車を運転してそのままふと突進して死んでしまう場面がある。そのワンシーンをそのままに、運転席には私の知っている顔がいる。 ばっと起きて、ああ、夢だった、と思う。 夢でよかった、と、思う。 ふれてふれて、ここにいてくれ、と、それだけ思う。 夢は潜在意識、みたいな話って本当かな 夢じゃなくても、そもそも潜在意識って、なんなんだろうか それはじぶんであるのだろうか わたしのこころなのだろうか 思ってもないこと

          入梅

          雫の重たい、雨が降っている。 昨日、掴んだっ、と確かに思った最も美しかった瞬間 風の通る家で、涙が出るような、あぁ今ならわたしは何だってできる、そんな心からの悦びに近いものが迫ってきてそれをことばにしないよう、しないよう必死に守ったあの瞬間と、同じ音楽をかけている。その音は、驚く程に雨の音にかき消されていた。いや、かきけされてなんかいなかったかもしれない。美しく調和していたかもしれなかったその音を、わたしがそういう風に、聞いていただけかもしれない。 とある大好きな小説家に

          わたしが震えるように泣いていたら、わたしの傍に、わたしが名前をつけた命がやってきた。すりすりして、崩れた膝の上で座った。もうひとりは、じーっとこちらをみて、ゆっくり目を閉じたりあけたりした。彼らは言葉を知らない。わたしは、幸せだ、と、思った。今日これでもわたしは、幸せだと思った。

          わたしが震えるように泣いていたら、わたしの傍に、わたしが名前をつけた命がやってきた。すりすりして、崩れた膝の上で座った。もうひとりは、じーっとこちらをみて、ゆっくり目を閉じたりあけたりした。彼らは言葉を知らない。わたしは、幸せだ、と、思った。今日これでもわたしは、幸せだと思った。

          憧れというか変態

          わたしには、憧れの職種がある。 職種、ということばがあっている気はしないが、私の中で勝手にそう括っている人たちのこと。 その人たちは、上下ブルーとグレーの間くらいの色のつなぎを着ている。 焼けた肌に炭のようなあとがしゅっと入っていたり、少し泥や重油の匂いがする。 コンビニでおおきめの軽トラの運転席で足を前にドーンと出して寝転がったり仕事の合間に路上で缶コーヒーを片手に煙草を吸っている。 わかりやすくいうなら塗装や土木の工事現場や自動車整備の仕事をしている彼らのことが、私

          憧れというか変態

          皐月

          祖母と、旅行に行った。ふと、昔の約束を思い出して。旅と旅行、そのちがいを知るようになって以来、旅行というものにあまり縁がない。久しぶりに、紛れもなく旅行、というものに行った。 私はおばあちゃんっ子と言うほどこれまで祖母と一緒にいたわけではない。小学低学年から違う街に住み、その距離は大学でもっと遠くなり、会えてもお盆とお正月だけだった。だから旅行なんてもちろん初めてで、ずっと前、学生を卒業するころに一緒に行こうねといったことを叶えようという、思い付きからの出来事だった。 ー

          「, 」_作品のこと

          さて、そんなこんなで今回は、鳥取での深夜の写真展に出展している作品についての解説をゆるりと話す会でございます。 まず、深夜の写真展とはなんぞやと思うだろう、という事でここに詳細をぽんっとな 鳥取市で明日明後日開催です。 わざわざ自分で持っていったのにはもちろん会いたい人がいるからと言うのもありますが、単に写真を飾る!という展示とは違うものを作りたかったからです。 まずは写真で外見を説明するとこんな感じ。 タイトルは「,  」_写真と日々を暮らすこと 多くを文字や言

          「, 」_作品のこと

          「,」 _旅のこと

          夕焼けの 反対側の空が好きだ。 透きとおるような晴れの日、美しい光が雲を色づけるほうではなく、その反対でにわかに照らされる空。刻一刻と変化を魅せる夕焼けに比べ、ゆっくり ゆっくり 藍色に近づく空。ガタガタ揺れるバスの車窓から、じんわりと宵へ向かう空を見つめている。 1年半ぶりに、鳥取市へ行ってきました。 ふと2日間空いているスケジュール帳を見つめ、思い立ち。昨日来たばかりなのにもう帰路に着いております。三重から鳥取へ行くには近鉄とバスなのですが毎度面白いのがこの大阪鳥取

          「,」 _旅のこと

          燻りの記録

          「夜になったらカーテンを閉める!」 「脱ぎっぱなし、出しっぱなしにしない!」 「癖が悪い!!!!」 これは、私が物心ついた時から実家を出るまで、耳に胼胝ができるほど言われたセリフたち。もう何回怒られたかわからない。たぶん、生まれてこの方最も怒られたキーワードベスト3である。 近年出会った人からしたら信じられないかもしれない。 それともまだまだ、納得~と思われるかもしれない。 少なくともこのままでよくはなくなり、暮らしに自分の人生と作品の軸を見出し、大切にしようとし始

          燻りの記録

          白湯一杯分

          ひさしぶりに、家に彼とふたりになった(正確には猫二匹も) 家に常にだれかいる、さらにそのほとんどが遠方から来てくれる人たちである、そんな生活をしている。一人去ってまた一人、次の日はさらにふたり、という感じでリレーのように誰かと共に暮らしている。いきなりお帰り、と迎え、必ず毎晩、みんなで豪華な手作りご飯を囲む。無論つくるのは彼と私なのだが、大袈裟と言っていいくらいの品数で机が溢れるご馳走を作り、みんなでぎゅうぎゅうに座って食べるのが日常である。好き好んでやっているスタイルだが

          白湯一杯分

          家の近くの桜が、散った。 ”梅の芽吹きがついこの前だったのに” と 例年なら書くところだが 今年はそんなふうには思わない。長かったわけではない。あっという間ではあったけれど、今年は撮影のおかげで毎日毎日、家の庭や目の前の一本道を注意深く観察していた。 昨日なかったつぼみが今日現れ、次の日には大きく膨らみ、その次の日には花を咲かせている。触れば壊れそうなくらいに繊細な花びらは、目を離したすきに1枚ずつ空へ舞い、消えてゆく。庭の芝の青い部分は少しずつ、しかし確かに毎日増え、つ

          あたりまえ

          梅の花が満開に近い。身の回りの人はみな花粉にやられ、わたしは適度にやられつつも旬のめかぶやもずくや小女子などのご飯のおともたちを味方に、海藻だらけの元気な3月を過ごしている。 友達が、卒業していく。今日は地元の友達の多くが通う大学、再来週には、袴姿の私がいたかもしれない大阪大学の卒業式がある。みんなが卒業し、バイト先でご飯会をしたりプレゼントをもらい、海外へ卒業旅行に行き、新生活に”不安と期待”を抱いている。そんなSNSでひしめき合っている。 そんな中わたしはというと、最

          あたりまえ

          日々の片隅

          今暮らす家の前に、まっすぐな道がある。 まっすぐ、まっすぐ遠くを見つめた先に、梅の木が連なっており、ちょうど今頃から、つぼみが開く。家を出た冷たい空気の中、視界の奥にぼんやりとピンク色がかすむようになることが、この土地の春のサインのようだ。 先日、大阪へ最果タヒさんの展示を見に行った。 私にはわからなくて というのは彼女の意図や展示の設計や作風が理解できなかったということではなく 彼女がどこまでの強い思想をもってどんな根拠でそこまで冷静にいられるのかがわからなくて

          日々の片隅