hanayamashita

写真家

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7/16 いまさらですが、自己紹介

こんにちは。久しぶりに住んでいた町に来ました、こちら、大阪府池田市。歯医者に金髪にバックパックで毎回行くので、病院中の有名人です。 今日は吹田から石橋へ移動し、用事がすんだら夜には三重県へ向かった。一か月ぶりの家と猫とメンバーに、心からほっとした。白猫かいくんは、今日でちょうど一歳。たくさんの人を愛し、幸せにして、そしてみんなに愛されて育ってきたねえ。これからもすくすくと育ってほしいものです(大きさはこのくらいでとどまってほしいが)。 さて、タイトルで察せますが、今日のブ

    • 弥生

      薄暗い家の中で、猫の静かな寝息が響いている。雨だ。 ひとりの時間が、今日も私の視線を感傷的にさせる。 久しぶりに、図書館で本を借りて読んでいる。 小川糸さんのライオンのおやつ 糸さんの小説は数冊、エッセイも一冊読んだが、よほど念入りに現地調査をしてその土地を描いているように感じる。物語とは直接関係のない土地性を豊かに、とにかく豊かに描写し、読者にああこの場所へ行ってみたいと思わせる。時代をずらしたり遠くの土地を描いたりせず、読者の想像を掻き立てる隙のないほど身近な土地で

      • きっと楽しいこともあるのに

        きっと楽しいこともあるのに 悲しいことばかりみている きっといいこともあるのに 悪いことばかり畏れている どうやって前向きに 何も深く思い詰めずに 普通に 生きていたのか思い出せない 久しぶりにひとり 東京にたてば周りの人間から出る 情報量の多さに飲み込まれ 音は五月蝿すぎて聴こえず 何を見ても何も見えない 咳き込む人や嗚咽の聞こえるトイレやスマホだらけのテーブルに吐き気がする こんなにも人がいっぱいいて会話なんて聞こえてこないのだ 何を 皆が何を見て何を思って

        • ばあちゃんち

          バスタブに浮かぶバブをお湯に沈めては出し、沈めては出しを繰り返している。いつものように、この家で数時間過ごすだけで整っていく自分を確認しつつ、文章に残さねば、とスマホを握った。義理の祖父母の家で過ごす、初めての年始。 祖父母の暮らす家は名古屋の真ん中に近いところにある。二階建ての一軒家、それぞれの部屋がとても丁度良い大きさに丁度よすぎる家具たちが並び、いつ来ても埃気がなく整えられている。きてすぐ、荷物をあげる二階の部屋が私たちがいつも眠る部屋。そこには布団とシーツと枕、ふか

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        7/16 いまさらですが、自己紹介

          読み給へ

          シェアハウスはいい。ひとりにならなくていいのだ。 シェアハウスはしんどい。ひとりになんてならせてもらえない。 そんなちいさな社会の中で生き、悩み、気を使ったり使わなかったりしている自分と皆を可愛らしく思う。 夏から最近まで、すっかり彼と一緒にいた。過ぎてみないとわからないが、あれほど遠距離が普通の二人だった(ひどい時はカンボジアとザンビアだった笑)と思うと今の当たり前に驚く。そしてたった数日家をあけている(いま)日に、恐ろしいくらいの不安感に襲われる。依存しているのだろ

          ころちゃー丼がなくなった

          今日はあたたかい。洗濯物を干しながら思わず空をみあげてしまう。 冬の突き刺すようなするどい寒さが好きだ。 が、それは概念としての話であって身体は決して好いてはいない。あたたかいほうがいいに決まっている。 ひとりで洗濯物を干しているのが至極久しぶりなように思う。たいてい誰かとぽつぽつ話しながら干す洗濯は一瞬で、寒くても部屋着のままで耐えられるくらいの滞在時間で済む。ひとりでゆっくり洗濯物を干すのがひそかに好きな私は、その歓びに浸っている。 鳥の声、木が揺れないほどの僅かな

          ころちゃー丼がなくなった

          夜中3時のブルーライト

          眠れない夜はラジオをきくようにしている。していた。 けれど今日は特別だ。ゲームの前にショートした旦那の顔が足元にあるわ猫に布団は取られるわでchaosな座敷で天井を睨んでいても何も起こらない。こんなに眠れないなら睡眠を頑張らず、潔くブルーライトを浴びた方が早い。 一通りSNSを確認すると途端に携帯ですることがなくなり、パソコンを持ってきた。メガネは見つからないので画面を顔にめいっぱい近づけてアマプラを漁る。なーんだ、アマプラでも見れるじゃん、プリキュア。最近はもっぱらプリ

          夜中3時のブルーライト

          師走.

          月始まりというのはどうにも文章が書きたくなる。書けと言われても書きたくない日は書かないのに、忙しくてそれどころでない日でも書きたくなってしまったら書かずには眠れない。たとえその中身がどんなくだらないことであっても、そういう次第のようだ。 師走だ。気合を入れて進まなければいけない一か月がやってきた。今年の12月は、類を見ないくらい仕事でびっしりと埋まっている。しかし今日は友人と出かけていた。熊本から三重まで私に会うために、泊りがけできてくれたのだ。 私は「友達と予定を立てて

          空が綺麗だとあの人のことを思い出す。 寂しそうに笑ってそう言うとなりで同じ空を眺めた夏の終わりから、空をまともに眺められなくなった。綺麗だと思えないような、思っても同じように思い出したり、思い出さないといけないような気がしたりしている。 三年前の今頃私たちが出逢い結ばれた頃、毎日焦がれるように見た秋空は、同じように映っていたのだと思う。同じ何かに思いを馳せ、涙したのだと思う。今日の夕焼けが綺麗だとか、遠くあなたのいる町の空に思いを馳せているとか、中高生のポエムみたいで少し

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          好きなことをして生きていくということは、好きなことをもっと知るために他のことから学ぶということであると思う。写真漬けの日々で行き詰まった時、写真以外から写真を学べることがたくさんある。そうしてやっぱり、ここが私のホームだと確認し、写真へ戻っていく。そんな日々を過ごしている。 最近、YouTubeでvlogを始めた。さらに不向きなことにラジオも。慣れないことに頭と時間を使うと共に、次々に作品のアイデアが浮かび、準備を進めている。 とある人が動画を見て、小説を原作にした短編映

          よい

          2023年は気色の悪い夏が続いている。 もっとまわりの全員が不幸になればいいのに。他の誰かが代わりに死んでしまえばいいのに。なんで私だけ、なんで私たち家族だけ、こんなにひどい目に合わなければいけないのだろうか。 宵が病気をした。急に元気がなくなって、床で一日中寝るようになった。ある日ご飯を食べなくなった。おなかのしこりに気づいてすぐに病院で検査を受けた。リンパ腫という、癌だった。余命があと半年らしい。それ以上生きたり完全に治って助かる確率は極めて少ない。お医者さんもネット

          桃を煮るひと

          なにも語りたくない。誰の語りも聞きたくない。 相談もしたくない。だからといって言葉にならないものを写したいのでもない。 ひとりでいたいのか、だれかといたいのか、 自然の中にいたいのか、人ごみに紛れたいのか、 風が気持ちいいのか、光や影が美しいのか、 いまなにを撮っているのか、なにを大切にしているのか 何もわからなくなってしまった。 逃げ出したいことと向き合わなければならなかった。そんなの嫌だった。 なにかを信じて思い込むことでしか腑に落とせないなら、ずっと落とさず持って

          桃を煮るひと

          好きと嫌い

          季節に矛盾したものが好きだ。 真冬にこたつで食べるアイスとか 暑い日にクーラーの下で飲むとろりとしたカフェオレとか。今年の夏は鍋にまでハマってしまった。 でも季節が絶妙に外れたものは嫌。旬じゃない野菜とかこたつが春先まで出てるとかひな祭りや七夕に関して言えば一日遅れでも嫌。もやもやむかむかする。 音楽は低音の効いているものが好き、あとはリズムがとぅるっとしていて少しハズレのきいたもの。JPOPも洋楽も古い音楽も最新のものも好き。KPOPとかHIPHOPはあんまり

          好きと嫌い

          夏至

          最近の朝は 悪夢からはっとして 目が覚める ソラニンという映画で、車を運転してそのままふと突進して死んでしまう場面がある。そのワンシーンをそのままに、運転席には私の知っている顔がいる。 ばっと起きて、ああ、夢だった、と思う。 夢でよかった、と、思う。 ふれてふれて、ここにいてくれ、と、それだけ思う。 夢は潜在意識、みたいな話って本当かな 夢じゃなくても、そもそも潜在意識って、なんなんだろうか それはじぶんであるのだろうか わたしのこころなのだろうか 思ってもないこと

          入梅

          雫の重たい、雨が降っている。 昨日、掴んだっ、と確かに思った最も美しかった瞬間 風の通る家で、涙が出るような、あぁ今ならわたしは何だってできる、そんな心からの悦びに近いものが迫ってきてそれをことばにしないよう、しないよう必死に守ったあの瞬間と、同じ音楽をかけている。その音は、驚く程に雨の音にかき消されていた。いや、かきけされてなんかいなかったかもしれない。美しく調和していたかもしれなかったその音を、わたしがそういう風に、聞いていただけかもしれない。 とある大好きな小説家に

          わたしが震えるように泣いていたら、わたしの傍に、わたしが名前をつけた命がやってきた。すりすりして、崩れた膝の上で座った。もうひとりは、じーっとこちらをみて、ゆっくり目を閉じたりあけたりした。彼らは言葉を知らない。わたしは、幸せだ、と、思った。今日これでもわたしは、幸せだと思った。

          わたしが震えるように泣いていたら、わたしの傍に、わたしが名前をつけた命がやってきた。すりすりして、崩れた膝の上で座った。もうひとりは、じーっとこちらをみて、ゆっくり目を閉じたりあけたりした。彼らは言葉を知らない。わたしは、幸せだ、と、思った。今日これでもわたしは、幸せだと思った。