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新江ノ島水族館に泊まった時の話

2018年に新江ノ島水族館で行われていた「クラゲヒーリングナイト」というお泊まりイベントに参加した時の話をしようと思う。 これは女性限定のイベントで、閉館後の消灯された館内を巡り、水槽の前で夕食を食べ、クラゲコーナーの飼育員さんの話を聞き、そして水槽のそばで寝て起きて最高の気分になりましょうという夢みたいなイベントだった。 江ノ水では例のウイルスが大流行する前まで定期的にこうしたお泊まりイベントが催行されていたのだ。(家族向け、カップル向けもあった) 今後の復活を祈りつつ、自

Adobe Portfolioで始める「自分だけのポートフォリオサイト」の作り方

こんにちは!関西でフォトグラファー・ライターとして活動している三谷です。 今回の記事は、 このように感じたことがある方にオススメです。ややフォトグラファー向けですが、クリエイターの方なら参考になると思います。 ポートフォリオサイトを作ろう!クリエイター、特にフリーランスで活動をされている方はポートフォリオサイトってあったら便利だなって感じたことありませんか?デザイン系の方なんかもはや必須ですよね。 SNSで簡単にデータを見てもらうことはできるけど、なんか、こう・・・「

クッキー缶はいいぞ

クッキー缶が好きです。 なんといっても開けたときの宝石箱のようなきらめき。色とりどりのクッキーがお行儀よく箱に収まっている様子は最高です。 日持ちするから長く楽しめるし、お茶のお供にもぴったり。最初はちょっと値段が高くて躊躇するかもしれませんがそんなあなたの背中を押すために参りました。クッキー缶はよいぞ。 クッキー缶がよい理由1.ワクワクする 買うときは缶の可愛さにドキドキし、開封時は素敵なクッキーがぎっしり詰まっているさまにテンションが上がる。説明書きを見ながらどれから

15kgの巨大望遠レンズで天体写真を撮ってみた

その形から「バズーカ」とか「エビフライ 」などとよばれることがあるとても大きな望遠レンズがあります。重さはなんと15kg。 これで天体写真を撮ったらどんなふうに写るのかなぁ……。 初めてこのレンズを見た時に思った好奇心から、なんとか天体を撮るまでの顛末を書いてみます。 この記事は機材のレビューでもなければ天体写真のハウツーでもありません。 天体写真を撮るためにはこんなことをやっているのかと笑って楽しんでいただければと書いたものです。できるだけ多くの方にわかりやすいように書

she loves you

出会いはありふれたものだった。 友人になんとなく誘われた日帰りドライブ旅行のLINEグループの中に、彼女はいた。 誰に撮ってもらったか分からない、寂しげな表情の横顔アイコンに何故か惹かれた。 前日の夜、集合場所や時間のやり取りの時、彼女の選ぶ一つ一つの言葉遣いが好きだと感じた。 まだ会ってもいない、声も聞いていない相手に、僕の心は揺れていた。 旅行当日、友人が運転する車に同乗して、彼女はやって来た。 車のドアを開けた時に合った眼差し、肩より少し長い髪、細く白い指先に塗られ

わたしの写真との向き合い方

昔から、物語を形づくることが好きだった。 * 幼稚園の頃、わたしが砂場で砂を掘っていると、先生がやってきてそっと耳打ちをする。 「この砂をずーっと掘り続けて、硬い地盤も掘ってしまうと、アメリカという別の国につながっているのよ」 その日以来、ひたすら砂場を気の済むまで掘り続けた。卒園するまで必死に掘り続けても、まだ見ぬアメリカにたどりつくことはついに叶わなかった。 * 小学生の頃、学校まで片道30分くらいかけて歩いて通っていた。同じ学区内にいる子たちで指定された時間

BUMP OF CHICKENの影響で「後ろ姿の写真」を撮るようになった話

最近、「憧れ」について考えることが多い。 特に何かがあったわけではないが、人生を歩む上で誰かに憧れた経験というのは、特に若い時代において大きな影響を与える。 先日、こんなラジオを録った。 この中でも、ちらりと触れているが、僕は人生の中で人に憧れた経験というものがほとんどない。 しかし、この人たちみたいになりたい!と強く思った経験はたしかにあって、そのうちのひとつはロックバンドのBUMP OF CHICKENである。 14歳の時に、WOWOWの無料放送枠のミュ

世界を見つけるということ

「木洩れ陽」が好きでよく撮ります。美しいですよね。木々の隙間から光が射して映し出されたそれ。風に揺れるとまるで小さな子供たちがダンスしているようにも見えます。この言葉を生み出した豊かな感性に憧れます。ところで英語では「木洩れ陽」を一言で表せられないそうです。 英語では ”sunlight filters through the trees” のようなセンテンスで表現されるそうです。同じように日本語にも一言で表せられない現象があります。たとえば ”Petrichor(ペトリコ

撮りがいのあるギャルに感銘をうけた日

とかく変わったもの、突飛なものはネタにされやすい。 先日の話。成人式の前撮りにいった。前撮りとはいえ、この蒸し暑い時期に振袖とは珍しい。 聞けばおじいちゃんの体調がよろしくないそうだ。元気なうちに振袖姿を見せたいという御家族の心遣い。いい話だ。きっと黒髪で清楚でどこか古風な芳根京子みたいなお嬢さんが、はにかみながら待ってるはずだ。そう思い、ご自宅にうかがった。 芳根はいなかった。代わりと言ってはアレだが気合いの入ったギャルがいた。 撮られることに積極的な子。上のポージ

あなたの頭撫でた嘘のような朝日だった

 ドアを開けて、粗く切り刻まれた無数の写真が雛を守る鳥の巣のように、座り込む彼女を取り囲んでいるのを見て、僕はもうここに居ることはできないと思った。彼女は俯いていて、眠っているようにも見えた。  僕はリュックサックを下ろして床に置き、刻まれた写真の破片を踏まないように気を付けながら、彼女のそばに寄って膝をつき、身をかがめた。彼女は眠ってはいなかった。真下の一点を見つめながら、荒く、静かな呼吸を繰り返していた。  彼女の名前を優しく呼びながら手をのべようとした時、まだ指先も上が

人のいない美術館を堪能する贅沢。 「 #emptymoriartmuseum 」

六本木森美術館で開催された「#empty(エンプティ)」というイベントに夫婦で参加してきました。 ここではその時に撮った写真33枚を併せて紹介します。 #emptyとは? 2013年にニューヨーク・メトロポリタン美術館で初めて公式に開催されたInstagramを使ったソーシャル・イベント 空っぽの美術館をフォトグラファーとモデルが撮り歩くとてもエキサイティングな内容。実際ものすごく楽しかったです。 こういった取組をしている美術館は、日本でもまだ森美術館だけとのこと。 詳

絶望的で最高

「どうして星はきらきらしているの?」とバイト先に置いてある本に書いてあった。答えは「ゆらぎ」があるから。空気がゆらいでいるから星が瞬く。それは人間も同じだと思った。 写真家の弟子を辞めた。「なんでもっと早く辞めなかったの?見ていて本当に辛かったよ」と辞めた後に周りの人何人かに言われた。たまにしか会わない、仕事で関わっていた方たちからもそう言われるくらい、側から見ていて色々とヤバかったんだと思う。 100万円の犬を買い逃してしまって辛いという相談メールをラジオに送ったら

25歳、夢をあきらめる

 夢を諦めるってどういうことか、いつか忘れてしまう前に書き留めたかった。  この世が終わるような気がしたし、死んじゃいそうなくらい涙が出た。なにより、私はこんなにも苦しいのに、世界は何も変わらないことが絶望的に悲しい。体が半分なくなった。夢を失うことは、瀕死の大失恋だ。  「ファッションモデルになりたい」というのが、大学生の頃、上京したての私の「夢」だった。ある意味でそれは叶ったし、叶わなかったともいえる。夢半ばで諦めたというのが、きっと一番近い表現だ。  noteには、