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進みたくても進めない時代の歩き方(「陰の時代」の話 by 『易経』)

何事もうまくいくことがあれば、そうでないこともあります。
振り返れば「あぁ、あの時は苦楽はあれど総じてスムーズだったな、順調だったな」とか、逆に「あの時は辛かったな、負のスパイラルだったな」という時もあり、人生はそんなことの繰り返しなんじゃないかとも思います。

帝王学とも呼ばれる中国最古の哲学書『易経』には、それぞれの”時”に為すべきこと、私たちの在り方が書かれています。今日はこの1つについて書きたいと思います。

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長い歴史のなかでは、まさに"今"がの時代とも言えるのですが、

「あの時は辛かったな、負のスパイラルに陥っていたな」という時間のこと「陰の時代」と呼びます。

(東洋哲学思想の『陰陽論』に沿ってとらえるとそう呼ぶのですが、陰陽論については後方で触れたいと思います)

陰の時代とは、例えばこんな時です。

・前に進もうとしてもままならない事が起きる
・何かと思い通りにいかない
・予定に反する事がよく起きる

組織であれば「リーダー不在の状態」もこの時だと言われています。

「陰の時代」は、

〈エネルギーが切れて物事が停滞する時代〉

と言われています。

今までのやり方では前に進めず
今までやっていたことが通用しない、

それが陰の時代。

そしてこの時代に求められる私たちの在り方はただ1つ、

自分の目の前や周囲で起きていることを
冷静に受け止め、無理せず、焦らず、
頑張りすぎず、時の流れに従順に生きること

です。

なぜこの在り方が大切なのでしょうか。

◆◇◆

ちょっと『陰陽論』の話に戻ります。

(この言葉は知らずても、陰陽図(太極図)は有名かと思います)
↓ ↓ ↓

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『陰陽論』は、

・物事を2つに分ける"ものの見方"の話で、
・物事には常に2つの相反する性質がある

ということを説く東洋思想、とりわけ中国の哲学思想であり自然観です。

この"陰陽"の意味するところに時間という概念を加えると「2つの性質の強弱は常に変化する」ということが言えるのですが、季節の移ろいを例に説明させてください。

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陰・陽はその言葉からなんとなくイメージしやすいかと思いますが、暖かい・暑い時期が「陽」、冷える・寒い時期が「陰」です。

上の図のように、どこか一点でこの「陽」と「陰」が同じ強さ(弱さ)で停まっていることはなく、必ず時間とともに移ろい、「陽」が極まれば、自ずと「陰」に転じていくという法則があります。

これがあらゆる物事に当てはまるのです。

◆◇◆

物事が通じる時代、つまり何事も進めば何とかなる、うまく行く時代が「陽の時代」だとすると、「陰の時代」はこの逆なので、進んでも前に進めない時代。

だから、むやみに焦って動いても体力や気力を消耗してしまい、新たな志や希望を打ち立てることがかえって難しくなったりします。いわゆる"負のスパイラル"に陥っている時です。

こんな時はとにかく自然に身を任せる、自分に起きていることを受け容れることで「陰気」が極まり、自然と「陽気」が育つ方へと向かいます。

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陰・陽の時代の話はそれぞれで本が1冊書けるぐらいの濃い話で、ここではその大切なエッセンスの一部を話しているにすぎないのですが、これを知っているだけでも、随分日々が生きやすくなるように思います。

続けていると休む事が「悪」だと感じたり、焦りも生じるかもしれませんが、これまでの自分や志を見つめ直す時がきたのだと捉えると、とても前向きな時間とも言えます。

(渦中にいるとなかなかそうは捉え難いかもしれませんが、『易経』にはこの"渦中"に翻弄されないための原則が書かれていて、古来、武将をはじめとする人々が参考にしてきた事実が、現代の帝王学とも呼ばれる所以なのだと思います)

私は休むことが苦手でした。いまも決して得意ではないのですが、この陰陽の話と陰の時代の在り方を知り、体の疲れを感じたり気持ちが前に向かない日はいさぎよく「何もしない日」として過ごせるようになりました。踏ん張り時も休む時もちゃんと流れがあるのだということが、ようやく分かってきたように思います。

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もしも今が自分にとって陰なのか陽なのかを体感しづらい時、進むのか停まるのかを判断し難い時は、ぜひ鑑定などを頼り、次の「陰」「陽」の兆しを捉えていただくと良いのかなと思います。


■参考文献 | 「陰の時代」に関するおすすめ本■

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